虫がいっぱいの平標山〜仙ノ倉山(2,026m)
2000年7月2日(土)晴れ時々曇り、一時雷雨花が綺麗!!稜線に咲き誇る高山植物を見に行きました。晴れたり曇ったり、突然のガスや雷雨とめまぐるしい変化の山歩きでした。
稜線より仙ノ倉山を望む
標高差 約800m
歩行時間 約8時間25分(休憩含む)
行 程 駐車場…登山口(平元新道)…平標山ノ家…平標山…仙ノ倉山…平標山…松手山…駐車場
0505 0605-10 0710-25 0808-25 0925-1000 1050 1150 1300
地 図 谷川岳、苗場山、武尊山(昭文社エアリアマップ28 1:50,000)
注意箇所 稜線での雷に注意しましょう
昨日は上州武尊、そして今日は大源太山と決めていたが、どうも天気が思わしくなさそうだ。武尊の帰路、17号線から三国峠経由で太源太キャニオンキャンプ場でテント泊しようと車を走らせる。しかし、平標登山口あたりから突然のすごい雨、これじゃあ明日は登れないかもしれないと予定を変更し平標山に登ることにした。しかし問題が…
ビールと明日の食料がない!! で、食料求めて湯沢方面へコンビニを求めて走る。ようやくアルコール確保してまた駐車場まで戻る。沢山の車が明日の好天に期待して静まり返っている。車の中で中毒したら怖いので、傘を差し外でレトルトカレーとご飯で食事。そして狭い車内で横になり寝酒を少々。そのうち寝てしまった。朝、なんと快晴。うおっ、暑くなりそうだ!!
4時に起きて食事。昨夜もだいぶ車が止まっていたが、目覚めてみると更に増えている。いやあ、改めて人気の山だなあと感じた。
5時過ぎ出発。まずは長い林道歩きを約1時間。冷たい水場のある登山口に到着。
さあ、いよいよ山ノ小屋まで厳しい登りの始まりだ。
しばらくは展望のない樹林帯の登りが続く。風もなく暑い。狭い車内で寝にくかったせいか、体が重い。今日は疲れない歩き方を試みようと、ゆっくりゆっくり登る。急いで登って短い時間で休憩より、休み無くゆっくり歩く方が疲れない。しかし追い抜かれるとついつい急ぎ足になるのは単独の悪い癖だ。
登山口より約1時間で平標山ノ家に到着。しばし休憩。冷たい水が美味しかった。
これより山頂まで、天国まで通じているかと思うほどの長い階段の登り。花は時期が遅いのかあまり咲いていない。階段はどこまでも続く…
途中、仙ノ倉山方面へのトラバース道は、高山植物保護のため通行禁止になっている。本当は山頂は後回しで仙ノ倉山に行く予定だったのでちょっとがっかり。思いがけない変更で疲れがグイッと押し寄せてきた。
それに、小さな虫がぶんぶんと飛び回り、時々ちくっと刺しているようだ。追い払っても追い払ってもまとわりついてくる。目や耳にも容赦なく攻撃してくるようだ。登りで疲れており口をぱくぱくしたりすれば、吸い込みそうな感じである。手で払いながら登っているとよけい疲れてきそうだ。いらいら気分で登る。山頂で休んでいる間もしきりにまとわりついてくる。もう!!
そうだ、バンダナを被れば耳や首筋への攻撃は避けられそうだと思いさっそくバンダナをつける。これは効果あった。これで煩わしさから解放されたぞ〜
先ほどまで安和によい天気だったのに、神は我を見放したか…
突然ガスが出てきたと思ったら、山頂では何にも見えなくなってしまった。う〜ん、仙ノ倉山どうしよう…
相前後して歩いていたご夫婦は、もう先に行くのはやめたと言ってお弁当タイム。
山の天気は変わりやすいんだよね、それに先ほどまではあんな良い天気だったからたぶん雲は薄いだろう。晴れることを祈りながら私は先に進む。
山頂から少し下ったあたりから、ハクサンイチゲ、ハクサンコザクラ、チングルマ(これはもうだいぶ穂になっていた)等の花がガスの中、目を楽しませてくれた。しかし、視界は100m位である。
ガスは晴れない。ついつい弱気になり、ここらで引き返そうかなあ…と思いながら進む。本当なら素晴らしい展望が望めるところだが、いったいあとどれくらい歩いたら着くのだろう。昨日の疲れか、寝不足か、それともシャリバテか…ガスの中でも元気に歩いていく数組のパーティーに追い抜かれる。途中しばらく人がとぎれたので、気分一新休憩しハーモニカを吹く。ガスの中、突然人が出現。あれ恥ずかしや…
しかしこれで元気が戻ってきた。さあ、頑張るぞ。山頂はもうすぐだろう。
そして山頂。休んだ所からほんの一息だった。でもあいにくのガスで展望はゼロ…
まあ、いいか。しばらく休もうと思っていたら、見る見るガスが切れ青空が出現した!!
やった〜、天は我に味方した!!
山頂で休んでいた5人ほども歓声。谷川岳方面も出現。縦走路を眺めていつか縦走したいねえ…あれが万太郎山?と忙しい。私も昨年日帰りであの長い縦走路を歩いたことを思い出した。あの時はばてたけど良く歩いたなあ…等と想いを馳せていたら、またガスってきた。
自然は気まぐれ。でも、5分ほどは楽しめたので満足である。帰路もガスは時々気まぐれに素晴らしい展望を垣間見せてくれる。途中ニッコウキスゲがわずかながら咲いていた。
そして突然の雨。急いで傘を出す。さらに突然の雷。かなり遠そうな感じであったが、時々結構近くのような感じでゴロゴロとなる。やばいなあ…ふと傘の先を見ると金属の留め具。雨具にするかなあと思っていると今度は青空になる。急いで下れば大丈夫だろうと平標山へ駆け登る。
山頂は沢山の人。雨具を着たり脱いだり忙しそうだ。この天気では引き返した方が良さそうだが、青い空を見ていると大丈夫な気がしてくるのだろう、仙ノ倉山方面へ進む人も多い。おっ、虫除けの網を被っている人もいる。あれは良さそうだなあ、でもちょっと格好悪い。それに万一それをかいくぐって攻め込まれたら、反対に困りそうだなあ…
さて、雷はおさまったようだが、急いで下山する方が無難だろうとひと休みで松手山方面へと下る。
まだ時間も早いためか、続々と登ってくる。狭い道で写真を撮っていたり、いかにも登り優先という感じで団体さんが道を開けずに登ってくる。まあ、確かに登り優先が原則だけどねえ…まあ、人気の山だからしょうがないか…
このコースは
展望の良い尾根道で高山植物も豊富だ。しかし長い。
途中にはガレ場があり結構歩きづらい。おまけにガスは完全に消えてカンカン照りとなってきた。暑い!!しかし、まだ遠くで雷は鳴っている。途中の展望の良いところで休んでいた人達は、雷が怖いので今日はここまでで引き返すといって、のんびり弁当タイムを楽しんでいた。
松手山を過ぎるとこれからは樹林帯の下り。こちらもかなり急な下りだ。こちらから登るのは大変だなあ、と思いながら下る。それに先ほどの雨のせいか、所々ぐちゃぐちゃ道になっている。足下に注意しながら下るのはよけい疲れる。鉄塔手前で草刈り機で数人の若人が道の整備をやっていた。みんなが遊んでいる間に、黙々と登山道の整備、地元の人達だそうだ。感謝!!
そしてようやく下山。結構足に来ました。駐車場手前の沢で靴の泥を落とす。ひや〜っ、冷たい。と言うより痛い感じだ。上半身裸になり汗を流す。うわあっ、気持ちいい!!
何とも天気の変化の多い山歩きだった。帰路三国街道ではまた大雨となった。