晩秋の北八つ縦走 北八ガ岳 北横岳(1,570m)、蓼科山(1,532m)                  
                               
1997年11月1日(土)〜2日(日)晴れ
          
「穏やかな山容、苔むす針葉樹林帯、神秘的なムードの池」とのキャッチフレーズに誘われ、晩秋の北八つをのんびり歩いてこようと出かけました。寒冷前線が上空に居座り厳しさもありましたが、蓼科山頂からは今までに経験しなかったような素晴らしい眺望に大満足の山行でした。

 11/1 麦草峠…茶臼山…縞枯山…三ツ岳…北横岳…大岳…双子池(泊)
     0735   0840    0925    1100 1105-1205 1255   1420
 11/2 双子池…双子山…将軍平…蓼科山……将軍平…天祥寺原…亀甲池…双子池……雨池…
     0710  0740-50  0910  0940-1020  1035-1045 1120   1145  1210-1310  1415
    麦草峠
     1515 


 前日佐久まで出張となったので、これ幸いと連休は北八ガ岳に行くことに決定。仕事の準備より山行の準備に熱が入った次第である。会議中窓から見える八ガ岳に心を奪われる。会議終了後麦草峠へ向かう。真っ暗なメルヘン街道では、つのの立派な大きな鹿が路側にたたずんでいた。眼下には八千穂の町の夜景が綺麗だ。そして麦草峠着。寒い。先ほど迄空を賑わしていた星も見えなくなり少し小雪が待っている。早々に就寝(車中泊)

 朝、寒くて目が覚める。車内で約−6度、寒いわけだ。周りはうっすらと雪化粧。茶臼山はガスに包まれている。午後からは天気も回復するとの予報を信じ出発。まずは茶臼山だ。

茶臼山…展望台からの展望はガスで殆どなし。縞枯現象を見るのを期待してたが残念
縞枯山…積雪は約3cm位、横殴りの強風で山頂らしくない山頂に到着。寒い
雨池峠…縞枯山からシラビソの樹林帯を下る。天気は回復の傾向。めざす三ツ岳に日が当たり樹氷が輝く。分岐の表示板が壊れ紐で固定されているがブラブラと変な方向を示していた。まあ、ここなら間違うことはないだろう
三ツ岳…岩が多く登りはきつい。晴れ間が多くなり浅間、妙義方面がよく見える。眼下には雪で白くなった雨池が見える。賽の河原のような岩峰でどこが頂上か分からない。気を抜くと岩の間にずるっと転びそうだ。蓼科方面も見えてきた。風が強いので写真を撮るのも閉口する。

北横岳…晴れてきたが寒い。風も強い。約−5度だ。蓼科山への稜線が美しい。北峰山頂でFの人ですか?と声をかけられる。ザックにつけたワッペンが目に入ったらしい。Wさんとのこと。いやあ、初めまして奇遇ですねと言葉を交わす。天気が良ければもう少し話したかったがあいにくの天気であり、気をつけてと分かれる。
大岳 …双子池への分岐にザックを置き、山頂へと分け入る。ここも素晴らしい眺望だ。三ツ岳と同じ様な感じ。妻に電話する。「寒いよ〜」。谷川岳に登ってるであろうMさんにも電話を入れる(留守電になっていた)。
双子池…ようやく到着。雌池のほとりに7組の先客。日当たりの良い池畔にテントを張る(500円/1人)。静かなときが過ぎていく。しかし隣のテントの女性二人はいつまでも話が尽きない。良くあれだけ話題に事欠かないものだと感心する。私は1人孤独だ。空には沢山の星が煌々と輝いている。
就寝20時…起床6時、池には氷が張っている。フライの内側は氷でバリバリだ。しかし真っ青な空、今日は好天が期待できそうだぞ!!
双子山…黄葉の終わったカラマツ林を登る。やがてシラビソ、コメツガとなり山頂は広〜い大草原、素晴らしい眺望にうっとり。浅間方面は今日もくっきり、金峰山、両神山もグーだ。気温2度、風も昨日より少ない。

蓼科山…広々とした岩だらけの山頂は人だかりだ。みんな山頂の表示板を持ち回り記念撮影に余念がない。展望はもう最高!!あちこちから歓声が上がる。360度見渡す限り日本の山々が全部見えてるんでは白き神々の峰、南、中央、北アルプス。妙高、火打、妙義浅間方面と見事だ。山名表示展望盤で山座同定、いやあ、凄いの一言だ。(しかしこの展望盤、ちょっとえこひいきがあるんでは…アルプス方面は詳しいが、我らが上州方面はえらくあっさりとしている)なお富士山は南八つに邪魔されて見えないようだ。
亀甲池…水無し。ほとりでくつろぐ人有り。

双子池…雄池の透明度は抜群、底の小石、砂の一粒一粒まで見えるようだ。雌池はまだ氷が半分程張っていた。木々を写し逆光にキラキラと輝く池は神秘的で写欲をそそる。樹林のテント場からは優しいオカリナの音色が聞こえている。本当はもう一泊の予定であったが、早く下山できたので撤収し帰ることとした。しかし暖かくなった。半袖でも良いくらいだ。
雨池 …水無し。真ん中を対面まで渡る。昨日白く見えたのは水が無かった為雪が積もっていたのだなと納得。
      期待通りの北八つであった。初日は殆ど気温が上がらず寒かった。風も強かった。しかし二日目はもう素晴らしい好天。穏やかな樹林帯歩きとばっかりおもっていたが、三ツ岳や大岳、それに蓼科山への登りは岩がごろごろと結構歩きづらかった。しかし変化があって面白かった。心配してた積雪はわずかでありアイゼンも不要であった。帰路メルヘン街道のカラマツはまだ黄葉の兆しも残っており、また白樺も見事であった。雪が積もったらまた来ようかなあ、黄葉の最盛期も良いだろうな…