素晴らしい黄葉その1(2,702m)
2001年10月6日(土)〜7日(日)両日とも晴れ
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白山、今度行くならちょっと離れた別山への稜線を歩きたい。そして下りはブナの原生林のあるチブリ尾根を下ってみたいもんだと思っていた。今回、その機会がやってきた。季節は秋、ブナ林の黄葉は綺麗だろうなあ…
その1は、都合で写真がありません(^_^;)
10/6 別当出合(観光新道)避難小屋…室堂……御前峰…お池巡り…室堂…南竜休憩所(泊)
0900 1100-15 1220-30 1305-25 1430 1525
10/7 休憩所…油坂の頭…御舎利山…別山……御舎利山……チブリ小屋…市ノ瀬
0435 0530-45 0715-25 0725-45 0755-0815 0910-10 1115
単独
地図…白山(昭文社エアリアマップ45 1/50,000)
以前行ったのは花の多い夏だった。そのとき遠くにちょっと離れてぞびえる別山へのなだらかな尾根。気持ちよさそうだなあ。今度はあそこへと思っていたら、急に金沢への出張が決定した。それも連休前の週末。チャンス到来、さっそく地図を見てコースを検討。先日中ノ岳で出会ったKさんからチブリ尾根の紹介文を送っていただいた。チブリ尾根への期待はますます高まる。
本当は7日の夕方までには伊勢崎の帰らなければならない用事があったのだ。無理すれば日帰り登山も可能のようだが、折角ここまで来てとの思いは強い。憧れの別山へ行くにはどうしても一泊しないと無理。妻に「ごめん、やはり泊まったら間に合わない」と了解を得る。
金沢のホテルを予約し時間指定で宅急便を送る。仕事が終わりホテルへチェックイン。ザックは着いてるかと訪ねると「いいえ…」との返事。少し遅れてるんだろうと待つこと指定時間より2時間ほど遅れても「まだ来てません」の返事。もう気がかりでない。ザックが着かなければ今回の山行は中止となる。そんな馬鹿な…
宅急便業者に電話すると「確かに届けてます」との返事。早速フロントに電話する。「探してみます」との返事の後、15分もして「失礼しました。ついてました」と平謝りのホテルマン。サービス業でこのていたらく、もうしょうがないなあと心で思ったが、着いててホッと一安心。心おきなく休むことができた。
翌朝、バス乗り場へ急ぐ。15分ほど前に着いたのに座席はかなり埋まっていた。隣は金沢の女性の二人連れ、あちこち歩いているようだ。我が輩の歩くコースを言うと「いやあ、凄い、超人!」等という。そんなこと無いよね、結構歩いている人いると思うけど…途中の駅からも何人か乗り込んで補助席も使うほどの混みよう。いやあ、やはり連休、人気の山は混むのかなと思いながら約2時間強揺られて別当出会いに到着した。女性に帰りのバスでまた会いましょうと別れを告げ観光新道を登る。
ほとんどは砂防新道経由で登る人が多い。こちらの方が急とも少なく短時間で登れる。今日は天気も良いし、絶対観光新道だよねと思いながら登る。そこそこの黄葉がチラホラ、いったん林道に出て、そこから丸太の階段の登り。先日の簿田先日登った中ノ岳に比べれば、この程度なら楽勝だ。ザックも今日は水が少ない分軽く感じる。丸太の階段はちょっと間隔があいているが、中間に石がおかれてあり歩きやすい。ふ〜ん、気がきいてるなあと感心する。急登には違いないが、今日は体調も良くスイスイと登る。市ノ瀬への分岐の稜線あたりにでると展望も開ける。ここらあたりからは観光新道のコースがずっと見渡せる。まだまだ丸太の階段は続く。このあたりダケカンバなどのまだ少し早いが、黄葉が綺麗だった。リンドウやゴゼンタチバナの赤い実、シラタマノ木が旧都で疲れた身体を慰めてくれる。
1,800mあたりからはなだらかな稜線歩きとなる。しかし、このころよりガスとなり、山頂方面は見えなくなってしまった。いやあ、参ったなあ。先ほどまでの青空はどこへ行ったんだ。見えるのは釈迦ガ岳方面だけだ。まあ、何も見えないよりは良いけど…せっかく観光新道選んだのになあ…これより先、ガスが切れたり、かかったりでピーカンでは得られないめまぐるしく変わる景色も中々みものではあった。
もう急な登りはなさそうだ。日差しもなく快適の登る。突然足下でガサガサと何かが動いている。ヘビだ。一瞬フリーズする。しかしヘビはおとなしく藪の中へ…そしてひと登りで殿ケ池避難小屋着。数人がくつろいでいた。ここでおにぎり一個食べる。コの字型の板張りで10人以上は泊まれそうな綺麗な小屋だ。しかしこのあたりで泊まる人いるのかなあ、ちょっと中途半端なところに建っている小屋だなと思った。
そして少し下がったところに池があった。ここは霧や雲を支配する竜神がすむという伝説があるそうだ。
「晴れてくれ〜」と竜神様に祈りながら紅葉で綺麗な山肌を登る。馬のたてがみと言う名が付いた坂を登る。そして蛇塚に到着。もしかして先ほどの蛇はここに閉じこめられた蛇が出てきたのでは無かろうか?蛇塚とは、その昔、白山を開いた秦澄大師が千匹の悪蛇を閉じこめたと言ういわれのある塚だそうだ。封印が解けて出てきたとしたら大変なことだ(^_^;)
そして大きな岩のあるところに到着。沢山の人がくつろいでいる。砂防新道との合流点、黒ボコ岩だ。別山が雲海の上に浮かんでいる。岩に登ると白山山頂が見えた。青空だ!!先ほど竜神様に祈ったのが聞いたのだろう。やったね。ここから風景は一変しだだっ広い草原が広がる。弥陀ヶ原だ。そしてエコーラインとの道と合流し、また登り始める。水が流れている。しかい「この水は雑菌がいます。洗顔も飲用も禁じます」と恐ろしい看板が立っている。いやあ、どこでそんな雑菌に征服されてしまったんだろう。室堂のせいかな?山の水も安心できないなあ…
わずかで別天地に来たかのような大混雑の室堂に到着。いやあ、沢山の人だ。室堂は今年まで改装工事中で泊まれるけど食事の提供は無しとのこと。皆の荷物が一様に膨らんでいるのもこのせいだろう。少し休憩してザックをデポし山頂をめざす。わずか30分ほどで絶景の展望が待ち受けている山頂に到着。北アルプス方面が雲海の上に浮かんでいる。槍が岳だ、立山だ剣だ、乗鞍だ、御岳だ、あれはなんだかんだとみんなで展望を堪能する。時々ガスで隠れるので見逃さないように必死だ(^_^;)
眼前には剣が峰や大汝峰、そして眼下にはエメラルドグリーンの池が美しい。日本海方面は一面の雲海だ。しばし展望を楽しんだ後お池巡りに出発だ。いったんゴツゴツとした岩肌を下り紺ケ池そして翠ケ池めぐり。綺麗だなあ、池を全景に剣ケ峰を写す。う〜ん、良い写真が撮れたぞ!そして千蛇池、ここはまだ大部分が雪に閉ざされていた。神秘的な池巡りを終えて室堂に戻る。休んでいるとバスで出会った二人連れに遭遇。今から山頂をめざすという。ここで水を2.5L補充しトンビ岩コースで南竜をめざす。
シラタマノキやゴゼンタチバナの赤い実が群落で目を楽しませてくれる。トンビ岩と呼ばれる大きな岩のところから眼下に南竜ケ馬場が望める。結構あるなあ…ここから急な下りとなる。このあたり紅葉も綺麗だ。そしてテント場やロッジが大きく見え始めると沢沿いの道となり、やがて南竜山荘だ。たくさんあるロッジは閉まっている。避難小屋はどこかなあと川を渡りテント場に到着。「避難小屋どこですかねえ?」と訪ねるが「?あったっけ」と言う返事。テントも10張りくらいあった。仕方なくキャンプ場の橋まで行って更に進むと気持ちよさそうな木道のある草原にでた。う〜ん、どこだろう。行きすぎたなと戻る。地図を確認。どうも橋を渡る手前だったようだ。
まあ、無ければツエルトで泊まればイイやと橋を渡ると、ちょっと上の小屋から女性の二人連れが出てきて「お疲れさま〜」と声をかけてくれた。「避難小屋はここですか?」「そうで〜す」いやあ、良かった。無事到着。大分時間のロスとなってしまった(^_^;)
ここは夏は休憩所だが、今の時期は避難小屋として使えるようになっている。一階の板の間は20人ほどが泊まれそうだ。夕方になると満員になってしまった。いやあ、早く着いて良かったなあ。水場はすぐ下の川だ。冷たい流れにビールを冷やす。日が落ちはじめススキの穂が逆光に輝いている。小屋泊まりの人は何人かこの河原でのんびりと夕食だ。私もウインナーをつまみにウイスキーをたしなむ。至福のひとときが過ぎる。