玉原 鹿俣山〜獅子ケ鼻山 その1
2002年3月9日(土) 快晴無風以前、剣ガ峰山から上州武尊に登ったとき眺めた、鹿俣山からの稜線のピーク、獅子ガ鼻山が気になってしょうがなかった。獅子から眺める剣ガ峰はどんな感じに見えるんだろうか?積雪期しか歩けそうもない藪の尾根道。行くなら今しかない…と思って先日思い立ったが降雪悪天のため登山口まで行ったものの断念。今日は日本全国春の好転日和。雪も締まってくるこの時期。よし決行だ。果たしてどんな景色が待ち受けているのだろうか… 獅子ケ鼻山 右は剣ガ峰、左奥は上州武尊山
【山 名】 上州 獅子ケ鼻山(1,875m)
【メンバー 】 単独
【行 程】 玉原P…シャクナゲ群生地…尾根…1,709ピーク…獅子ケ鼻山…1,709ピーク…鹿俣山…玉原P
0930 1120 1145 1225 1335-1425 1455 1520 1615
【地 図】 藤原湖(1/25,000図)、谷川岳(昭文社エアリアマップ1/50,000図)
日本全国快晴との天気予報。よし、山行き決行だ。
関西への日帰り出張で体は疲れていたが、遊びとなると突然元気が回復してくる。しかし体は正直だ。早起きしようとの意気込みとは裏腹に目覚まし時計を知らないうちに止めていた。
出遅れたが予定通り出発。食料の調達に途中コンビニに寄ったが、殆どが売り切れ御免の状態。仕方なくいつものアンパンとする。出がけに、喉の痛みの薬(もしかしたら風邪、それとも花粉症とのお医者様のご託宣)を服用した。服用後眠くなることがあります…との注意書きがあり、いつ眠くなるかと心配だったが、無事何事もなく玉原スキー場の駐車場に到着(¥1,000/日)
いやあ、凄い快晴、青空しかない。スキー場の上の方にそびえるピーク、青い空と白い山、あれが獅子ガ鼻山のようだ。アイゼンは念のため12本爪、フリースはいらなそうだが、尾根はどんな風が吹いてるか分からない、持っていこう。ピッケルは不要かな?冬用のオーバーヤッケはやめてゴアの雨具とする。しっかりと日焼け止めを塗っていざ出発。スキー客の、「こいつ、こんな格好してどこ行くんだろう」と言うような視線が痛い。
登山口 ブナ林 ウサギかな? 第二駐車場の方に少し戻り、ガードレールを乗り越えて雪原に第一歩を記す。雪は締まっているもののちょっと油断するとズボッともぐり歩きにくい。
最初からスノーシューの出番となる。
ブナ林の樹林帯は、ウサギやその他の動物の足跡があちこちにトレースをつけている。よく見ると、いったん木の側に寄ってそこから又別の所へと方向転換している。餌を探して流浪の旅をして居るんだろうか?この足跡は何の動物かなあと思いながら歩くのも楽しい。時折クロカンスキーのトレースも現れる。しばらくは、スキー場の喧噪も届かない広大なブナ林を散策しながら少しづつ高度を上げていく。誰も歩いてない所を選んで歩く。
ペンションへの分岐の標識が頭だけ出している。まだまだ雪は深い。時折右手に剣ガ峰山や獅子ガ鼻山が樹林の間から顔をのぞかせる。雪原でちょっと一休み。風もなく暖かい。耳を澄ますとコンコンコンと心地よいドラミングの音、アカゲラのようだ。
少しずつ高度を上げていくとスキーのリフトのところに到着。この先はちょっと急になる。スノーシューでは歩きにくい。しっかりとつま先を蹴り混んでステップを刻みジグザグに登る。
まだ雪はいっぱいある シャクナゲ群生地より そしてまた緩やかな雪原となり、ちょっとした登りでシャクナゲ群生地と表示のある場所に着いた。ここからは剣ガ峰が堂々としている。鹿俣山が眼前に大きくそびえている。最後のひと登りは結構厳しそうだ。いったん急な崖を下ってまた登り返しかあ、獅子ガ鼻方面を見ると、鹿俣山に登らなくても、右手の山肌をトラバースして途中の尾根にとりついた方が楽なようだ。ふと左下を見ると単独行氏が下っていた。
いったん崖を下り、トラバース気味に歩く。山頂には雪庇が大きく張り出している。ところどころ大きな雪の固まりがある。たまに雪崩れているのだろう。用心して急いで歩く。そして鹿俣山と1,685mの鞍部の稜線にでる。鹿俣山方面からトレースが続いていた。ここまでトレースが無く一番乗りかと期待したが、ちょっぴり残念な気持ちだ。
まあ、この時期はスノーハイクに人気のある玉原である。これもやむなしだろう。尾根からは上越国境の山々が素晴らしい景色を見せてくれる。あれが谷川連峰、巻機山…とず〜と白い山脈が続いている。絶景だ。八ケ岳や浅間山も見える。もちろん赤城は手に取るように見える。富士山はと探すが、遠くはぼやっとしてて見つけることができなかった。
普段は藪で歩くことができないと思われる尾根、こんなに素晴らしい景色が堪能できるとは思わぬ収穫である。写真を撮りながら進むとなかなか足がはかどらない。時々ズボッともぐる時もあるが、たまには固く凍結したところもある。いったん固まった雪の上に新雪が降ったんだろうか、20cm位の深さのところは固い。トラバース気味に歩くときは用心が必要だ。スノーシューの爪は横には弱い。ちょっと気を抜くとズルッと滑る。それに今日は天気が良すぎるようで、雪が団子になって爪にくっつく。時々ストックでとんとんと落としてやる。そうしないと足が重くなってしまうのだ。そんな状態がしばらく続く。そういえば、こんな感じで雪がべっとりして足が重く、ついに登頂を途中で断念した山行を思い出した。あれは四阿山だったなあ。
右側は雪庇が張り出しているので、なるべく左の方を歩く。時々これはやばいなという感じのところもあって、左の樹林帯の中をトラバース気味に歩く。固い雪面、アイゼンが欲しいところだが面倒。キックステップで横歩き、でも失敗して何度かズルッと転ける。こんなところでも、ウサギの足跡は軽快に森の中をはね回っている。いいなあ、あんなにテンポよく歩けたら…
どんどんと剣ガ峰山が大きくなってくる。手前の鬼岩もなかなかの風格だ。そして1,709mのピークに到着。先行者のトレースもここ迄で引き返している。やったね、めざす獅子ガ鼻山へは一番乗りができるぞ〜!。
振り返っても誰も歩いてくる気配はない。
しばし展望を堪能し休憩。その2へ続く 写真を見る