クリスマスイブは谷川岳へ (1,963m)    2000年12月24日(日)雪

何も見えなかった谷川岳トマノ耳

谷川岳に行こう、雪が綺麗だよ〜と声をかけたらいつもの仲間が集まった。あいにく麓は小雨混じりの雪、しかし高度を上げるにつれ本格的な雪となり思いがけないホワイトクリスマスとなった。

行  程    天神平…避難小屋…肩の小屋…山頂……肩の小屋…避難小屋…天神平
        0850  0953-1000        1155  1205-1300   1343   1500
地  図    谷川岳、苗場山、武尊山(昭文社エアリアマップ)、水上(1/25,000図)
メンバー    トラベエさんご夫婦、ふーせんさん、野峰さん、酒呑童子


ロープウエイ乗り場 野峰さんと伊勢崎の我が家で合流し、酒呑童子号に同乗し17号経由で土合口をめざす。天気は上々、しかし沼田をすぎる頃から雲行きが怪しい。先に土合口に着いていたふーせんさんから「みぞれで何も見えないよ〜」と連絡が入る。そして、土合駅前のとらべえさんから「どうする?」とまた電話が入る。いやあ、まいったねえどうしよう…
とりあえず待ち合わせ場所へ車を走らせるが、心の中は止めようか登ろうかと揺れ動く。野峰さんは「一人だったら絶対登らないね、この天気では…」とおっしゃる。
土合でトラベエさんと合流。空を見上げるが、白毛門方面は雲が薄いらしくわずか青空が見えそうな雰囲気、雪もそれほどではない、風もない。「よし、まずは天神平迄行きましょう」と立派な駐車場に入る。

 ふーせんさんは、すでに登る体制で防寒服を着込んでいる。はるばる千葉から来たんだ「このくらいの天気では諦めきれない」と行った雰囲気だ。ロープウエイは片道切符(片道千円、往復1,900円)、下りは田尻尾根を下る予定だ。約10分で標高1,320mまでラクチンラクチン。天神平では小雪です。視界はまずまず。この調子なら問題なさそうだ、万一の場合は途中で引き返しましょうと決め、では気をつけて登りましょうと私が先頭を歩く。

天神尾根急な登り ゲレンデの脇を登る。かなり急だ。すぐに息が切れる。新雪が10cm位でその下は凍っているので滑って歩きにくい。雪崩講習を受けたふーせんさんがいるから安心だ。もう少し新雪が降ったら怖いだろうね等と話しながら登る。尾根にでると後はわずかの上り下りで雪を楽しみながら歩く。



急な下り、慎重に熊穴沢避難小屋 避難小屋迄に厳しい下りが一カ所あった。ロープは雪で埋まっており右側はかなり急に切れ落ちている。慎重に下りる。そして今度は厳しい登り。ピッケルを打ち込んでグイッと体を持ち上げながら登る。トレースはあるが、勾配が急なためラッセルしながらの登りだ。
避難小屋はもう入れないほど雪が積もっている。
150cm位の積雪だ。これより山頂まではずっと登り、ここでアイゼンを装着する。やはりこの方が歩きやすい。この冬初めてのアイゼン、なぜか心がうきうきする。

 見通しが次第に悪くなってきた。風も少しずつ強くなってきた。うっかりしているとトレースを見失いそうだ。後ろはちゃんと着いてきてるかなと時々後ろを振り返りながら登る。やはりこのようなときはザイルでつながって登る方が良さそうだ。しっかりと赤布の目印を見落とさないように登る。しかし先頭は疲れる。トレースはあるとはいえ、ところどころ少しのラッセルを強いられる。疲れてきた…ふーせんさんに先頭を代わってもらう

肩の小屋にて だだっ広い肩の広場だ。ここには赤い目印が多い。そして小屋に到着。とりあえず荷物を置いて目出帽を着け山頂を目指す。山頂は凄い風、それでもしぶとく記念撮影。写ってるのかなあと心配だ。
 寒いので長居は無用。小屋に戻り昼食とする。めがねが曇って見にくい。みんなの身体から湯気が立っている。いやあ、寒かったねえ。では温かい鍋焼きうどんでも食べるとするか。このうどん生卵もついている。それに大きなエビの天ぷら…カップラーメンのトラベエさんの視線がきつい(^_^;
 野峰さんがワインを取り出す。私の持ってきたビールは出番なし、ふーせんさんがホットワインを振る舞う。これは身体が温まる。う〜ん、いいなあ!!
今日はクリスマスイブ、小さなクリスマスケーキを一口づつ食べる。山で食べるケーキも格別の味だ。

下りも展望なし さて、程良く暖まったので下山開始とする。しかし厳しい寒さでアルコールはどこへやらピリッと身体が引き絞まる。下りはラクチンだが視界が悪い。ついつい急ぎすぎて変な道に行かないように注意しながら、そして時々後ろを振り返りながら下る。ふと見ると少し距離が開いていたこともあった。先頭を歩いているとなかなかわからないものだ。
風と降雪で先行者のトレースも時々見えなくなってしまう。登りの時、大きな岩のところで書いた落書きも当然のごとく、かき消されていた。
しかし緊張も熊穴沢避難小屋迄だ。このあたりではもう視界も良くなり、あとはルンルン気分で景色を眺めながら下る。

 予定では田尻尾根を下るつもりだったが、トレースもなく危険と言うことで冷静な野峰さんから「ロープウエイにしよう」と声がかかる。私はこの時期、数回田尻尾根を下ってるので大丈夫だろうとは思ったが、今日はグループ行動である。危険なまねはできない。野峰さんのアドバイスに従って天神平からロープウエイで下山した。
このころ天候は回復し青空となってきた。う〜ん、やはり山の天気は変化が急だなあと思い知らされる。あいにくの天気でちょっぴり消化不良の歩きであったが、今期初の雪山は楽しく歩くことができた。今度はどの山に行こうかな?
ふーせんさんの記録はこちら    快晴の谷川岳(00/12/30)はこちら