山の装備

 山歩きでは少しでも荷物を軽くしたいものですね。疲れた時、肩に食い込むザックのベルトがたまらなく苦痛になることがあります。「ああ、こんなもの持って来るんじゃなかった」と悔やんでももう遅い。
でも軽くすることにばかり気を取られて、
必要なものを忘れては生命に関わる場合もあるでしょう。また、あれを持ってくれば良かったと悔やむこともあるでしょう。軽量化への方法は
1.絶対必要なものはより軽いものを揃える
2.趣味の道具は持たない」が鉄則です。でも軽さだけでなく道具へのこだわりがあったり、ただ登るだけで趣味の道具も持たない山登りなんて楽しくないですよね。

そんなことを考えているといつまでも荷物は軽くなりません。でも無駄と思ってても「ああ、持ってて良かった」と思えるときも多いものです。
山の道具は人それぞれ…自分のスタイルに合わせて少々重くても頑張ってそれを持てる体力を鍛え(私の年齢では維持かな?)幅広い山歩きを楽しみましょう。
 私の場合は次のような荷物を持って歩いています。持ち物は山で泊まる(テント、避難小屋、有料小屋)場合や日帰り、季節によってずいぶん変わります。それに緊急時のビバークまで考えたらいつも結構な重さになります。「いやあ、あの人のザック小さいねえ。」と心配したり羨ましがったりしながら歩いてます

中房温泉から表銀座縦走で槍ケ岳から上高地への小屋2泊(2000年9月15日)の私の装備です。でも残念ながら車のエンジン不調で上信越道で引き返すこととなり涙のリタイヤとなりました。ザックの中身はこちら
冬を除く山歩き
 
◎絶対必要、○有った方がよい、△は有れば楽しい…に分けてみました。でもこれは私の判断基準です。皆さんも自分なりの基準を作って安全で楽しい山歩きを心がけましょう 
    テント泊 小屋泊 日帰り
テント やはり一番気を使ったのはテントですね。でも経験の浅さからかちょっと失敗したなあと思ってます。
私のテントは2人用で、長手方向の真ん中に出入り口があります。二人で利用する場合出入り口の人は踏まれたり飛び越えられたりしてちょっと迷惑ですね。でも短辺方向にあるよりは荷物の出し入れなどは便利
   
ザック テント泊ではやはり60Lは欲しいですね。荷物を出したりいれたり繰り返していると、どうしてもぎりぎりのサイズでは入らなくなってしまいます。ちょっと余裕のあるサイズが望ましいです 60L 35L 35L
テントマット これがないと下地が凸凹だったりしたら気持ちよく寝れませんね    
ツエルト  小屋泊まり予定で出かけた谷川連峰馬蹄型縦走。でも小屋は満員で一分の隙も無し。持参したツエルトで助かりました。夏だったらこれだけでも泊まろうと思えば大丈夫。いざとなったら心強い見方です。一人用の軽量タイプでもあれば重宝しますよ  
レスキューシート  私はこれで救われました。アルミの薄いシートです。畳めば約5cm角ですが、これにくるまれば保温力は抜群、非常用としてザックの底に忍ばせておけばいざという時守ってくれます  
個人用マット 無くても良いけど気持ちよく寝るにはやはりあった方がいいですね。
半身用のエアーマットを使ってます
   
シュラフ


シュラフカバー
やはり羽毛がベストですね。嵩張らないし、暖かいし
取り扱いで大事なことは絶対に
濡らさないことです。3シーズン用は羽毛でないのでちょっと嵩張って持ち運びに不便を感じてます夏用は羽毛がベスト。ほんとにコンパクトです
シュラフカバーは、3レイヤーのゴアテックス。夏だったらこれだけでも大丈夫です。寒いようだったら重ね着でカバーしてます
 
コンロ チタンの軽量コンパクト品が良さそうですね。でも¥が…
自動着火を過信せずマッチや
ライター忘れずにね。無いと自動で着かないとき悲惨です
 
ランタン あれば雰囲気良いです。でも重くなるし持ってません。ローソクを使ってますが、倒したりしてテントに穴をあけないように注意!!    
ライト 無いとどうにもなりません。予備の電池も忘れずに。一度何かの拍子でスイッチが入ったらしくちょっと焦りましたが、無線機に電池があったのを思い出し暗い夜を過ごさずに済みました
アルコール 無いと寂しい夜になります。いつもはウイスキーを200mL程持っていきます。ワインもホットにして飲むと美味しいですね。  
水筒 暑い夏、水が切れたらアウト。時々ポリボトルなどを使ってる人を見かけますがやはり金属製の方が安心ですね。私は金属製1L容量+アルミ袋製1Lを使ってます。金属以外は万一の時穴が開くこと恐れがあるので要注意。冬は凍らないように注意が必要です。
で、冬はもちろん保温できる水筒が必需ですね。寒いとき温かいお湯にホッとします
コッヘル フライパン付きの四角いコッヘル使ってます。レトルト御飯が入る大きさが重宝します  
細引きやテープ 無くても良いがあれば重宝する。濡れた衣類をテント内に干すときや、ペグが刺さらないとき張り綱を石や木にくくりつけたりと便利。テープはポールが万一折れたときの補修用    
軍手 炊事の時熱いコッヘル持って手など火傷しないようにしましょう。せっかく作った美味しい料理をあわててひっくりかえしたりしたら悲惨です    
星座表 長い夜もこれがあればばっちり…あれがさそり座?等とロマンチックなひと時が過ごせます  
地図、磁石  どんな山行でも1/25000図は必ず持参したいですね。で、日頃から磁石の使い方、地図の見方を練習しておきましょう。地図を眺めてのバーチャル山行も楽しいですし、山座同定や迷いそうになったときなど、いざというとき心強いですよ。(山座同定には1/20万図もあると更にグッド、遠くの山もこれでばっちりです)
ストック どうせ持つなら二本持ちたいものです。下りは本当に重宝します。冬でもちょっとした雪ならピッケルなんかより役に立ちます。またツエルトを張るときは支柱に出来ますよ  
何に使うって?まあ、いざというときの保険みたいなものです  
手帳
筆記用具
印象に残った事やちょっとした記録を書いておくと後で良い思い出になります    
カメラ・三脚 最近はデジカメに取って代わられましたが、山や花の写真が目的の時は一眼レフの出番です。交換レンズに三脚はかなりの重量。高級カメラは思いばっかりでそのうち出番が無くなります(^_^; 単独行が多い私はいつも小さい三脚は持っていきます
無線機・電話 非常用として持つなら携帯電話では約不足、やはり小型の無線機の方が役に立ちそうです
でも、電話もだいぶ繋がるので持って行くに越したことはありません
ラジオ 熊除けによいそうですがやはりテントの中で寂しいときや気象情報を聞くときに有った方がよいでしょう。山頂などで大きな音で歌謡曲や野球中継など聞くのは野暮というものです  
トイレットペーパー これは重宝します。忘れないようにしましょう。
食事の後始末などにまずこれで拭いてから洗うと水が助かります
 
双眼鏡 小鳥や山座同定に便利です。でも重いのはそのうち持って行かなくなるので軽量で性能の良いものを揃えましょう
冬の山歩き
 
非常時のビバークを余儀なくされるときは別ですが、積雪期のテント泊や避難小屋泊は私の行動範囲外です。ここでは天気の安定したときの雪山、やスノーハイクを対象にしました。
 夏と違って真っ白に衣替えした雪山の景色は感動ものです。でも一旦天気が崩れるととても怖いのが冬山です。十分な準備(道具、気力、体力、知識)と心構えで冬山を楽しみましょう
カンジキ 誰もあるいていない雪山、気持ちいいですねえ。でもこれがないとどうにもなりません
スノーシュー 最近見かけるようになりました。カンジキとはちょっと違うけど便利だそうです
アイゼン 取り付け方法(靴の種類による)と爪の数(積雪や凍結の程度による)で種類もいろいろあるようです。
私は6本爪と12本爪(どちらもベルト固定式)です。この道具の怖いところは、爪を引っかけて転倒することでしょう。安全なところで十分な練習を積みましょう
ピッケル 重さや形、長さがいろいろあります。自分の山行スタイルに合わせて選びましょう。雪山歩きの象徴のようなこの道具、持ってるだけで一流の山男になったような錯覚さえ覚えます(^_^;
使い方を正しくマスターしていないと宝の持ち腐れになります
山の保険
 山歩きは安全第一です。しかし、自然を相手にしている山では何が起こるか分かりません。いざというときの為にも、山歩きをするなら自分のため、家族のために必ず準備したいものです。私の場合は山岳会に入っていないので、個人で入れる保険は限られていますが次の保険に加入しています。
山岳保険 就業中不担保特約付き普通傷害保険・山岳とはん割り増し特約・個人賠償遭難捜索費用特約
山岳とはん中(ザイル・ピッケル・ハンマー・アイゼン等の登山用具を使用するものを含みます)並びに就業中以外の日常生活のケガを補償します。
用具を使用しない山行にも(ハイキングなど)適用されます。
死亡・後遺傷害 150万円、入院日額2,000円、個人賠償1億円、遭難捜索費用150万円、年間掛金12,850円

なおオプションとして
死亡・後遺傷害100万円、救援者費用500万円   年間掛金1,160円をつけています

三井海上火災保険(株) 
 複数年契約で割引になるコースもありますが、私は毎年毎年気を引き締める意味で単年度契約にしています。なんて言ってますがまとまったお金がないだけという見方もあります(^^;
他にもいろいろな保険がありますので、自分の山行形態にあったものを選んで安全で楽しい山歩きをしましょう。

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