天草下島一周
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走った日 06年2月18日
コース 新和町役場〜牛深〜天草町〜五和町〜本渡〜新和町役場
走行距離 約147km
3月に天草サイクルマラソンが催される。一周約150km。一日で続けて150km以上走ったのは、北海道での十勝センチュリーラン160kmで2年前。
昨年も参加する予定だったが、九州への転勤が決まり、色々と忙しくハーフでの参加でお茶を濁した。
九州へ来て初めて走ったのは「福岡センチュリーラン 90km」。小石原への激坂に痛められながらもどうにか完走した。最近は100kmが限界かと思えるほど体力が低下している。北海道の時は毎朝近くのサイクリングロードを20km位走っていたのに、こちらでは通勤に約40分もかかり朝練をする時間がない。
こんな状態で果たして150km走れるか…
ちょっと厳しそうだ。しかし島を一周したい思いは益々強くなった。で、後先考えずAコース150kmに申し込んだ。
申し込んだ以上は完走を目指したい。参加することに意義があるなんて綺麗事は言いたくない。完走あるのみ!
まだ時間はある。一生懸命走り込んで、2年前の体力を取り戻そうと計画を練った。まずは一番簡単に出来ること。それは片道16kmの通勤を自転車に変えることだ。だがそれはなかなか都合がつかない。雨の日もあれば、飲み会もある。ときどき出張もありでまだ6日ほどしか自転車通勤が出来ないでいる。これから大会まであと6日乗れればいい方だ。
というわけで、山に登りたい気持ちをしまい込み、休みの日はちょっと遠出のサイクリングに精を出そうと決意。まずは筑後川サイクリングロードを走ろう。次は高校時代を過ごした懐かしい日田まで往復。有明の多良牡蠣街道までのサイクリング、そして島原半島一周とこなしてきた。しかし通しで150kmはまだ走っていない。それに初めてのコースは上り下りの状況も分からずペース配分にも不安がある。
てなことで、一度試走してみようと思っていた。今日を逃すと仕事やその他でもうチャンスはない。よし試走決行だ!
天気予報は快晴予報だったが春はめまぐるしく天候が変化する。上空には寒気団がやってきて、雨は降らないが寒い曇り空のようだ。まあ、雨が降らなきゃいいやと天草に向かって車を走らせた。通勤割引で半額の高速道路利用(久留米〜松橋)、そして天草を目指し片道約180kmで新和町役場に到着した。
役場は休日だったが、明日は「天草ロードレース」が催されるためか休日当番か知らないが女性が出勤していた。「駐車場に夕方まで停めさせて貰えますか?」「いいですけど、何か?」「3月に行われるサイクルマラソンコース走ってみようと思って」「ああ、そうですか、頑張って下さいね」と許可と激励の言葉を頂いた。
役場前を出発する。いよいよ150kmのスタートだ。先は長い。あまり焦らず走ろう。海岸線だからほとんど平坦だろうと思っていたが、先日の島原一周同様、以外と海岸線は以外と上り下りがある。牛深まで約40kmの海岸線の走り、7箇所ほど、これはちょっときついなと感じる上りがあった。このくらいでへこたれてては完走は無理だ。
牛深の町に入る。天気があまり芳しくない。雨でも降って来るんではと言った感じのどんよりした天気。このまま一周を続けるか悩んだが、天気予報は「今日一日は持つでしょう」と言っていたのを思い出し、それを信じることにした。
牛深から魚買の方へ抜ける道がわかりにくかった。何度か道を尋ねながらどうにか○○線に出ることが出来た。
ここから少し海岸線と離れての走りだ。ちょっと上り下りがあったがこのくらいなら大丈夫だ。そして266号線と合流し、わずかで天草町方面の浦津天主堂方面へ向かう。さすがこの島はキリシタンの雰囲気があちこちに漂う。
浦津天主堂はコースからちょっと外れるがせっかくだから見学していこうと立ち寄る。ここで一休みだ。
さて、ここから先が今回の一周で一番きつかったところだ。天主堂を過ぎるとすぐに厳しい上りとなる。それも結構長い上りだ。いやあ、まいったなあ、こんな上りが何度も出て来るんでは?とちょっと不安になる。トンネルも多い。だが真新しいトンネルはきちんと歩道が設置されており、自転車でも走りやすかったのでほっと一息である。大江天主堂が山肌に見えてくるあたりの坂が本日一番の厳しい上りだった。
ちょっと寄り道して行こうとは全然思わなかった。ただひたすらにペダルを回す。厳しい上り…しかし無事登り切った。そうすると今度は快適な下りが待っていた。
これがあるから上りは頑張れるんだろうね。おまけに天草の素晴らしい海岸線、見事な景観だ。晴れていたらもっと綺麗なんだろうなあ…それは本番までお預け。快適に下っていたが、眼下に素晴らしい景色、せっかくの快適な下りを中断してちょっと見物です。 ここから先はずっと海岸線となる。今日は風もあまりないので、気持ちよく走れる。目的の半分を過ぎると元気も出てくる。
しかし腹が減った。コンビニでパンを買ってお昼とする。駐車場の隅で食べていると、中学生らしい集団が「こんにちわ!」と代わる代わる声を掛けてくれた。いやあ爽やかな笑顔で挨拶されるって気持ち良いね。やはり人の基本は挨拶です。自転車で走ってると良く知らない子供達から挨拶をされる。まだまだ日本の子供達も捨てたものじゃない。
ときどき「最近の子供達は…」って聞くが、むしろ大人の方が純粋な心を忘れてしまい、子供の気持ちを理解していないんでは無かろうか。
天草町を走る。「天草四郎乗船の地」と言う碑があった。このあたりの海岸線、大きく潮が引いている。海岸の岩が緑色をしているのは何だろう。コケでも生えているのかなあ…所々で籠を持った人達が何か収穫している。海苔でも採っているのかな?
ずっと向こうに風力発電のプロペラがあった。今日は風が弱いので回っていないようだ。出来れば本番でも回って欲しく無いなあ…
潮の引いた海岸に「おっぱい岩」と言うのがあった。その昔雲仙の噴火で飛んできたらしい。干潮時にしか姿を現さないが、その岩に触ると「胸が大きくなるとか母乳のでが良くなる」と噂されているらしい。ちょっと触って見たかったが、おっぱいは大きくなる必要もないので眺めるだけとした。もし大きくなりたい人がいたら、頑張って自転車で触りに来て下さい(^_^;
大会当日の第3チェックポイントと思われる二江に到着。6時間の時間制限のところ、30分ほどを残しての到着だった。時間的にはだいぶ遅いが、初めてのコースで単独の走りからみればまずまずかな。さあ、あとわずかです頑張って走りましょう。本渡の町にはいるとちょっと道がわかりにくかった。女子高生に道を尋ねる。「こっち?」「たぶんそうです」とちょっと頼りないが、その方向に進む。
どうも感じが違う。山の方に入っているようだ。地図を見る。やはり違うようだ。町中まで引き返して宝くじ売場のお姉さんに尋ねる。「こっち行ってあっち行って…」と親切に教えてくれた。いやあ、まいったな15分くらいロスしてしまった。でも天草の女子高生がウソを教えたわけではありません。私の訪ね方がまずかったのに気づきました。しっかり地図を見せて訪ねればそんなこともなかったんでしょう。その証拠に、女子高生の教えた道もずっと進めば新和町に通じていたんです。反省…
本渡の町をどうにか通過、少し上り下りはあるがもう先は見えています。人間不思議なもんですね。疲れていても目的が見えてくると元気が出てくるんですから。
「3km」の案内があった。益々元気が出てきた。この案内板は明日のマラソンのためだろうが、役場を起点としているようです。その表示通りでめでたく帰り着くことが出来た。走行距離約約147km、休憩含み7時間15分。まあ、こんなもんでしょう。
心配した雨も降らず、風もそれほど吹かなかった。薄曇りでちょうど良いサイクリングだった。今回は通しで走ってみようとの目的だったので、途中あまり観光をしなかった。お陰で今度の本番では少しゆとりを持って走れることでしょう。無事試走の目的を果たして大満足。天草に落ちる夕日を眺めてのんびりと帰路についた。本番まであと10日ちょっと。頑張るぞ!