スリルと展望の縦走コース 四ツ又山から鹿岳
2001年5月4日(金)晴れ
四ツ又山から望む鹿岳はちょっと靄っとしていた
今年の連休は、最初に唐松五竜岳へ行ったのと、その後の天気がすっきりしないの、でアカヤシオを見る機会を何となく失してしまった。いかん、このままでは恒例の西上州アカヤシオ詣でが流れてしまうとの危機感を持って、展望の良い鹿岳をめざすこととした。
行程 大久保登山口…大天狗峠…四ツ又山…マメガタ峠…南峰……鹿岳……木々岩峠…鹿岳登山口
0835 0935-1015 1040 1130-50 1215-1245 1315 1350
メンバー 単独
地図 昭文社エアリアマップ 西上州・妙義 1/60,000図、 荒船山(1/25,000図)
この山は6年前の同じ時期、現在高校1年になる息子と歩いた思いでの山だ。課外授業だといって学校を休んで付いてきたそのころが懐かしく思い出される。その時は小沢橋を起点に歩いたので今回よりはかなりハードな歩きとなったがお互い若かったんだろうなあ…。山行の前日、明日は鹿岳だといったら息子もしっかり覚えていた。子供の記憶力は大したものだ、私は大部分を忘れていたので、新鮮な気持ちで歩くことができた。
今回は大久保の登山口から登ることとした。下山は鹿岳登山口とする予定なので、まずそちらに行き車を停めた。そして我が愛車(折り畳み自転車)やまなみ号で坂道を快適に下る。新緑の爽やかな道を颯爽と走るやまなみ号、たまには自転車も良いものだ。10分もかからずに、大久保登山口への分岐に着いた。道路端にやまなみ号を停め登り始める。
沢沿いに杉林の中を緩やかにわずか登ると10分ほどで分岐となり右手に進む。天狗を経て四ツ又山」の標識のあるところはワラビやタラの芽がたくさんあった。ただしこれは栽培されたもので、有刺鉄線でバリヤーされている。不心得者が採ることがあるんだろう…その畑を過ぎ新緑の雑木林になり、少し息を切らせるほどになると、稜線に出て大天狗の鞍部だ。さわやかな風が稜線を通りすぎる。いい気分だ。静かに風の音に耳を傾け一休み。
山頂へは左へ進む。以前息子と登ったときは、右手からこの尾根に来るコースだったなあと思いだす。わずか登るとちょっと鼻を尖らせツンとすました天狗の石碑が何ともユーモラスだ。さてここからが今日の正念場、結構な急登で標高差200mを登らなければならない。途中、紫のツツジがわずか見えるが意外と少ない。やはり今年はちょっと遅かったようだ。息も切れ切れになれば、じっと鹿岳方面を見てたたずむ天狗の待つ四ツ又山山頂だ。やはりツツジは少ない。鹿岳方面は春霞でちょっと靄っている。休んでいると二人連れが登ってきた。
鹿岳を眺めながら久しぶりのスケッチをする。気分はいいがなかなかうまく描けないなあ(^^;
さてこれから四ツ又山をめざそう。まずはP3だ。一旦来た道をわずか戻り途中から右に折れる。そしてわずかでP3到着。何の変哲もないピークだ。そして少しロープの張られた岩場などを上り下りしながら、P2、P1と短時間で4つのピークを越える。それぞれのピークには思い思いの格好をした石像がまつられている。ひとつひとつ姿形を眺めながら歩くのも又違った楽しみが味わえる山だ。P1は石碑のみで像はなかった。
急登の途中で待ち受ける P4(山頂) P3手前の岩峰 P3 P2
ここから小さなピークをいくつか越えるながら徐々に高度を下げ、最後に立木に掴まりながらのすごい急降下だ。。途中の岩場から眺める鹿岳はそそり立つように見える。
そして鹿岳が樹林に隠れて見えなくなると急な下りもようやく終わり、マメガタ峠に到着。男性二人がのんびりと休憩していた。ここを左に曲がれば登山口の大久保集落へと下るコースだ。
ここから杉林の中を小刻みにジグザグしながらひとしきり登る。殆ど直登と入った方が正しいかも知れない(^^; ここは疲れるところだ。休み休み登る。雑木林に変わってくると少しずつツツジが見えだす。そしていよいよ眼前にそそり立つ南岳の壁につきあたる。オーバーハングした壁からは冷たい水がした足り落ちる。この壁を右に回り込み少し登るとコルに到着だ。
まずは南岳をめざす。ちょっとしたはしごを登ると狭い岩尾根となるが道ははっきりしており不安はない。そして途中アカヤシオを眺めながら、一気に急登を登り切ると展望の良い頂上に到着する。二ノ岳の方から賑やかな声がこだまする。こちらの方が人が少ないようだ。ちょっと南へ下がったところは高度感もばっちりで気分爽快だ。しばらく休んでいたが、誰もここまで降りてこない。こんないい場所あるのにもったいないねえ…
さて、二ノ岳をめざそうかとピークまで登り返すと、そこには大きな犬が紐もつけず離されていた。凶暴そうではないが、こんなところでは紐をつけて貰いたいものだ。こわごわと横をすり抜けようとすると「大丈夫ですよ」と飼い主の声。「いい加減にしろよな、あんたには大丈夫でもこっちは気になるんだよ!!」と言いたいのを胸に秘め、無事通過する。全く飼い主の神経はどうなっているんだろう。もし私が犬のしっぽや足を踏んづけたり、犬の機嫌が悪かったり、気に入られなかったり、何かに驚いたりした場合、はたして大丈夫ですよと保証されるのであろうか?ましてここは屹立した岩場ですよ〜
幸い大きな犬のご機嫌を壊すことなく無事通過。一旦コルまで下りニノ岳をめざす。こちらの方が木の梯子や木の根っこ、ロープに掴まって登るので緊張感もあり面白い。ロープのところは濡れていたせいか足場が滑りちょっと緊張した。そこを過ぎると尾根に出てわずかで沢山の人のいる山頂に到着した。こちらも少し南に下がった岩場の上からが展望も良いし静かなので、先客が二名いたが、そちらに居座った。さてビールでも飲んで思いっきり展望を満喫しよう。西上州の山々や荒船山の独特の山容が見える。地図を片手に山座同定を楽しむ。
下山は木々岩方面とする。最初は岩道を急下降だ。そして少し登り返すとすっぱりと切れ落ちた岩稜に出る。ここから眺める景色も爽快だ。そして尾根を上り下りしながら緩やかに下る。ちょっと迷いやすいところもあるので、踏み後に注意しながら慎重に歩く。わずかで雑木林のピークとなる。まっすぐにも道があるように見えるが、枯れ木で通せんぼしており左へ曲がり下る。結構急なザレた斜面を下り2m程の岩場を下る。ここまで来れば後は雑木林を快適に下れるようになる。途中でご夫婦に道を譲って貰い先に進む。(この時であった人は、ネット上で以前から知り合い…実際に会ったことはないですが…のMAGTOM氏だった事が後日判明した)
峠からは右手に凛々しい姿の一本岩が木立の間から覗いていた。翌あんな屹立した岩ができたものだなあとあらためて自然の雄大さ、不思議さに感心した。これからは何の変哲もない道を歩き、最後は林道に出て鹿岳登山口へと無事下山する事ができた。
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