しまなみ海道サイクリング
その2

島々を結ぶ大橋
尾道〜松山へ

 夢うつつの中、遠くで音がしている。何?ん、そうだ。今日は楽しい輪行、瀬戸内海の旅だ!と思い至ったのは何度か目覚ましを止めた後だった。いやあ、良かったね。いくつも目覚ましかけておいてコ…一つだったら確実に寝坊していたことだろう。外はまだ真っ暗。眠い目をこすりながらパンとコーヒーで朝御飯を食べる。
そして今日から二日間旅をともにする「ひだまり号」で久留米駅をめざす。走っても5分ちょっとだ。切符は前日飲み会の帰りに立ち寄って買っておいたのでちょっと余裕。
  駅の明かりを頼りに日溜まり号を分解し輪行袋に詰める。寒くてちょっと手がかじかみ手間取るが、それでも練習の甲斐あって無事終了。タクシーの運ちゃんや朝早い乗客が何やってるのかなあと興味深そうに眺めている。
 人が多いと輪行袋を持って乗るのは気が引けます。
でも
 特急「有明2号」は5時43分久留米発です。こんな時間ですから当然乗客は少ない。余裕で席に着けました。電車に乗るときは車両の進行方向の一番後ろの席が良いですね。座席の後ろに物を置くスペースがあって安心です。
 博多駅で新幹線「のぞみ2号」に約10分ちょっとの乗り換えです。これも一番後ろの席を確保しようと急いでホームへ…
私の輪行袋は超軽量です。袋の口はひもで縛るタイプ。これが意外と便利なんですね。もちろん肩に掛けて運べるよう肩掛けベルトも付いていますが、階段などは足の短い私はちょっと袋のそこが地面に付く感じです。こすると破けるので要注意。そんな時袋の口から手を突っ込んでフレームを直接持ちます。そうすると以外と持ちやすく、また軽く感じます。急ぐときなどはこれに限ります。急いだ甲斐あって一番後ろの席を確保です。これで気にすることなく広島までは安心な列車の旅です。
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 徳山あたりで夜が白みはじめてくる。天気はちょっと薄曇りって感じかなあ。広島に到着。ここで「こだま号」に乗り換えです。広島は20年ほど前から5年ほど住んだ町です。懐かしいですねえ、車窓から過ぎゆく町並みに若かった昔、広島で遊んだ時代を思いだした。
 こだま号はガラガラです。自転車はどこに置こうと全く気にしなくて良かった。でも、一応一番後ろの定番の席に置く。

 8時25分新尾道駅に到着です。さあ、いよいよ楽しいサイクリングの始まりです。自転車を組み立てて先ずは記念撮影。
 新尾道駅から港まで国道184号線を走る。4kmちょっとなのであっという間に到着。小高い山の上に城が見える。尾道って色々と見るところもあるようですが、今日の目的は松山まで。あまりゆっくりもできません。またいつかのんびり来るからねとフェリー乗り場をめざす。本当は尾道大橋から走りたかったんですが、ここは自転車で走るのは危険とのことでフェリーにしました。これが一般的らしいです。
 駐車場のおじさんに乗り場を教えて貰う。人と自転車で110円。この船で因島へ渡ります。乗客はたった1人。貸し切りですねえ。あっという間に島に到着。学生や主婦らしい人が乗り込んでくる。島の人達の生活の足ですねえ、いいなあ、こんな雰囲気。
いよいよ向島に上陸。ここから瀬戸内海の横断が始まる。最初は向島から因島大橋をめざす。しまなみ海道から外れ、島を反時計周りに大きく周回する。因島大橋まで約7kmだ。途中「大林監督 あした のロケ地 津部田の坂道」と言う看板があった。因島大橋は前方わずかに見えている。面白そうな坂なのでちょっと上ってみようかなと思い、上った。ミカン畑の多い坂でなかなかいい雰囲気。このまま行けば橋まで行けるかもとどんどん上る。しかし途中で道がどうも反対方向に曲がっている。それに下りだした。もしかしたらまた元に戻るんでは…と不安になった。ミカン畑で作業するおばあちゃんが居た。
 「この道行くとあの橋に行けます?」「すぐだよ、一回下ってちょっと坂のぼれば大丈夫だよ」との返事。いやあ、良かったと先に進む。ちょっと登ればではなかった…上ってきたくらい下ってしまった。橋へのとりつきはかなり上の方だ。自転車歩行者専用道路でクネクネと橋まで上らなければならない。これが今回のサイクリングの大きな誤算であった。それぞれの橋へのとりつきは必ず坂を上らなければならない。標高的には50m位、上れば必ず下りはあるが、それにしても精神的に上りはつらかった。そうそうもう一つの誤算は距離の見積もりです。
 10数km以上は違った。これはしまなみ海道で測定したが、実際のサイクリングロードは島を大きく回るようなコースになっており、その分距離も長くなるわけです。
 本日最初の大橋「因島大橋」です。先ずは料金箱に通行料を投げ込みます。50円です。ここを走るときには50円玉を沢山持っておく必要がありますね。面倒くさいという人は回数券を買うと良さそうです。払わないで通り過ぎるとしっかりカメラで見られていて「払ってね〜」と音声が流れます。橋は2段構造。車は上、自転車や歩行者は下を走ります。
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 次は生口橋です。このあたりミカン畑が多いですねえ。日当たりが良いからかなあ、甘いミカンが美味しそうでした。
このしまなみ海道サイクリングロードは路面にしっかりした表示がされてます。うっかり見逃さない限りはまず間違うことはないでしょう。また橋のところには渡橋の記念スタンプが用意されてます。旅の想い出に各橋でぺったんしてきました。
 生口橋を渡ると、サイクリングロードはずっと海岸線を走ります。勾配も少なく気持ちよいです。

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 このしまなみ海道はずっと南国気分を味わえる。今回はその土地土地の見所はあまり見ることなく通過したが、の〜んびり観光しながら走るのもまた楽しみの一つでしょうね。生口島には、ここがふるさとの現代日本画家の巨匠・平山郁夫画伯の美術館もありました。ちょっと寄ってみようかなと思ったんですが、後ろ髪引かれる気持ちで通過です。また来るときによろしくね。
 次は大三島へ渡る世界最長の斜張橋多々羅大橋です。ここは広島県と愛媛県との県境です。いよいよ四国上陸です。橋を渡ると、道の駅があり、ここから見る橋の形は秀逸です。あそこ渡ってきたんだなあって感慨もひとしお。
またレンタサイクルもあり、気軽にサイクリングを楽しめるようになってます。橋まではちょっと苦労して坂道登る必要ありますけどね(^^;

大三島は島の東の海岸線を走ります。そして大三島橋、大島大橋を通過し最後の島「大島」に上陸です。瀬戸内海を走るイベントも後少し。ここは少しスピード落としてのんびり走りましょう。
 大島には「村上水軍博物館」があります。サイクリングロードからちょっと離れているのでここもパス。戦国時代、瀬戸内海を自在に駆けめぐった村上水軍。以前本を読んだんですが、硬い文章で読むのは苦労した。しかし水軍の歴史に触れいつか瀬戸内海を観光してみたいなあと思った次第です。ここはまたの機会にゆっくり訪ねることにしよう。
 さあ、大島を快適に走りいよいよ本日最大のイベント「来島海峡大橋」にやってきました。その前に道の駅で腹ごしらえです。やはり四国に来たんですから海の幸ですね。「海鮮丼」大きなお刺身の具が所狭しと乗ってますねえ。大満足です。満腹になったんでお店の前から今から渡る来島海峡大橋を眺めます。橋への取り付きはくるくるとインターチェンジみたいに登らなければならないようです。食事後の運動としてはちょっときつそうですねえ(^^;
 この大橋は特別に料金が高いです。200円…それに今までは料金箱に入れる方式でしたが、ここでは関所にお姉さんが居ました。やはり四国本土への上陸ですからねえ、心新たにして渡りました。この橋は3つの橋で小さな島をつないで今治へと渡ります。風もなくのんびり走りました。渡り終えると橋のたもとに「サンライズ糸山」というサイクリングターミナルがあります。宿泊もできてこの大橋を楽しむことが出来ます。
でっかいロビーからは大橋をど〜んと眺めることが出来ます。

 ここでしばらく休憩。海峡を通過する船など眺めていると瀬戸内海走ってきたんだなあと感慨もひとしおです。ここまで約80km
 さあ、松山めざして頑張りましょう。今治の中心街をさけ予讃線沿いに波方方面へ走る。ちょっと道が分かりにくかったのでタクシーの運ちゃんに尋ねる。親切に教えて貰った「松山まで行くんかい?気を付けてな」と送り出して貰った。大西の町を過ぎるとあとはず〜っと海岸線沿いに走る。風もそれほど無く快適に走れる。海の香りが心地よい。
北条市を過ぎ、あまり気持ちいいのでのんびり走っていたら松山の手前で、「やばい、このままじゃ日が暮れるかも…」と言う状況になった。
 まあ、いいか、今日はホテルにはいるだけだし…
のんびり走ったおかげでこんな夕焼けも見えました→クリックしてね
 松山の市内にはいるとさすがに車が多くて走りにくい。ここまで快適に走ってきたのに最後のフィナーレが緊張の連続だった。ホテルの場所を地図を頼りにうろうろする。松山駅の近くだったよなあ…道を尋ねてたどり着いたらそこは何か違う。そうです。教えて貰ったのは松山市駅…私は松山駅に行きたかったんです。(^^;
 気力を振り絞りこんどこそJR松山駅に向かう。ホテルはそこから歩いても数分のところでした。この日の走りは126kmでした。

さあ、もう一つの楽しみ道後温泉へ行きましょう!
←クリックしてね この電車乗って行きます。

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