
地蔵尾根の下りから望む赤岳
天気の回復が遅れている。急登の文三郎道の分岐で考えた。このまま阿弥陀岳をめざすか。それとも…
やはり阿弥陀岳はやめよう。夏に登ったときの急な登りが思い起こされた。この天気で無理してへまをやると日光白根山の二の舞になるかもしれない(^^;
そうと決まれば下山か、赤岳をめざすかの二者択一…今はまだたまに小雪もちらつくが天気の回復傾向は間違いない。赤岳は以前も雪の時のぼったことがある。時間もまだ大丈夫そうだ。よし、赤岳をめざそう!!
4人組が先行しているはずだが、風に吹き飛ばされトレースはない。風はそこそこあるが見通しはない。じっくりと地図をみて所要時間、方向を定める。よし、行くぞ!! 急な登り、山頂は見えず大きな岩のところで道が分からなくなった。方向は間違いないがちょっと不安。岩を巻き左に上がるが進退窮まって断念。いったん少し下り今度は右へ…小さな岩を巻くと鎖が出現。正規のルートに間違いない。一安心だ。キレットへの分岐あたりから岩場も急峻となり手強くなった。
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左の方の鞍部めざして赤岳への登り |
こんな岩場が続く。緊張!! |
粉雪が舞う。風のせいか先行者のトレースはない。鎖を頼りに登ろうとするが、パウダー城の雪に足を取られ登りにくくやむなく鎖のないところを登る。そして鉄の階段を登ると山頂だ。誰もいない山頂でまずは記念撮影。阿弥陀岳方面の雲が忙しく流れていき遂に全貌を現した。そして見る見る雲が無くなり360度の展望となったのだ。うおっ〜と一人歓声を上げる。天気予報を信じて登ってきた甲斐があった。富士山だ、北アルプスだ、南も中央も…そして、浅間山も見える。もう名をあげればきりがない。一人感動していると、横岳方面から単独行氏が登ってきた。お互い、晴れ男ですねえと山談義。そのうち蓼科、天狗岳、硫黄岳方面がますますくっきりと見えてきた。「先ほど歩いていった人たちは見えなかったでしょうねこの展望」と単独行氏。さっそく妻に携帯で連絡「凄い展望だよ」っと
阿弥陀岳を眺める。何人かが急登を頑張っている。中岳方面から先行者があったんだろうか…それにしても急な山肌だ。やはり、行かなくて良かった(^^;
でもいつの日か…
「地蔵の下りは怖いですよ〜」と先ほどの単独行氏。私も「いやあ、文三郎道の下りも怖そうですよ。お互い気をつけて下りましょう」と別れる。閉鎖され雪で真っ白な赤岳頂上小屋前で一休み。北八ヶ岳方面の展望も素晴らしい。いつの日か横岳から硫黄岳を歩いてみたいものだと思いながら急な坂をくだる。風が強くビュンビュンと石礫のようなものが顔にあたっていたい。たぶん氷片だろう。赤岳山頂ではほとんど風がなかったのに、地蔵尾根への稜線はちょっと怖いほどの風だった。慎重に下り、寒さの中じっとたたずむ地蔵さんのある分岐に到着。
さあ、怖〜い地蔵尾根の下りだ。最初のトラバースはちょっと緊張する。慎重にアイゼンを引っかけないように進む。わずかなトラバースが終わるとあとは急な下り。赤岳方面が聳えるように迫ってくる。
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地蔵尾根より望む赤岳 |
地蔵尾根直下の下り |
地蔵尾根より大同心方面を望む |
樹林帯にはいると、もう安心だ。尻セードで快適に下る。先日から今日午前中までの降雪が一段と輝きをまして樹氷を引き立てている。こんな綺麗な樹氷はは久しぶりに鑑賞した。もう今回は感動しっぱなしである。
行者小屋迄下れば一気に緊張の糸が緩む。ゆっくりとコーヒーを楽しむ。見上げれば真っ青な空に白く輝く山容がパノラマで堪能できる。ここから赤岳鉱泉まではわずかだ。
樹林帯をわずか登り、そして右手に大同心を眺めながら大きく下ると程なく今宵の宿に到着。入り口は雪の階段。疲れた足です。地蔵尾根などの厳しい下りで転ばなかったのにここで転んだら格好悪いです。最後まで気を抜かず慎重に慎重に(^^;
一泊二食、7500円を払い大広間に案内される。食事は朝晩共に結構豪勢である。混んでるようだが布団にゆっくりと寝ることができた。
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