紅葉の北アルプス

1999年10月9日〜11日

涸沢カールの紅葉

涸沢カール

涸沢の紅葉、一昨年に行ったときは既に遅く、おまけにテント場で目覚めると思いがけない積雪。北穂高岳登頂も断念。
今年こそは…その想いが通じたのか三日間とも快晴、今年の紅葉は…と言われていたがまずまずの紅葉であった。北穂から見た槍ケ岳への縦走路や見渡す限りの素晴らしい展望に感激、北穂から涸沢岳へのコースは落石のおそれもあり厳しかった。

10/ 9 上高地…明神……徳沢……横尾………本谷………涸沢(泊)
     0620   0705   0755  0835-0925  1100-1110   1245
10/10 涸沢…北穂高岳……涸沢岳……奥穂山荘…奥穂高岳…奥穂山荘…涸沢(泊)
     0635 0905-0955 1130-1215   1230   1310-1330  1400    1600
10/11 涸沢…屏風の耳………徳沢………明神………上高地
     0600  0700-0715  0945-1000 1035-1045   1115


上高地混雑の上高地
 沢渡の駐車場で車中泊、目覚めると長〜い車の列。
今日は大混雑のようだ。急いでバス停に向かう。往復2000円のチケットを購入し上高地に向かう。大雨の影響による釜トンネルの交通規制も解除されたためかこの日を待ちかまえていた観光客がどっと押し寄せたようだ。いやあ、観光バス、登山者、観光客ですごい人出。
ちょっとトイレに…しかし列に嫌気をさし我慢、登山届けを出し梓川沿いに出発する

 

そうちょうの河童橋河童橋
 清らかな流れに心が安らぐ。ひんやりとした冷気が気持ちよい。吊り橋や川辺にはカメラを構える人達が多い。穂高連峰の眺めが素晴らしい。今日は快晴、暑くなりそうな雰囲気だ。しかし人が多い、かき分けるようにして先に進む。

 



明神岳明神岳
 横尾までのほぼ平坦な道を約10km、小梨平キャンプ場を抜けカラマツ林から鬱蒼とした原生林の中、梓川を眺めながら歩く。このあたりの紅葉はまだまだと行った感じ。ときおり樹林の間から見える山、「ねえあの山、何?格好良いねえ」等の声が飛び交い所々カメラを構える人々。雲一つ無い青空に堂々と構える明神岳を眺めながら明神に到着

 

徳沢園徳沢
 徳本峠は大雨の影響でしばらく通行止めの表示があった。わずかに道が傾斜を増してくるがすぐに前穂方面の展望が開けてくると気持ちよい草原の徳沢キャンプ場につく。しゃれた作りの徳沢園まえのベンチもくつろぐ人でいっぱい。(徳沢園は井上靖の小説「氷壁」に登場する宿)
今日はザックが重い。カメラに三脚、それにテント用具一式、食料はドライが主だが23kgありそうだ。冷たい水に生き返った。

混雑の本谷橋本谷橋
 ようやく横尾、ここも大混雑。槍ケ岳へ向かう人も多いようだ。ここからようやく本格的な登山道となる。しかし混雑は相変わらずで長い列がずっと続いている。屏風岩の大岩壁の迫力に圧倒され樹林の中を登る。
前方に北穂高岳が望める所まで来るとわずかで本谷橋に到着。いやあすごい人だ。河原や道の側でくつろぐ人達、ようやく隙間を見つけて腰を下ろす。その間にもゾクゾクと人が到着する。

 

もうすぐ涸沢カールもう一息かな
 少しずつ見応えのある紅葉が現れてきた。きつい登りを過ぎてガレ場が現れてくると前穂高岳や北尾根の展望が良くなる。山肌の紅葉はもう少しと言った感じである。途中休憩していると誰からともなく「いやあ、すごい人出だね」「テント場はいっぱいだって」「小屋はもういっぱいだよ」などと声が聞こえる。

 

 

涸沢のテント風景涸沢
 やった〜ようやく到着。涸沢ヒュッテ前は歩けないほどの混雑。重いザックが邪魔で歩きにくいほどだ。眼前にはカラフルなテントがいっぱい、急いで受付を済まし二日間の宿を確保する。時間が早かったのでまずまずの場所を確保できた。
缶ビール(ロング700円)をグイッ!!  う〜ん、何と言えないこのおいしさ。ようやく落ち着いて涸沢カールを見る余裕が出てきた。おっ、なかなかの紅葉だ。

 

涸沢カールの紅葉モルゲンロート
 15時過ぎにもまだ登ってくる人がいる。テント場は満席御礼のようで、遅くついた人は一生県名石ころをのけて場所を確保していた。そして夜は更けていった。夜中に目覚めると満天の星空。凄いなあ!!夜はぐっすり寝れた。そして朝、フライシートの内側には薄い氷が張っていた。
テント場からは三脚を立てた沢山のカメラマンが日の出を待っている。

 

モルゲンロートそして穂高連峰に朝日があたるとあちこちから感嘆の声が上がる。
今日も素晴らしい快晴、雲一つ無い青空に赤く染まった山肌。
自然の織りなす光景に心うたれる。ここで雪でも降って稜線が白く染まってくれたらなんて贅沢は言うまい(^_^;

 今日(10月10日)は、誕生日。いつまでも若いつもりでいたがもう中高年と呼ばれる年齢になってしまった。でもこんな素晴らしい光景が見れるならいつまでも元気で山を登り続けたいものだ。