カタクリ求めて 上州三峰山  (1,123m)  2002年4月6日(日)晴れ時々曇り

国道17号より望む三峰山(右の冠雪した山は谷川岳)

 三峰山は、秩父の三峰山と混同しないように「上州三峰山」と呼ばれており、頂上直下にはカタクリが咲くらしい。ツツジの群落、そして静けさ漂う三峰沼…春に歩きたいと思っていたが、ようやくその機会がやってきた。しかしカタクリはまだつぼみだった

行  程    駐車場…河内神社…1,088m…三峰山…沼分岐…三峰沼…駐車場
         0925   0945         1140-1225  1320         1420
地  図    谷川岳、苗場山、武尊山(昭文社エアリアマップ)、後閑(1/25,000図)
メンバー   単独

 今年は花が早いよ〜との声があちこちから聞こえてきた。先々週古代人の遺跡やカタクリで有名な、群馬県新田郡笠懸町の「岩宿の里」に行って来たが少し時期が遅かった。じゃあ、三峰山はちょうど良いのではといそいそと出かけた。国道17号から望む山容は、バックに谷川連峰の白き山々を従えてどっしりとした山容だ。
 最初は、のんびりと電車(JR上越線後閑駅)で行こうと思ったが、本数も少ないし、ちょっとで遅れたので、いつも通り車となった。駐車場のある登山口までは以外と距離があり、ここを歩くのはしんどいなあと思った次第です。やはり車はラクチン(^_^)

河内神社 駐車場には「登山道マップ」や「河内神社の由来」などの看板が立っている。準備しているとマイクロバスで団体さんがやってきた。小鳥の声など聞きながら静かに歩きたいなあと思っていたので、双眼鏡を持ち足早に登山開始とした。最初はコンクリートの道を緩やかに登る。そして階段をひと登りで河内神社に到着。

 一人のおじさんが休憩していた。前日の強風で神社が傷んでないか点検にきたらしい。境内にある桜の開花状況や、山頂下のカタクリに話が弾む。「う〜む、カタクリはどうかねえ。まだ少し早いかな…」とのこと。階段の下の方から賑やかな団体さんの声が聞こえてきたのでおじさんに別れを告げ出発する。少ししてもう下ってきたおじさんに遭遇「カタクリどうでした?」「まだまだだねえ、全く見なかった」との返事。今日の目的はあえなく挫折、期待は失望へと変わる。

登山道には松ぼっくりがいっぱい パラグライダーの離陸場所を左に見て尾根に出る。松や雑木林が続く尾根、緩やかなアップダウンが続く。ときどき賑やかな小鳥の声に双眼鏡を向ける。カタクリをあきらめたので今日は一生懸命バードウオッチングに精を出すことにしよう。見かけたのは、コガラ、ヒガラ、シジュウカラ、エナガ、ゴジュウカラ、ヤマガラ、コゲラ、アカゲラ、カシラダカ?アオジ?です。特にアカゲラの赤い色が印象的だった。もしかしてアカゲラは今年初!




上州武尊山を望む 登山道には、前日の強風のためか、松の葉っぱや枝が沢山落ちていた。いやあ、風強かったんだなあと神社を見に来たおじさんの話を思い起こし納得した。「三峰山へ1.6km」の表示を過ぎると右手に上州武尊山が樹林の間から見えるようになる。もうだいぶ雪が少なくなったようだ。先日歩いた獅子ガ鼻山も見える。いやあ、あのときは素晴らしい景色を堪能したなあと感動がよみがえる。そして平坦な道が続きそろそろ飽きてきた頃、最後のピークらしいところが見えた。いったんわずかに下り、最後の登りだ。



カタクリの花はもう少し さて、お目当てのカタクリは本当に咲いていないのだろうか?葉っぱは結構見かけたが、やはり見あたらない。せめて一輪だけでも見たい。無いとなると見たくなるのが人情だ。一縷の期待を込めてうろうろと歩き回る。すると!
ぽつんと芽が出ているのを発見。花は咲いていないがこれはこれで嬉しいものだ。
そしてわずかな急登で山頂に到着。


三峰山頂上 静かな山頂には、中年のご夫婦が休んでいた。今日はあいにくの曇天(朝は晴れてたのにねえ、残念)でモヤッとしているものの、谷川方面の展望が素晴らしい。しかしこれはよく見えるように誰かが気を使って伐採したものらしい。見えるのは嬉しいがどうかなあ…
 そして右手の方に視線を移せば上州武尊山が見える。どちらも、山肌の雪が茶色っぽくなっている。どうも先日来の強風で飛んできた黄砂ではなかろうか?


 そのうち20名くらいの団体さんがドドドっと襲来。それほど広くない山頂は占拠され、山の静寂が破られた。勝手気ままにあれが谷川岳だ、いや武尊だ、苗場だ巻機だと山を指さし山座同定。そして**山も良かったねえ。いやあ、あの山も良かったねえと話が弾んでいる。
山頂から望む谷川連峰(右手のピークがトマの耳)

 そのうち、詳しい人が出てきて、あれは谷川岳です。あの出っ張りがトマノ耳…と結論を出す。一同「いやあ、谷川岳だったんだ、凄いねえ」と改めて感動していた(^_^)
 でも愛想の良い団体さんだった。「ミカンどうぞ、ブドウどうぞ、??いかがですか」と差し出され、結構ご馳走になってしまった。

さて、下ろうか。団体さんに別れを告げ落ち葉のつもった急坂を下る。そして帰りは分岐から三峰沼へと下る。途中に水芭蕉が咲いていた。そしてアカマツ林に囲まれた三峰沼に到着。人造湖だが自然にうまくマッチした雰囲気を漂わせていた。
ふわふわ落ち葉 三峰沼手前の水芭蕉 静かな三峰沼
 今回は、カタクリやツツジには出会えなかったが、まずまずの展望と雑木林、バードウオッチングを堪能することができた。登山道は整備され家族で歩くには手頃な山だ。しかし、ところどころにある案内板には「熊出没注意」と記されていたのがちょっと心配だ(^_^;)