八ガ岳 硫黄岳 01年3月19日(月)快晴
【山 名 】 八ケ岳 硫黄岳(2,760m)
赤岩の頭から望む硫黄岳山頂を望む阿弥陀岳の登ろうかなあと思ったが、赤岳で厳しい登りを満喫したので、
今日はのんびり硫黄岳に登り景色を堪能することにした
【メンバー 】 単独
【行 程】 赤岳鉱泉…赤岩の頭…硫黄岳…赤岩の頭…赤岳鉱泉…美濃戸山荘…美濃戸口
0642 0805-15 0835-55 1010 1105-15 1150
ストーブの燃える赤岳鉱泉の大広間は暑いくらいだった。思い思いにくつろぐ宿泊者達は明日の好天を期待して胸膨らませ、「どのコース登るんですか?、地蔵尾根は厳しそうですねえ」等と話が弾む。
天気はますます良くなっている。今日赤岳に登ったという人と話した。「いやあ私は何にも見えなかった。明日は時間無いので…」「それは残念…」この人を前にして、「いやあ少し遅れて到着した私は最高の展望でしたよ!!」とは言えなかった(^^;
夜は星が瞬いている。
明日はどうしようかと地図を眺める。できれば阿弥陀岳に登りたいが今日眺めた急な登りはちょっと自信がない。でもこんな好天そうそうはあるまい…しかし、赤岳に登って眺めたあの展望は素晴らしかった。あのすばらしさを楽しいままに持ち帰ろう。万一阿弥陀岳に登って失敗したら思い出よ、さようならともなりかねない。よし、のんびり登れる硫黄岳にしようと決断しウイスキーを飲んでいるとまぶたが重くなってきた。隣の布団の人は星空を撮影に出ていったままだ。
赤岳鉱泉 赤岳鉱泉の食事光景
朝!!予想通りの青空だ。
時間もあるのでのんびりしようと思っていたが、次々と出発する人たちの気忙しさにつられるかのように青空の中へと飛び出していった。
最初はアイゼンをつけずに樹林帯を緩やかに登る。標高を上げるほどに景色が良くなってくる。そして徐々に久登となる。先に出発していた同宿の二人連れがアイゼンをつけている。それほど凍結はしていないが急な為ずるずると滑る。やはりここらあたりが限界かとアイゼンをつける。
赤岳から阿弥陀岳の展望 赤岩ノ頭への登り 北八ツ方面の展望
樹林帯を抜けると先ず阿弥陀岳が目に飛び込んでくる。ここから赤岩の頭をめざしての登りだ。
真っ青な空に真っ白な雪
赤岩の頭に到着。いやっほ〜!! 素晴らしい眺め。今まで見えなかった蓼科方面の眺めもばっちりだ。今日はあちこちの山頂で「いやあ綺麗ねえ、凄いねえ」と感動の声が飛び交うことだろう。
まだこのあたり風はそれほど強くない。頭からはいったん緩やかに下りオーレン小屋への分岐をすぎたところから緩やかに登り始める。天気が良ければ全く問題ないが、ガスって見通しが悪いときは要注意のところだ。風でとばされたのだろう積雪も少ない。岩にはエビのしっぽが芸術美を競っている。
横岳〜赤岳を望む 硫黄岳山頂 山頂のケルン
そして山頂。広〜い山頂からは眼前の横岳から赤岳方面の稜線が「こっちに歩いておいで」と誘惑している。何組かが横岳方面へ向かっている。今日は天気も良いし気持ちいいだろうなあと思いながら見送る。
ぐるりと展望を満喫する。北、南、中央アルプスの素晴らしい山々も魅力的だが、反対側に目を移すと見慣れた山容の荒船山や浅間山がなぜか懐かしい感じで目にはいる。なぜか地元の山が遠くの山に来て見えるって嬉しいものだ。
今日は思ったほど風が強くない。「すばらしい眺めだよ。これから下山する」と携帯で妻に電話。
少し下ったところで風を避け、久しぶりにスケッチ帳をひらく。眼前の阿弥陀岳が絵心をくすぐるが、いざ描いてみると思うように描けない。しかし気分は最高。さて色を付けようと水筆を走らせると、なんか色つきが悪い。よく見ると筆の先が凍っている。これじゃあ駄目だなと色鉛筆でさっと色を付けるにとどめた。
赤岩の頭からの下りはスイスイだ。樹林帯の中急なところは滑って下る。あっと言う間に赤岳鉱泉に到着。ここから美濃戸口までは長かった。