赤雪山〜仙人ガ岳 その2
2002年2月24日(土)晴れ

561mのピークから松田ダムを望む
眼下に見える松田ダム。右手の尾根で下山

 男性に別れを告げ仙人ガ岳をめざす。ここからが今日の本番だ。初めての道は何故か心がうきうきする。あのピークの向こうにはどんな景色が待ち受けているのだろうか…
踏み後はそこそこあり迷うこともなさそうだ。少し藪をかき分けながら進むとわずかで大きく下りになった。ここらあたりから日光の山がよく見えた。下りきる少し手前でマンサクの花発見。山肌にぼんやりと黄色く色づいている。少し色あせたその花びら、今年は少し開くのが早かったようだ。
 
こんな気持ちよい雑木林の尾根歩きです そして少し登りとなり
原仁田ノ頭(木にそう記されていた)に到着。ここから左の方にも歩けそうな細い踏み後があった。木には仙人ガ岳や赤雪山までの歩数が記されている。この数字当てになるのかなあなどと思いながら気持ちよい登山道を歩く。前方より単独のおじさんがやってきた。仙人のほう、マンサク見ました?「いえ、途中で引き返してきたから見なかった」という。じゃあ、ということで先ほど見かけた場所を教えてあげた。



仙人ガ岳方面への山並み、まだまだ遠い それほどアップダウンもなく快適に進む。このコースかなり歩かれているのか、それともあまり歩いていないのか、赤や黄色、白、緑とビニール紐やテープの
目印がうんざりするほど付けられている。ちょっとやり過ぎじゃないの〜と思ってしまう。いったいどんな心境でこんなに目印を付けるんだろう。
 確かに道に迷いそうになったとき、現れる目印にはホットする。どのくらいの距離であるのか歩数を数えてみた。近いときには20歩も行かない。ちょっとないなあと思うと40歩くらいである。
 目印は分岐とか、危なさそうなところにあれば十分と思うのだが…せっかく自然を楽しみにきたのに、こんなお節介の目印はやめてくれ〜と怒鳴りたくなるほどひどかった(^_^;)

 まあ、悪意があってのことじゃあないだろうからと、気にしないで進むことにした。
途中、また
小鳥の巣を樹上に見つけた。この巣の材料が傑作だ。ビニール紐がふんだんに使われている。たぶん登山者が目印につけた紐なんかを集めたんだろう。小鳥も、「俺の美しい自然に、こんな紐やテープいっぱい付けるなよ」って思ってるのかもしれない。小鳥君ごめんね。

祠のところから日光男体山 
585mと思われるピークあたりからアップダウンが少し多くなってきた。そして祠のあるところに到着した。年輩のおじさんを追い抜く。ここからは日光男体山が綺麗に見えていた。眺めていると「お〜い、そこは右に回った方がいいよ〜」と声がかかる。おじさんが、ヤッホーと叫んで答える。しかし、最近ヤッホーってあまり聞かないような気がするなあ…
 確かに直進するとちょっとした岩場だ。よく見ると確かに登山道は右手につけられている。回り込んで少し進むと4人くらいの中高年のグループが休んでいた。さっきの声の主はこの人たちだった。


 急登で県境の尾根にでて一休み。以外とくたびれる。ここもうっかりしていると右手の県境上に行ってしまいそうなところだ。いけないことはなさそうだし、冒険を好む人達は歩いているのだろう。やはり踏み後がかすかにあった。
そして仙人ガ岳まで1200歩とあったので本当かなあと、ここから歩数を数えながら歩くことにした。めざす仙人ガ岳が木々の間から見え隠れする。道は迷いそうなところはないが、表示はこのあたりもしつこいくらいにあった。灌木に捕まりながら急登をのぼる。今日一番の厳しい登り?かなあ、登りついたら山頂と思っていたが、残念、まだ先があった。気を取り直して先に進む。

仙人ガ岳山頂。木々の間から日光や赤城の山が見える そしてまた灌木に捕まりながら登ると今度こそ間違いない。見慣れた猪子峠からの道にでた。ここから頂上までは気持ち良い平坦な道をわずかだ。1240歩で山頂着。木に書かれていた数字とわずか40歩しか違わないなんて凄い。正確さに脱帽した。気持ちよくついた頂上、そのすぐ先に30人位の団体さんが楽しくお弁当タイム。山頂で食事と思っていたが、こんなに居たんじゃ落ち着かない。頂上の北側にいつも咲いているマンサクを見つけ、赤城山を確認して早々に退散する。



熊の分岐に立つ看板 帰りは熊の分岐から猪子峠方面に向かい途中からダムに降りる予定だ。こんな時間でもまだ登ってくる人がいる。仙人ガ岳は人気の山だなあ、この標高でそこそこ展望もよく、新緑、落ち葉、紅葉、そして少し緊張感のある岩場も楽しめる山である。

 さて、どこから降りようかなどと考えながら歩いていたら、561mのピークあたりで前方が伐採され、ダムが眼下に見えるところについた。以前は伐採されていなかったように思うが…おじさんが一人この景色を楽しんでいた。我が輩もここで一休み。ふと見るとダムへ降りれると表示があった。険路と書いてある。ここを下ってもいいが、最後は沢に降りそうな感じに見える。これじゃああまりにも短時間で降りることとなり面白そうにない。

猪子峠への稜線 予定していた鉄塔手前のコースはまだまだ先である。前方に開けた尾根を眺める。鉄塔まで行くとかなりある。じゃあ、あの尾根を降りようと決める。時間もあるのでおじさんとのんびりした時間を過ごす。そこへ団体さんがやってきて一気に賑やかになった。やっぱり山は静かな方がいい(^_^;)

 団体さんの嵐が過ぎ、おじさんが出発する。我が輩も少しして出発。いったん大きく下りそして登り返す。休憩していたとき、その登りの登山道をはずれたところに、マンサクを見つけていたので木々を掻き分け写真を撮りに行った。普通の道を歩くよりこの方が面白い。今の時期は葉が落ちて見通しも良いのでこんなことが楽しめるのだ。

マンサクの花 そして見当をつけておいたピークに到着。たぶん宗ノ岳と思われる。磁石をあわせ、ここから強引に下ることにした。下にはダムが見えており、明るい雑木林は問題なさそうだ。ただし、どこかに下れない岩場が隠れていないだろうか?こんな気分で下るのはわずかばかり冒険心を満たしてくれる。最初は厳しい岩場だ。木に捕まりながら慎重に下る。この時のためにザックには20mのザイルを忍ばせてきたがまだ必要ないようだ。

 ちょっとした岩場を無事下ると、後は尾根通しに下る。道のない尾根、時々急なところも現れる。ヨイショと木に捕まると、ポッキンと折れてひやっとしたこともあった。落ち葉に隠された岩場で少しずり落ちて、ちょっとばかり腕をすりむいた。
 転んだ拍子にカタクリと思われる葉っぱを見つけた。やっぱり春だなあ、しばし一休み。じっとしていると小鳥の声が聞こえてくる。暖かい風が頬をよぎる。ちょっと汗ばんだ体に心地よい。さあ、頑張ろう、最後の急坂を木に捕まったりずり落ちたりしながら下るとそこは整備された公園のようなキャンプ場だった。
 のんびり歩いてダムの畔を車に戻る。春だなあ