越後 丹後山〜中ノ岳厳しい登りだった  2001年9月23〜24日(快晴) 

兎岳方面から望む中ノ岳

 いつの日か越後三山(八海山、中ノ岳、駒ヶ岳)の縦走に挑戦と思ってますが、なかなか実現しません。今回は、そのうちの中ノ岳へ丹後山の気持ちよい尾根歩き経由で楽しんできました。丹後山への登りは厳しかったです。そして最後にはけが人を背負っての下山、いやあきつかった。


【メンバー 】 単独
【行 程 】 23日 駐車場…登山口…丹後山…大水上山……兎岳…………中ノ岳…避難小屋
             0615   0645   1035     1115  1155-1235     1440    1505
       24日 小屋………日向山……4合目…千本松…登山口 
             0600   0733-48   0900    1050   1300

【地 図】 越後三山(昭文社エアリアマップ29 1/50,000図)
 以前八海山を歩いたとき眺めた越後駒と中ノ岳を縦走するコースがあると聞いた。しかし縦走と言うよりかなりの高低差を登り下りするそれ一つだけのピークを踏むにも大変な行程のように思える。そそり立つそれぞれの山容にいつの日か挑戦したいと思っている。また、ある日どこぞのホームページで見た、草原状のなだらかな稜線に建つ避難小屋、何とも言えない気持ち良さそうな感じにいつか泊まってみたいと思っていた。
 三山縦走はやはり二泊しないと厳しそうだ。どうしても休みの都合が着かない。よし、今回はあの草原に建つ避難小屋経由でまずは中ノ岳偵察だと出かけた。

十字峡 十字峡トンネル出口には20台以上の車が止まっていた。朝の6時なのに、こんなにいるの〜とびっくり。道路端に停める。以外と渋いコースと思っていたのに人気の山なんだなあと思うと同時に、避難小屋混んでるだろうなあ、はみ出たらどうしようと心配がわき起こった。でも、連休の中日だし、昨日から歩いてる人達も多いんだろうな、じゃあ、小屋は大丈夫かなと良い方に考える。
 黄葉すれば素晴らしいと思われる峡谷沿いに林道を歩くこと約30分で登山口に到着。自転車が4台ほどあった。ピストンの人かなあ、アプローチの短縮を狙っているようだ。

 よし、頑張るぞ!と気合いを入れる。いきなりの急な登り。ブナの木が多い。ほとんど直線上の登りが続く。今日は避難小屋泊まりであり、テント泊まりとあまりザックの重さは変わらない。テントがツエルトになっただけだ。水場がないようなので3.5Lの水を含めた約17kgのザックが肩に食い込む。しかし急な坂も一歩一歩の積み重ね、まだまだ先は長い。頑張るしかない。ようやく鉄砲平に到着。いやあ、まだ1合目だって…
中腹から望む中ノ岳 ようやく7合目
中腹から望む中ノ岳 ようやく8合目も間近 山頂はもう少し

 すこし緩やかな尾根歩きとなる。カモエズダンネという変わった名前の尾根だ。このあともただひたすら灌木帯の中登りが続く。ときおり中ノ岳方面の展望が、まだまだ頑張れよ。まってるぞと励ますよう姿を現す。こちらから見る山容はどっしりとしていて男らしい。4合目から5,6合目と展望の少ない登りがひたすら続く。もう嫌!!と思った頃7合目に到着。ここからで森林限界に出たのかグ〜んと展望が広がる。振り返れば先日歩いた巻機山の山容が優しく微笑んでいる。これより笹の稜線が綺麗だ。苦労が報われる一瞬だ。ここからは合目の距離が短くなる。開放的な山容で気分が良くなったせいだろうか?どうも山の合目の基準はわかりにくい。

 8合目はちょっと飛び出した岩の上。気分はよいが休み休みの登り。疲れているのは確かだが、それより素晴らしい展望に見とれ、休みの回数が多くなっているようだ。登ってきた道を眺めながら一休み。今日は小屋泊まりだから急ぐこともあるまい。そして9合目。まっすぐ行けば水場とあるが、果たして今の時期水は出ているのだろうか?右手は巻機山へのコース。ここから巻機山…こんなロングコース、いったいどんな人が歩くんだろう。コースは笹が生い茂り全く踏み後はない。今の時期歩くのは無理だろう。やはり雪のある時期スキーなんかで挑戦するコースなんだろうな、我が輩には関係なさそうなコースだ(^_^;)

丹後山避難小屋 これより左手にわずか登るとあこがれていた光景が出現した。笹の稜線に建つ丹後山避難小屋に到着。茨城から来たという単独行氏と、「いやあ、きつかったねえ」と雑談。今回はこの単独行氏(以後A氏と記入)とほとんどの行程を後になり先になりご一緒することとなった。A氏が水場へ行くというので「外に天水のタンクがあるようですよ」と教える。行ってみると黄色いタンクにいっぱい入っていた。この天水、いつもあるとは限らないがありがたいことだ。ゴミも入ってなさそうだしそのままで飲むことができた(腹も痛くならなかったので天水はたぶんそのまま飲めるんでしょうね)

中ノ岳への稜線 この小屋に泊まるのも魅力だったが、まだ時間は早い。明日のことを考えれば今日中に中ノ岳迄行ってたほうが良さそうだ。では、丹後山の山頂をめざそうか。A氏にお先にとつげ、気持ちの良い笹原を進むとわずかで丹後山山頂に到着。何とも山頂らしくない山頂だ。でもその存在を主張するように「山頂」と書かれた三角点らしきものがあった。上州武尊や平ケ岳、尾瀬方面の展望が素晴らしい。中年のご夫婦が到着。ここ山頂?ってな感じで話が弾む。このご夫婦今日はここまでとの予定だったそうだが、先に続く気持ちよい稜線に見せられもう少し歩こうと言うことになったようだ。

利根川水源の碑 ほんと気持ちよいチシマザザの緑の絨毯を歩いているようだ。ルンルン気分で最高の気分。そして今日も目的のひとつ「利根川水源」の石碑に到着。ここは群馬と新潟の境界線だ。ここに降った雨は利根川と三国側へと運命を分ける。一滴の雨があの大きな川の流れになるのかと思うとちょっと感動する。そして大水上山に到着。ここで休んでいると先ほどの中年のご夫婦が到着。ここで引き返しらしくお弁当を開いている。「どうぞ」とパンを一つ貰った。
 
 
八海山 丹後山から眺めたときはなだらかに見えた稜線も、ここからいったん大きく下る。いやあ、兎岳が前方に見えるのにこの下りはもったいないなあと思いながら下る。この下り滑る滑る、ほんと歩きにくい。ズルッと二回ほど尻餅をつく。用心用心!そして登りとなる中腹より先ほどは見えなかった燧ケ岳が見えた。山頂手前から眺める草黄葉を全景とした荒沢岳の山容は見事だ。兎岳はこの縦走路中でも展望は最高と思う。前方には中ノ岳のどっしりした山容。あれに今から登るのかと思うとワクワクしてくる。そして浅草岳や守門岳、八海山方面の展望も素晴らしい。ん、あれは…目を凝らすと富士山だあ。先日冠雪したと聞いたが山頂は確かに白くなっている。手前の山が薄く曇って何とも幻想的な雰囲気で富士山が浮かんでいる。

 素晴らしい展望に大休止しているとA氏到着。富士山見えますよ〜と教えてあげる。そして先ほどのご夫婦が空身でで到着。我が輩の登る姿を見ていたら以外と短時間での折れそうに見えたのでやってきたそうだ。いやあ、ほんと山を楽しんでるご夫婦だなあと感じた。しばしみんなで談笑。ここで45分も休んでしまった(^_^;)

中ノ岳への登り そしてまた滑りやすい道をいったん下る。ここでも一度ずっこけてしまった。小兎岳を過ぎるとまた下り、以外とこの縦走路手強いぞとようやく感じ始めた。以外と時間がかかっている。痩せた尾根、ちょっとした岩綾で今までの笹原とちょっと様子が違う。小さく上り下りを繰り返すのは以外と疲れる。そしていよいよ中の岳への登りが始まる。もうここらあたりでザックの重さも限界に近い。休み休み一歩一歩登る。A氏はくたびれたか姿が見えなくなった。最後の人登りを頑張ると岩場の切り立つやヤセ尾根を過ぎ池ノ段に到着。いやあ、9合目だ。もう一息。山頂はもう少しだが、一休み。ここでハーモニカを取り出しちょっと気分転換。荒い息切れで音色もいまいちだが気分は最高。さて、岩場を一気に山頂をめざす。

 本日の最高峰、2,185mの中ノ岳山頂だ。ご夫婦が食事中であった。日帰りとのこと、こんなのんびりしてて何時に下れるのかなあと屈託のない笑顔だ。「あれ佐渡島ですかねえ」と訪ねると「私佐渡の生まれなんです!」と嬉しそうな顔\(^o^)/

中ノ岳避難小屋 山頂を少し過ぎたところにある中ノ岳避難小屋。さて心配した混雑度合いはどうだろう?「こんにちわ〜」と先客に声をかける。まだ6人ほどしかいなかった。場所を確保し一安心。しばらくしてA氏到着。やはり登りでばててしまったようだ。このあと続々と小屋がにぎやかになる。入れそうもないねとテントを張るグループもある。このあと7人くらいの高校生グループがくるよとの情報が飛び交う。もうすでに入れる隙間はない。皆で少しづつ詰めて場所を確保しテントを持たない人を割り込ませる。今、越後駒の小屋が改装中であり、中ノ岳の小屋が混むんだろうと地元の人が語っていた。

夕焼けの越後駒 ここも水は天水だ。小屋前の広場にはテントが4〜5張りは大丈夫だ。夕食から日暮れまでの時間、皆思い思いの山の楽しみを満喫している。槍ガ岳見えました。お酒を飲む人、写真を撮る人、ただぼ〜と景色を眺める人、おしゃべり、ごちそうに満足顔の人々…私は久しぶりにスケッチブックを広げ、駒ヶ岳の勇姿を描く。でもどうも今回は調子が悪そうだ(^_^;)そして夕焼けとなる。山々が何ともやるせない黄昏時となる。この気分はいつもながら安らぎを感じる。日も落ちて寒くなってきたので小屋に戻る。高校生も到着したがもう限界に近い。一部は潜り込めたが、他は外に寝るようだ。でも若いっていいなあ、寒さなんてへっちゃらな顔をしてる。我が輩は隣の石川県から来たというKさんと群馬の山や石川の山について情報交換を行った。この女性相当な健脚のようだ。ローソクの明かりがほのぼのとした雰囲気を醸し出す。
 
 夜、それほど遅い時間でも無かろうが皆眠りについている。しかし二階に陣取ったグループの話し声が結構耳障りだ。小屋は満員だよ〜とか、何とかかんとか交代ごうたいに携帯電話で誰かと話している。それも大きな声で…いい加減にしてほしいよねとは誰も思ってるだろうが…

 外に出てみると、眼下の街の夜景が綺麗だ。いやあ、いい感じ。明日も天気は良さそうだ。

その2へ 写真集はこちら