那須 南月山
ミネザクラはちょっと早かったかな?
1999年5月30日(日)晴れ
牛ヶ首方面から望む噴煙あげる茶臼岳
【山 名】 栃木県 那須岳(茶臼岳 1,898m 南月山 1,776m、白笹山 1,719m)
【メンバー 】 単独
【行 程】 沼原…日の出平…牛ヶ首…峰の茶屋…茶臼岳…牛ヶ首…南月山…白笹山…沼原
0510 0730 0825-0905 0935 1015 1055 1145
【地 図】 那須岳(1/25,000図)
二股山の中腹でネマガリ採りの仲間と別れ一路、沼原をめざした。新緑の美しい那須の別荘地を通り抜け沼原に到着。途中雨が落ちてきたが大したことはなさそうだ。やがて雨もやんだ模様なので駐車場にテントを張る。近くにいた以前北アルプスの小屋で小屋番していたというおじさんと一時を過ごす。小屋番をやめてからはご夫婦で好きな写真を撮りながら、あちこち旅をするのが何よりの楽しみらしい。鬼が面山の方から夕焼けが…今宵ここに泊まる人達だろう、盛んにシャッターを切っている。いやあ、綺麗な光景だ。先ほどのおじさんちょっと出遅れ残念がっていた。
さあ、夕食タイム。今日は乾燥食品のポーク&ガーリックピラフ。火と水だけで簡単クッキング(もちろんフライパン、ガスは必須)である。これにビールやワインがあれば十分だ。夜も更けてきたのでテントの中で水割り片手に本を読む。ちょっと酔ってきたなあ、母ちゃんにお休みでも言うかなと携帯で連絡する。とぎれとぎれだがお休みを言うことができた。伊勢崎は結構な雨だそうだが、テントをたたく雨音は程良いコーラスだ。
そして朝、う〜ん素晴らしい天気、高原の朝はカッコーやホトトギスのコーラスで気持ちよい目覚め。朝食はレトルトのお粥ご飯とみそ汁、コーヒー…先日のおじさんもカメラ担いで沼原湿原で撮影開始。ちょっと中判カメラのアングルを覗かせてもらった。いやあ、いい感じ。沼原湿原はまだ花の時期にはちょっと早いのか、座禅草が所々見えたくらいだ。でもファインダーで覗けば被写体はたくさんありそうだ。木道みら延長線上には大倉山から流石山の稜線がどっしりと構えている。まだ歩いたことのない稜線はここまでおいでと誘っているようで魅力的だ。
湿原を一周したあと三斗小屋方面に出て峰の茶屋をめざそうと新緑の雑木林の中を進む。足下は昨夜の雨のせいか、笹がいっぱいの水をたたえており、すでにズボンはびっしょり…雨
具をつけるタイミングを間違えてしまった。まあ、いいか天気も良いしそのうち乾くだろうと濡れるにまかせる。膝上からびっしょりのズボンはひんやりと気持ちよいが、肌にまとわりついて歩きにくい。疲れも倍増しそうだ。どうも方向がおかしい、笹やウグイスに気を取られ地図も見ずに歩いてきたが1、370mの分岐で間違ったようだ。まあいいかとブナやカラマツ、ダケカンバ、ドウダンツツジなどの気持ちよい道を進む。急な登りもシャクナゲやシロヤシオを眺めながら歩けば疲れなんて感じない。眼下には沼原のエメラルドブルーの湖面が美しい。。1,750m付近から眺める南月山から白笹山の稜線
は快適そうだ。帰路が楽しみだである。そして平坦な稜線に出ると噴煙あげる茶臼岳が見えた。このあたりミネザクラが多い。でも花はもう少し先のようだ。
快適な歩きでぐんぐんと茶臼岳が近づく。絶景かな、日の出平からちょっとした下り、そしてミネザクラが満開に咲き誇っているところでは沢山のカメラマンが写真を撮っている。花を前景とした茶臼岳は最高の被写体だ。私の入り込む隙は見あたらない。帰りに撮ろうと牛ヶ首をめざす。
風が強くなってきたのでヤッケを着る。そしてジェット気流のような音を出し吹き上げる噴煙、鼻を突く硫黄の臭い、崩れ落ちそうな猛々しい岩峰に度肝を抜かれながら峰の茶屋へのトラバース。人も多くなってきた。そして峰の茶屋が見える山頂への分岐に到着。昨日の集まりの時、山頂で会いましょうと約束したトラさん達がいないかと双眼鏡で眺めるがいないようだ。火山特有の臭いとごろごろした岩石の道、北には朝日岳の岩峰がそびえ立っている。いい眺めだなあ…
そして約束までの時間を5分残して山頂着。トラさん達いるかなあ…いたいた。「おはようさんです」と挨拶、混浴の露天風呂は良かったよ〜とトラさん、高原のテント泊も良かったよ、日の出平のコースも最高と私。まあ、どちらも良かった良かったとしばし談笑。Yさんは三本槍への登頂を狙って体力温存で峰の茶屋に休んでいるとのこと。三人で記念撮影のあとようやく360度の展望に目が向いた。南西に見える白く冠雪した山はなんだろう?トラさん達と分かれたあと無線で福島県東白川郡の局と交信。最近は山頂からの交信が義務みたいに感じて必ず数局と交信する。後ほど送られてく
るQSLカードは楽しかった山行を思い起こさせてくれる。
下りはロープウエイ方面に降りる。山頂駅からはわずかの時間で登れるためかスカートや革靴の人も登ってくる。なんとスーツにネクタイ姿の人も…沢山の人とすれ違いながら下る。途中から右に入り込み牛ヶ首への道に合流する。山肌を赤茶色く染める小さな植物はなんだろうか?牛ヶ首では風を避け岩陰で昼食。小倉あんパンが最近の定番だ。これは旨い。腹ごしらえもすんで元気に日の出平をめざす。途中来るときに撮りそびれたミネザクラを前景に茶臼岳を撮る。これは良い写真になりそうだ。出来上がりが楽しみである。ここの花が今回の参考では一番綺麗であった。
日の出平から南月山までは緩やかな起伏の稜線で気分爽快。途中黒い火
山岩だらけの広いところはちょっと異様な雰囲気であった。30人ほどの団体さんが記念撮影中、シャクナゲ咲く山頂も人人人…今度は別の団体さんに山頂は占領されている。あまりの人出で三角点がどこにあるのやら…あった、あった、すみません、すみませんと人をかき分けようやく三角点にタッチ。いやあ、凄い人出。長居は無用と山頂をあとにして白笹山をめざす。こちらは寂しいくらい人に出会わない。おかげでシャクナゲをたっぷり堪能できた。途中コシアブラ発見、今宵のおいしい天ぷらが待ちどおしい。
白笹山は展望は無い。流石山方面がわずか見える程度だ。
これより沼原まではかなり急な下り。シロヤシオやオオカメノキ?が咲いている。気持ちよい雑木林だが、反対から登るには結構疲れそうだ。でもかなり高齢のおばさん達が登ってくる。今の時間からだったら三斗小屋温泉にでも泊まるのかなあ…「あっ、リンドウだ!!」とおばさん達がはしゃいでいる。山は身も心も若くしてくれる。いいなあ、山歩きって…
そしてようやく駐車場到着。快晴の青空に白笹山、南月山の稜線が美しい。駐車場は満杯で道路まで車が停まっている。今度はテント担いで大倉山、そして三本槍、朝日岳とぐるっと回ってみたいなあなんて夢は膨らむばかりである