会津駒ヶ岳 標高差 約1,190m
2000年6月5日(日)曇り時々晴れ新緑のブナ林
広大な頂上湿原、展望抜群、豊富な高山植物と会津駒ヶ岳に一度登ってみたいと思っていた。しかし、檜枝岐は遠くなかなか腰が上がらない。そんなとき、会津の大戸岳にネマガリ採りにいくことになった。チャンス到来である。ついでに翌日登ってこようと計画を立てた。天気が良ければ中門岳まで足を延ばそうと思ったが、あいにくのガス、そしてまだ残雪が多く、会津駒の魅力を満喫するには至らなかった。
【山 名】 会津駒ヶ岳
【メンバー 】 単独
【行 程】 駒ヶ岳登山口(梯子)…駒ノ小屋…会津駒ヶ岳山頂
0620 → 0910-0940 →1000
1210← 1040-1030 ←1030
【地 図】 会津駒ヶ岳、檜枝岐 1/25,000図
久川キャンプ場でネマガリ採りの仲間と別れ、檜枝岐をめざす。天気は上々、しかし、車窓から見る山頂方面は厚い雲が懸かっている。う〜ん、やばいなあ、でも山頂に着くまでには晴れるだろうと淡い期待をかける。
国道から分かれ、曲がりくねった林道を走り、登山口に到着。沢山の車が止まっている。梯子の脇には「登山の前に再確認、車中に貴重品を残さず、ドアロックは確実に」の看板。以前、白毛門の登山口でカメラの盗難にあったことを思い起こし、再度ドアロックをして登り始めたすぐにブナの新緑や小鳥の賑やかな鳴き声が出迎えてくれる。ふとブナの木を見ると、痛々しそうな看板が木肌に食い込んでいる。「図根点見出標」という見慣れない看板だ。木が小さいときに取り付けた物らしいが、心ない方法に憤りすら感じた。
ここからは、急斜面をジグザグに見通しのない樹林帯を登る。ブナやミズナラの新緑の中に、ツツジやコブシ、オオカメノキが沢山咲いていた。白と緑、ムラサキ、ピンクの色合いが賑やかだ。昨日見たオオルリが、また間近で見ることが出来た。今まで見たことがないのに二日続けて見れるなんてラッキー!!1,500mあたりから、残雪がちらほらと現われるあたりから、少しずつ天気が悪くなってきた。そして1,800mあたりからは針葉樹の中、冷たい風が吹き付ける。視界はほとんどなくなってきた。このあたりはもう沢山の残雪である。毛糸の帽子を持ってこなかったのは失敗である。木の根っこの雪解けの穴でひと休み。スパッツ、6本爪アイゼン、防寒着を身につける 。
ガスは切れそうにないが、トレースはあるので、目印に気を付けながら先に進む。針葉樹林が多くなると、トレースもまばらとなるが、赤い布の着いたポールが先へと導いてくれ、緩やかな登りである。このあたり本当は湿原が広がるらしいが、生憎今日はまだまだ雪の中、アイゼンに団子がくっつき歩きにくい。ストックで雪を落としながら歩いていると、駒の小屋が突然出現した。
沢山の人が風をさけていた。休憩室は大入り満員。席を空けて貰いアンパンをかじる。温かいコーヒーが何よりのごちそうだった。さて、どうしよう。展望は全くない。しばし思案…折角だからと山頂をめざす。広い緩やかな登りは下手すると道を間違いそうだ。磁石をセットし、足下のトレースを探しながら登るとわずかで山頂着。何も見えないが、あこがれの会津駒ヶ岳山頂でしばらく休憩。このガスでは予定していた中門岳はパスすることにした。登頂記念に新潟の局と無線で交信する。
あれっ、ぽつりぽつりと雨のようだ。空を見れば今にも青空なでてきそうな雰囲気であっが、この調子では期待できそうもない。下山開始とする。駒ノ小屋で再度磁石をセットして下る。赤い印の着いたポールが心強い。アイゼンはもう不要と外した。滑るように早足で下っていると、ガスの中からスキーヤーが突然現れた。私を見つけてびっくりしたのか、方向転換をした時に転んでしまった。こんなガスの日にスキーで下るって危ないなあと思ったが、起きあがると又ガスの中へと消えていった。 下りはスイスイである。1800m付近からはガスもなくなり、暖かい日差し、そして青空が現れた。遠くには尾瀬方面小山だろうかm展望が素晴らしい。う〜ん、この展望が山頂から望めたらなあと山頂方面を見やるが、そちらはまだ雲の中であった。
そして駒の小屋から1時間40分で下山、檜枝岐の駒ノ湯で汗を流し帰路についた。
往復520kmの会津の山登りは幕を閉じた。遠いなあと感じていた会津駒ヶ岳、これで、又夏に来たいなあと感じた次第である。