玉原 鹿俣山〜獅子ケ鼻山  その2

2002年3月9日(土) 快晴無風

谷川連峰
谷川連峰です。西黒尾根や天神尾根もくっきりと見えます

 それにしてもいい天気、暑いほどだ。シャツも脱ぎたい感じ。腕まくりをする。ここから眺める獅子ガ鼻山はもうすぐに見えるが、標高差で約170m程だ。距離的には鹿俣山からちょうど半分くらいである。なだらかそうに見えるが、果たしてどうだろう?いったん15m程下り緩やかに登っていく。凍結したところや、ズボッと埋まるところとなかなか難しい歩きだ。大きく雪庇が張り出しており右に寄るのは怖い。木の枝をかき分けながら左の樹林帯2はいる。地図ではなだらかであるが、ちょっとしたアップダウンがあり、トレースのない尾根は、よっこいしょとラッセルを強いられる出っ張りが時々現れる。このひと踏ん張りがなかなか乗り越えられなくて苦労したところもあった。でも長くは続かないのでこれはこれで面白い。

1,709のピーク。後ろは巻機山方面 獅子ガ鼻はもうすぐ ここは大きく左に逃げる

 しかし、気温が上がりすぎだなあ。スノーシューは相変わらず団子になっている。一歩が重い。数歩歩いては雪をストックで落とす。以外と手間取ってしまった。1時半までには軽く着くだろうと楽観していたが、最後の登り数mの急登がなかなかはかどらない。数歩登ってはずるりと下がる。一歩一歩スノーシューを蹴り混み、膝や胸で雪をかき、またステップを切る。最後は数mの登りを15分くらいかかっただろうか…

 しかし苦労の甲斐あって念願の獅子ガ鼻に到着した。改めて素晴らしい景色を眺める。上州武尊も剣ガ峰もすぐ間近だ。歩きたい誘惑に駆られる。いつの日か…と思った次第です。しかし、獅子ガ鼻の先端はほぼ直角に切れ落ちた岩場で雪がいやな感じで着いている。岩登りの経験のない我が輩はとうていここから先には進むことはできないだろう。この先はエキスパートの世界。無理はよしましょう。山頂は左右は切れ落ちているが縦に長い。この素晴らしい景色の中にたったひとり。この感動を妻に電話で伝える「ヤッホー」

山頂手前の急登 山頂から望む剣ガ峰 登ってきた尾根

 さて、記念にアマチュア無線で交信しようか…430MHzのメインをワッチしてみると、神奈川県の局がCQを出していた。早速応答する。愛甲郡の経ケ岳の移動局だ。しばし山の話で盛り上がり楽しんだ。(帰宅して概略の距離を算出、約120km位ありそうだ)
 まだまだのんびりしていたいが、登りで4時間もかかった。あまり遅くなるのも不安なので下山とする。帰りは、すこぶる快適。あれほど苦労した急登もほんの一瞬ですべりおりた。そしてルンルン気分で1,709mの尾根まで到着。鹿俣山方面に人が見える。登ってくる気配はなさそうだ。帰りは鹿俣山経由とする。気分良く歩いていたら突然無重力状態に陥った。一瞬パニック!!
 クレパス?に落ちたのであった。幸い、瞬時にストックを横にして引っかけることができ、腕をいっぱいに広げ下まで落ちるのは防止することができた。割れ目は我が輩の身長よりも深そうに見える。いやあ、やばかったなあ…いったん雪庇が落ちそうになった所に新雪が被さり、ちょうどその上を歩いていたんだろう。これからは、用心してさらに右寄りに歩いた。

もがいた後は分かるでしょうか(^_^;) こんな感じでずっと縦に割れているようです

 鹿俣山へは、緩い登りである。先ほどのおじさんが写真を撮っていた。聞くと、今日は鹿俣山山頂付近で7人で雪洞泊、明日剣ガ峰山をめざすそうだ。獅子ガ鼻の先の下りは難しそうですよと教えてあげる。ザイルも持ってることだし、7人も居るからどうにかなるだろうとのことだった。山頂直下では、おじさんの仲間が汗たらたらで雪洞堀を頑張っていた。おじさんは余裕である。手伝わなくて良いんだろうか?いいなあ、あんなに汗をかいて掘った雪洞…宴会のビールがうまそうだ。でも、まだまだ7人が寝るにはほど遠そう。頑張ってくださいと励まし、下る。

鹿俣山から望む剣ガ峰山と獅子ガ鼻 雪洞堀に励むグループ 夕日に沈む榛名山

 急な下りをすぎるとスキー場に出る。スキーヤーに用心しながら脇を歩く。
そして途中から登りに使ったブナ林をのんびりと下山した。途中、スノーシューハイクを楽しんでいたご夫婦らしき人に出会った。帰りは夕日に沈む榛名山を眺めながら安全運転で帰りました。
 この夕日、山頂でテント泊して酒でも飲みながら眺めると最高だろうなあと思いつつ…

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