八方尾根から唐松岳・五竜岳 2001年4月28日(土)〜29日(日)晴れ
八方尾根より唐松岳を望む(もうすぐで唐松山頂上小屋)
八方尾根から冠雪した白馬三山を眺めてみたい。2001年山行の目標であった。できれば五竜岳にも登ってみたいとの思いをようやく実現させることができた。天候に恵まれ期待以上の素晴らしい山行となった。
【山 名】 後立山連峰 唐松岳(2,696m)、五竜岳(2,814m)
【メンバー 】 単独
【行 程】 4/28 八方池山荘…丸山ケルン…唐松岳…唐松山頂小屋…五竜山荘(泊)
0755 0950 1110-1130 1145-1205 1430
4/29 山荘……五竜岳……五竜山荘……中尾根…アルプス平駅
0635 0735-0750 0825-0840 0950 1055
【地 図】 鹿島槍(1/50,000図 昭文社山と高原地図36)
単独行
何人かの人に八方尾根行こうよって声をかけたが、あいにく都合つかず単独行となった。そのお陰というのも何だが、当初は29,30日で計画していた。しかし天気予報は下り坂…最終的に単独と決まった段階で予定を一日繰り上げる事にした。金曜日の22時頃伊勢崎を出発、上信越道藤岡IC〜長野IC下車、途中一休みして午前2時頃八方ゴンドラリフト駐車場へ到着した。ラッキーにも空きスペースがあった。見上げれば星空、好天が期待できそうだ。水割りを飲んで毛布とシュラフにくるまり仮眠。寒くはなかった。
ゴンドラで一気に1100m6時起床、ゴンドラ駅のトイレで用を足し、洗面。爽やかな気分。荷造りしてチケット販売開始を待つ。ザックは10kgを越えていないので乗車料金のみ。今の時期は一番上までのチケットは販売していないと言うことでまずはゴンドラのチケットを購入。そして予定より少し早く運転開始、こんなにラクチンしていいの?と思うまもなく兎平駅着。ここから更に2回リフトに乗り継いで標高1,830mの八方池山荘まで達した。一気に標高差約1,100mを登る。高度順応、大丈夫かなあ(^^;
白馬三山だ!!
白馬方面の白く冠雪した山容が「早く登っておいで」と言っているようだ。はやる気持ちを落ち着けてスパッツやアイゼンをつける皆の笑顔、晴れやかな顔だ。私はまだアイゼンは不要だろうとそのまま歩き始める。この時期雪はちょっと汚れた感じである。気温が高くちょっとザラメ雪は足を取られ歩きにくい。八方尾根は雪のないところも多かった。
八方池はまだ深く雪に埋もれており、鳥居が少し顔を出していたのでここが池だなと分かった。登るほどに左手に男性的な堂々とした五竜岳、その後ろに鹿島槍が見えてくる。右手には白馬三山(白馬、杓子、鑓ケ岳)から唐松岳への稜線(天狗の大下り、不帰ノ嶮)が見える。なだらかな、だだっ広い尾根を歩きながら、素晴らしい眺めにカメラの出番が多くなかなか足は進まない。猛々しい山容は北アルプスだなあ、雪山だなあと感激しきり。
体調良好
なだらかとはいえ距離は長い。所々にあるケルンやピークで休む度に、「いい景色ですねえ」とお互い感動を分け合う。この時間単独行の人が多かった。話していると五竜山荘まで行く予定の人が数人いて何となく心強くなった。五竜山荘は今日から開いてるはずだが、連絡していないのでちょっと不安だ。丸山ケルンを過ぎたあたりで電話を入れ開いていることを確認し一安心。体調や時間によっては唐松山荘泊まりにするか日帰りへ変更も考えていたがこの素晴らしい天気で体調もすこぶる良い。五竜山荘まで行くことに早々と決定した。(なお、唐松山荘は正式には29日からの営業開始と案内されている)
唐松岳 ダケカンバが多くなってくると急な登りとなり丸山ケルンからは近い。そして唐松岳方面の雪庇が見えてくるとわずかで稜線に出た。下には唐松岳頂上山荘が見え、眼前にはど〜んと剱岳の山容が目に飛び込んでくる。いやあ、絶景絶景!!一瞬五竜や唐松岳が霞んで見えたのは私だけだろうか(^^; おにぎりをパクつきながらしばし感動の治まるのを待つ。そして小屋への分岐にザックをデポし、途中から一緒になった単独行氏の方と唐松岳をめざす。わずか15分ほどで山頂だ。ここからの展望も一級品。特に白馬方面への稜線が手に取るようだ。思いっきり展望を楽しんだ後小屋をめざす。
小屋前で一休み。休んでいると結構沢山の人たちが登ってきた。意外とアイゼンをつけている人たちが多い。このくらいだったら私はつけない方が歩きやすいのだが人それぞれだなあと思う。小屋の人たちは、明日からの開業に備え準備が忙しそうだ。さて、体調天候ともに申し分なし。予定通り五竜山荘へと向かう。
厳しい岩場の下りが続く
小屋前から岩稜の稜線上を行く。厳しい岩場の下りとなり時々鎖が現れる。厳しい岩場だが雪は全くなかったのが幸いだ。変に雪が突いていたら大変な歩きになっただろうなあ…そして時々ざらざらとした砂地の下りは歩きにくい。下るほどに五竜が堂々としてくる。道は険しいが右手にはずっと剱の山容が望め素晴らしい縦走を楽しめた。唐松岳から眺めた五竜は割と近くに見えたが、以外と遠い。更に下る。そして、ようやく最低鞍部と思えるところにところに到着。山荘まではだいたい半分の距離だ。ここから緩やかな登りが続く。そして最後に白岳を右からトラバース気味に登りようやく山荘が見えた。最後は一気に下ると小屋に到着。さっそく受付を行う。天気も良いし五竜に登ってこようかななんて一瞬思ったが、疲れてるし明日の楽しみにとっておこうと指定された部屋に入る。まだ誰もいない。一階の部屋は畳は上げられたままで寒々としている。
寒い小屋!風邪かなあ
陽の当たらない部屋は寒い!!疲れていたのでちょっと横になる。ほんのわずかだがうつらうつらとしてしまった。寒い!!これが悪かったようで風邪を引いたような感じでこの後はちょっとブルーな気分になった。少し頭痛もする。ゴンドラで一気に登った性で高度順応がうまくいかず高山病にでもなったんだろうかと本気で心配になる。頭痛薬を飲むと少し楽になった。あまりにも寒いので服を着替えて外に出る。陽の当たるところの方が中よりも暖かい。どうにか体調間持ちこたえているようで食堂に行く。寒いねえと言うとストーブをつけてくれた。感謝!!
漫画を読んだり、窓から見える五竜へ登る人たちを眺めながら過ごす。(この窓からは五竜への登山道から山頂までがばっちりと見ることができる)小屋番の人もまだちょっと時間があるのか、話し相手になって貰い楽しい語らいの時間を過ごす。
やっぱりビールだね
そうしている内に唐松岳で出会った単独行氏が到着。同じ部屋に割り当てられたようだ。ストーブを囲んで山談義、明日は晴れるかねえ等と…夕食は18時からだ。6人組が賑やかに席に着く。おいしそうにビールやワインを飲んでいる。私は先ほどまで寒気がしてビールなんかいらない!!と思って飲まなかったが、いかにもおいしそうに飲む姿を見て「ビール下さい」と小屋のおじさんに声を出していた。「う〜ん、うまい!!」。6人組は今日五竜に登ったとの事で山頂付近の雪壁の様子や登山道の様子を教えて貰う。天気さえ良ければ問題なく登れそうだなあなんて、単独行氏と話していると食事の準備が始まった。いやあごちそうだなあと皆感動している。今日の泊まりは14人とこじんまりとしている。連休初日だから出足が鈍いのかなあ、これじゃあ商売も大変だなあ、こんなごちそう出してて大丈夫かなあ等と変な気苦労をしてしまった。
いつの間にか寝てしまった
食後はのんびり過ごそうと思っていたが、やはり体調がいまいち良くないので部屋に帰ってうつらうつら…。
しかしこの部屋は寒い。一部屋に四人なので充分ゆったりしているがお陰で寒さもよけい感じる。布団もじっとりしていて丸くなってじっと自らの体温で暖まるのを待つ。こんなに寒いのにテント泊まりの人は大変だろうなあ、ツエルトの人もいたよ。頑張るねえ等と隣の単独行氏と話す。6人組は大きな声で楽しそうにやっていたが、その声もうるさく感じないうちにいつしか寝入っててしまった。楽しみにしていた食後の水割り、チビリチビリやろうと思っていたのに、これだけが心残りだった。さて明日はどんな山が待ち受けているだろうか?体調は戻るだろうか?
写真はこちら その2へ続く