赤雪山〜仙人ガ岳 その1
2002年2月24日(土)晴れ
赤雪山、なんと変わった名前だろう。普通雪は白いのが常識だ。名前に惹かれて登ったのは何年前だったろうか?ただ名前はインパクトが強かったが山自体はそれほど面白くなかった。
赤雪山頂上より望む袈裟丸山、赤城方面
でも、今年も登ってしまった。そうです、今回はぐるりと仙人ガ岳迄縦走すれば又新しい発見、出会いがあるだろうと思った次第です。
【山 名】 足利 赤雪山(621m)、仙人ガ岳(663m)
【メンバー 】 単独
【行 程】 松田ダムP…赤雪山…原仁田ノ頭…仙人ガ岳……宗ノ岳…松田ダムP
0835 0930 1000 1130 1320 1350
【地 図】 番場(1/25,000図)
松田ダムから赤雪山に登れることを知った。そしてちょっと無理すれば仙人ガ岳へ縦走しダムへ降りるのも可能なようだ。仙人ガ岳は、毎年この時期、厳しい雪山遊びから解放されて、心が春を求めてウズウズするのを癒してくれる定番の山である。ここでまんず咲くというマンサクを見ることで我が輩の心にも春がやってくる。今年はちょっと趣向を変えて赤雪山から縦走して春を探すことにした。
ここでちょっと一休み 「悲劇の武将伝説を秘めた山 赤雪山」について解説です…登山口の看板より抜粋
足利の伝説
足利又太郎忠綱は足利義兼の客分であって、義兼の代わりに館の留守を守っていた。半年ぶりに帰館した義兼は、侍女による「夫人と忠綱が不義をした」とのざん言を聞き怒った。忠綱は危難を避けるため、数人の従者を従い山岳地帯をめざして馬を走らせた。しかし追っ手に取り囲まれ、ただ一人で追っ手の中に斬り込んでいったが、矢を受け悲壮な最期をとげた。その状況はまるで夜叉が暴れ出したような戦いぶりだったと伝えられている。
赤雪山
標高620.6mで、足利市内で2番目に高い山である。山名の由来は足利義兼の怒りを買った忠綱が逃亡中にこの山に入っていったが、雪のため足跡が残っており追っ手に見つかってしまった。従者をはじめ忠綱らは多数の矢傷を負い、白雪を血で染めた。このことから当時名の無かったこの山を「赤雪山」としたという。土地の人は「あけき山」と呼んでいる。
松田ダムに車を止め、下山口の尾根を確認する。変なところに降りてくると、道路の際がコンクリートで固められているので万事休すである。
でも、その時は少し横にトラバースするように歩けば降りれないこともなさそうだ。あのあたりに降りてくれば大丈夫だなと眺めながら、ダムの周りの道を登山口に向かう。
ダムから離れ少し登ると広い駐車場があった。そして赤雪山の伝説を紹介する看板があった。ふ〜ん、はたして忠綱は本当に不義をしたのか…雪が降っていなければ足跡から追っ手に見つかることもなかったかもしれないのに…などと考えながら杉や桧の暗い樹林帯の登山道を登る。小さな沢が流れている。「蛇尾の滝」という立派に命名された滝があった。滝と言うよりちょっとした岩場を水が流れているという感じなのだが(^_^;)
気持ちよく流れる沢の水音が、なんとなくのんびりとした感じで、水の温んだ雰囲気を感じる。春と冬では水の音も変わるのだなあと感じた。
途中、鳥の巣があった。もう住人はいない。果たして今年巣立ったのか、去年のものか分からないが、ここで巣立った小鳥は立派に成長していくだろうか。
杉林が急登になる手前で男性が休んでいた。普段着で全く荷物も持っていない。ちょっと太り気味の男性はハーハーと息づかいも荒い。山頂まで行くのだろうか、それとも追っ手から逃れてきたのかな?登山者にしては不思議な感じだ。
ただひたすら樹林帯の中を登る。面白くない登り、そして道はジグザグとなる。苦しい登り、きつくてうつむいて登っていた。何の変哲もない面白くない登りと思っていたが、ふと目を上げると杉の木立の間から太陽光線が射し込んでいて、なんか幻想的な雰囲気を感じさせてくれた。
そして名草方面から道と合流する尾根に到着。ここからは雑木林が主体となる。確かここらで前回マンサクを見たなあと思いだし探してみたが見あたらなかった。今日は出会えないのだろうか。なま暖かい風がのんびりと体を癒してくれる。
さて、少し急な登りとなり、最後の方は丸太の階段がずっと続いている。いやあ、低山とはいえ疲れるねえとひと頑張り。あずまやの建つ頂上に到着した。誰もいない。山頂はそれほど広くない。ベンチがあったので腰を下ろし景色を眺める。ガイドブックには「展望は素晴らしく安蘇、上毛の山並みが手に取るように一望できる」とあった。確かにそこそこの景色ではあるがちょっと大げさかな(^_^;)。赤城、袈裟丸、日光方面の山々はそれでも少し首を伸ばせが木立の間から見ることができた。
休んでいると、先ほどの男性が心臓も破れんかのような大きな息づかいで登ってきた。聞くと地元の人とのこと。どんな山かなと登ってきたそうだ。しかし全く荷物も持たず頑張るなあ、喉が渇くだろうにと人ごとながら心配してしまった。この御仁、北に仙人ガ岳への標識を見て「これ間違ってるなあ、仙人ガ岳はあのピークなのにねえ」と言う。我が輩は何も言わなかった。ただ心の中では「それは登山道を示す標識だからそっちでいいんですよ」と思っていた。あえて口に出して異を唱え無くてもね(^_^;)
男性に「仙人ガ岳」迄縦走しますと別れをつげ、標識の方に歩いた。
長くなってしまった。続きは>>その2をどうぞ