然別湖〜糠平
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走った日 05年5月22日
コース 帯広市内〜音更〜鹿追町〜然別湖〜幌鹿峠〜糠平〜上士幌〜帯広
走行距離 約150km
累計標高差 約1,100m
北海道の夏は短い。昨年はじめてロードバイクに乗った。十勝センチュリーランに挑戦したが、その練習をかねて積丹半島一周、センチュリーランのコースの下見と長距離走を楽しんだ。本番では膝の痛みに耐えながらも目標を達成しうることが出来た。よ〜し、来年も頑張るぞ〜との思いを胸に秘め長い冬へと突入した。冬場に体力造りをしなければと思いながらも寒さに負け、なにもしないうちに春がやってきた。久しぶりに乗った「そよかぜ号」…しかし気持ちとは裏腹にペダルを踏む足取りは重かった。
いかん、こんなことじゃ…今年もセンチュリーランに出るんだ!それに今年はオホーツクサイクリング(2日で約220km)にも申し込んだ。こんな体力じゃ完走すらおぼつかなさそう。少し長距離を走ってみようと、先日は帯広から大樹町まで往復した。しかしまだ満足する走りにはほど遠い。これは練習あるのみと今回は以前教えて貰った「然別湖から糠平」へと走ってみることにした。
このコース、然別湖までは昨年も走ったが、きつかった…鹿追の町から峠までただひたすら登るところがある。またその苦しみを味わうのか?体力落ちてるのにがんばれる?やめたら…と気弱なもう一人の我が輩の心が囁きかける。上ればその先にあるのは豪快な下りだ。然別湖から幌鹿峠までもまた厳しい登りだ。しかし一度決めたらやるのが男だ!いざ出発!!
音更方面から然別方面を眺める。まだまだ遠いなあ…
このあたり標高約150m
帯広から音更までは交通量の多い道を走る。時には車がすぐ脇をゴ〜と走り抜けるが、大部分は自転車が走ってるなと気を使ってよけながら走ってくれる。向かい風が厳しい。それに大型車が通り過ぎる時の風圧もかなりある。目的のほぼ中間に当たる然別湖は遙か彼方だ。この向かい風に立ち向かい、あの山まで行くのかとちょっと気後れした。身体のエンジンが掛かり慣れてくるまで最初の1時間は辛く感じた。
タンポポ土手の向こうに十勝連峰が見えた
鹿追町まではほぼ平坦な道を走る。途中近道をしようと東爪幕方面に進路変更した。するとアップダウンの多い道となり疲れがどっと出た。まあ、練習だからこれも試練と頑張って走る。
そしていよいよ然別湖への厳しい登り坂へとさしかかる。ここは標高約422m。距離があったのでそう感じなかったが、アップダウンの多い道でだいぶ標高を稼いでいたようだ。
向こうに見える山まで行かなくちゃなりません
登りに備えてちょっと一休み。今日は膝の痛みに備えてエアーサロンパスを持参した。まだ痛くはないが試しに使ってみよう。「シュワ〜っ」と冷たくて心地よかった。
さあ、ここからが今日の頑張りどころ。最初は緩やかに登る。どこまでも続く坂。ギアを落としグイグイと登る。しかしそれは長くは続かない。すぐにギアを更に落とす。とにかく途中で足を付くことは許されない。エッチラオッチラながらも頑張って登る。車がスーと追い抜いていく。下ってくる車は「お〜頑張ってるなあ」って思ってるのか、「何を好きこのんでこんな坂自転車で…」て思ってるんでしょう。じっと眺められるとなんか励まされているように思える。よ〜し、頑張るぞ!!
先導してくれたキタキツネ
標高785m付近にある扇が原展望台
もう少しで展望台というところで、キタキツネが道路に現れた。こいつも応援してくれているんだろうか?展望台まで先導してくれた。ベンチに仰向けになって腰を伸ばす。やれやれ…
一呼吸付いて展望を楽しんでいるとおじさんが話しかけてきた「以外と早いねえ、ほ〜、元気だねえ。この坂もう少し続くけど頑張りや」この励ましは嬉しかった。キタキツネは観光客に餌をねだっているのか、なかなか駐車場を離れない。
キツネに見送られ出発する。休憩した後は何となく足が上がらない。すぐに雪崩防止のシェードが現れた。このくらいの標高になるとまだ寒い。すこし寒いくらいの方が元気が出る。真夏だったら大変だろうなあ等と思いながら必死にペダルをこぐ。まだギアをいくつか残しているのでちょっと安心だ。このまま頑張れば峠だ。
白樺が現れ道が緩やかになると待望の峠だ。ここは東ヌプカウシヌプリ(変な名前ですねえ)の登山口です。まだポツポツと雪が残っている。寒いはずだ…
登山口
標高約915m
さあ、待望の下りですよ〜。はやる気持ちを抑えてウインドブレーカーを着ましょう。
ヘルメット良し!手袋良し!ギア良し! いざ出発!グングンと下る。しかし日陰は雪解け水で路面が濡れている。ここで転倒したら一大事。スピードは控えめに。
あんなに汗かいてゼーゼー言いながら登ってきたのに下りは一瞬。あっという間に標高815mの然別湖に到着してしまった。しばし湖畔で休憩です。足湯があったので入った。いやあ、気持ち良いね。若い娘がすぐ横で入っている。「自転車ですか、大変ですねえ」だって。元気貰ったぞ〜。
然別湖です 生足です
腹が減ってきたので、湖の見えるレストランでお昼にしました。蕎麦と山菜御飯セットです。なかなか美味しかった。ウエイター(残念ながら男性だった」が、「自転車で?良いですねえ。これからどちらへ?」と声を掛けてくれた。「糠平へ下る予定です」「そうですか、しばらく平坦ですが、その後ちょっと登り楽しめますよ」とのこと。このウエイター、もしかして自転車好きかも。
曲がりくねった湖畔の道は快適だ。ほとんど車も通らない。湖が終わると、ウエイターが「楽しめますよ」と教えてくれた坂道がついに現れた。なるほどなかなか楽しめる勾配だ。一気にと行きたいところだが、ここは無理せずギアをグングンと落とし、止まることなく登る。ゼーゼーと息も荒くなったころ本日の最高所標高1,021mの幌鹿峠に到着した。
幌鹿峠
そしてこれからの下りが今日のお楽しみ。一気に糠平湖まで10kmの下りです。全くペダルをこがないでも到着しそうですが、ここはスピードを楽しみましょう。ギアを一番重くしてグングンと下る。颯爽と下る。しかし寒いです。足タイツ履くかなあ…面倒だからそのまま我慢して下ります。
笹と白樺の豪快な下り。見覚えのある道に出ました。冬に糠平スキー場で林間の緩やかなコースを滑ったことがありますが、その林道のようです。つづら折りにグングン下る。いやっほ〜!
豪快な下りもいよいよ終盤、糠平温泉(標高515m)に到着です。汗かいたら温泉にでも入ろうかと思ったんですが、寒いくらいだったので温泉はやめました。寒いから暖まるのも良いんでしょうが、入った後もうペダル漕ぎたくなくなったら困るもんね。
これから緩やかに高度を下げながら上士幌へと向かいます。ここは大雪国立公園の一角です。熊も沢山生息しているようで、もたもたしてたら熊に襲われるかも…
ヒグマだぞ〜
幸いまだこのあたりでサイクリストが襲われたとの噂は聞きませんが…
上士幌の道路は、これぞ北海道と言うくらいま〜っすぐな道が続きます。どこまでも果てしなく続きます。地平線が見えるようです。こんな道はサイクリングには酷ですねえ。こげどもこげどもすすんでないような錯覚に襲われます。なかなか辛いです。同じ辛さなら坂道グングン登る辛さの方が好きですねえ。車もそこそこ通るので更に大変です。
北海道にも意地悪な運転手が居ます。自転車の横をわざとらしくスピードあげて行くバカがいます。ブワーンとクラクションならして通り過ぎるバカがいます。最低ですね、こいつら!我が輩はちゃんと路側の白線の中を走ってるのにねえ。追っかけていって怒鳴ってやろうかと思いましたが、まあ、バカに関わってこちらにバカが移っても困りますのでやめました。
そんな中でも心優しい人もいます。追い越すときスピード落としてくれたり、手を振ってくれたり。人間、なんでこんなにも違った人がいるんでしょうね。バカは見習ってほしいものです。
可愛い女の子が手を振ってくれた後にアクシデントは起こりました。プシュッと嫌な音がしました。後輪のパンクです。さっそく予備の新品のチューブに交換しました。最初少し空気を入れておさまり具合をチェックしていたら突然バーンと音がしました。
「アレッ〜」やっちゃった。外してみると大きな穴が…
破れたところはノズルの反対側、こんなところを挟み込むようなヘマはやってないと思います。
以前挟み込んで破裂させた経験もあり、慎重にやったんで、失敗はなかったと思うんですが、欠陥品だったのかなあって思ってます。幸い予備は2本あったので助かりました。
もっともパンク修理道具も持っていたんで、最悪の時は修理すれば良いんですが、こんな大きな穴だったらどうしようもないですね(^_^;
最初のパンクの原因は、チューブ交換前にタイヤをチェックしたら、小さな針金が刺さっていました。さあ、気を取り直して出発です。パンクのアクシデントもあって予定より30分遅れて辿り着いた。今日は温泉でも入って汗を流そうか…その後のビールがうまかった。