針ノ木岳・蓮華岳 2002年8月3日(土)晴れ〜4日(日)曇りのち晴れ
蓮華岳中腹より望む針ノ木岳
テント場の住民は皆、朝が早いためか騒ぐ人もなく夜のとばりは静かにおりた。夏用のシュラフで十分暖かかった。夜半に少し風が強かったようだ。幸い寝ぼけてテントから這いだし雪渓に落ちることもなく、さわやかな目覚め、3時半だ。テントからちょこんと顔を出して空を見る。月だ!星だ!日の出が期待できるかな?しかしそれもつかの間、いつの間にか引っ込んでしまった。
しかし予定どおり針ノ木岳をめざそう。その前にトイレ!暗い夜道を下ると、トイレ前に長い列。小屋には260人位泊まると昨夜小屋の人が言っていた。テント場(20数張り)に夕方ついて、もう場所がないよ〜って嘆いていた人がいる。こんなに多くの人達がいるのにトイレはたったの3つ。まあ山の上だし、しょうがないよね。待っているうちに便意が消滅しなければいいが…
とりあえず順番が来て「槍見」で用を足し、3人そろったところで急坂を登り始める。寒いかもってトラサン達はレインウエアーを着込んでいたが、我が輩は薄手のフリース。すぐに暑くなり二人は雨具を脱ぐ。針ノ木って、素晴らしい展望って言う事前情報はあったが、花が多いってのは聞かなかった。かなりな急で展望のない。しかしそれを慰めてくれる可憐な花々のオンパレード。チングルマにシナノキンバイ、ハクサンイチゲ、コイワカガミ、ミヤマダイコンソウにチシマギキョウ、それに一輪のコマクサも咲いていた。いやあ、凄いねえ蓮華岳よりも種類が多いねえと語らいながら登る。でもコマクサはやっぱり蓮華だねえと奥様と談笑。トラさんは残念ながら蓮華へは登っていない。このままでは悔やまれるでしょうね(^^;;; やっぱ、一人で登ってくる?
途中、テント場があった。昨夜遅く着いた人達はここまで登ってきたんだろうか?小屋からだいぶ離れており、これじゃトイレや水汲みは大変だなあ。
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どんどんと登ってくる |
岩場の登り(帰りに撮影) |
針ノ木岳三角点にて |
あいにくの天気で日の出は、もうあきらめムード。しっとり濡れた花々に視線が集まる。登りは以外と急、蓮華では味わえなかったちょっとした岩場の歩きもあって楽しい山だ。そして1時間位かかって山頂に到着。やはり太陽のお出ましはない。でもガスは切れそうな雰囲気。時間も早いし粘ってみようと岩陰で風を避け時を過ごす。ときどきガスが切れ遠くの山が姿を現す。そのたびに「出た〜、見えた〜」とあちこちから歓声が上がる。カメラを担いだおじさんが走り回る。おっつダムだ。黒部湖かな?あっちが立山かなあ。しかしそれもつかの間、また厚いガスに包まれてしまった。もう少し粘ってみようかと携帯で家に電話を入れたり、山友にメール入れたり…

しかし天は我らを見放した。展望はまたの機会に撮っておこうと下山。帰りも花の写真を撮りながらのんびりムードで下る。途中残雪のあるところでチングルマが綺麗だった。写真を撮っていたら急に便意を催してきた。う〜ん、やばい。「急いで降りれば大丈夫じゃない?」とトラさん。でももう持ちそうもない。それにまだゆっくり花の写真も撮りたい。よし、あそこの岩陰でといそいそと雉撃ちへ…
だんだんと人が登ってくる。種池方面への縦走者もいるんだろう。思いザックを背負っている人もいる。しかしこのガスじゃあちょっと残念ですね。団体さんが登ってきた。すれ違いが大変だ。小屋が見えてくると少しづつ天気回復の兆しだ。テント場について朝食。さて、どうしよう…空模様はどんどん良くなってきた。やっぱ、トラさんに蓮華岳の山頂を踏んでもらわないと、寂しいよね。話題についてこれなくなるし…ってんで、テントを撤収後蓮華をめざす事に決定。
小屋で水を買い(200円/1L)、ザックを小屋脇に預けて登り始める。トラさん昨日このあたりまで登ってきたんだよねと言う。急登を登り切り、チングルマの咲く稜線に出た。今日は山の稜線もくっきり見える。はいここ撮影ポイントですよ。そしてちょっと登山道の脇にそれた小高いところに出る。そこにはコマクサの大群落が待ち受けていた。
背景に針ノ木岳。絶好の撮影ポイントの発見だ。昨日はこんなに山々が見えていなかったから、トラさんに感謝しなくっちゃ…
でも今日はあまりのんびりできない。帰りが遅くなると月曜の出勤が辛いのだ。早々に撮影し先を急ぐ。山頂到着予定は10時だよ〜ってお二人をせかすが、花の多さになかなか先に進まない。まあ、せっかく来たんだからしょうがないよね。ゆっくり写真撮ってくださいね。とは言いながらこんな調子で登っても1時間ちょっとで山頂着。

北葛〜七倉岳への稜線が、こっちにおいでよとそそっているようだ。結構険しそうな上り下りだがいつの日かあるいてみたいものだ。山頂到達記念に無線交信を試みようとしたが、今日は何かのコンテストが催されていたようでチャンネルがなかなか空いていない。諦めて下山とする。
下りもそうゆっくりしておれない。ちょっと急ぎ足です。途中で雷鳥が挨拶に出現。子供3人ほどを従えてひなたぼっこかなあ。コマクサに雷鳥、やっぱり北アルプスはいいねえ。針ノ木峠からはまたまた重いザックとなるが、もう下るのみ。ジグザグの砂礫地を落石を起こさないように気をつけながら下る。ちょっとでもよろっとしたらザックの重さで踏ん張れず下まで落ちてしまうんだろうな等と考えながら慎重に下る。
さあ、雪渓の下りだ。アイゼンをつけましょう。あれっ、ワッパが無い!とトラさん。しかしそこは知恵を働かせてアイゼン装着。グングンと下る。下りは爽快そのものだ。アイゼンつけずに下ってる人もいたが、辛いだろうなあと思いながら下る。そして雪渓も終わり、樹林帯には行ってしばらく下ると大沢小屋。ここで休憩。トラさんは高〜い缶ジュースを飲む。「こんな高いジュース飲む人の気が知れ無いねえ…誰かこんにゃく買わない?」等と小屋の親父さん。
ユニークな人だ(^0^;)
下りはあまり休憩せずに歩き通してしまった。トラベエさんついついハイペースで下りましたが、これに懲りずまたよろしくね。これでテント泊の魅力に染まりましょう。帰りは大町市民温泉浴場で汗を流し、渋滞、豪雨の上信越道を安全運転で帰りました。下山で急いだ分、しっかり渋滞で取り戻されてしまった。