外秩父七峰縦走ハイキング大会 1997年4月20日(日)晴れ
外秩父七峰縦走 40.2Km、なんと壮大なハイキングコースであろうか。昨年初めて挑戦しやっとの事でゴールした。もう来年はいいや……と思ったものだが、また今年も歩いてきました。年に一度くらいは静かでゆっくりした山歩きを忘れて、ただひたすら歩き自分の限界に挑戦するのもいいかなあと……でもしんどかった。けど完歩してみると「ああ、今年もやったぞ〜」と満足感に浸っています。
大会参加者 約6000人
東武小川町駅…官ノ倉山…和紙センター…笠山…堂平山…剣ケ峰…大霧山……皇鈴山…登谷山
0710 0810 O850-0855 1040 1115 1125 1310 1420 1437
…東武寄居駅
1608
昨年は所要10時間16分、ことしの目標は「完歩、10時間を切ること」とした。しかし、前夜は遅く帰宅したため睡眠時間4時間くらいしかとれなかった。一抹の不安はあったが朝一の高崎線で熊谷にでる。そこから秩父鉄道で寄居、さらに東武に乗り換えスタートの小川町をめざす。秩父鉄道では乗客もまばら、皆この大会に参加する人であろう。去年見かけた人も居た。小川町が近づくと吊革につかまって準備体操をする客も居た。完歩めざして心ははやる。小川町ではたくさんの参加者で賑わっている。女子トイレは早くも長蛇の列である。受付を済まし「頑張ってくださいね」との声に励まされ元気に出発。いよいよ40.2Kmの長い長い歩きは始まった。
小川町から官ノ倉山
町中を通り八幡神社あたりではまだ沢山の人である。春の花が咲き誇り綺麗だが、山道に入るとさらに渋滞が予想されるためかなりのペースで追い抜いて進む。そして山道にはいるとやはり渋滞、これじゃ先が思いやられるなあと、はやる気持ちを落ち着かせる。そして鎖場、ここも渋滞、しかし鎖がないと歩けないほどでもなく脇の方を一気に追い抜き登る。そして見晴らしの良い石尊山を過ぎまずは官ノ倉山第一チェックポイントに無事到着。今日は大会のため山頂手前でチェックを受けるようになっているがせっかくだから山頂をめざす。わずかで着いたが樹林のため展望はなかった。
和紙センター
この日のために地元の人たちがにぎやかに出店を開いて歓迎してくれる。冷たいビールに心が動くが、まだまだ先は長い。グッと我慢する。手作り饅頭がおいしそうだ。
「おばちゃん一個いくら?」「百円だよ」「えっ、高いねえ」「おいしいからね」この自信に満ちた言葉に「一個ちょうだい」牛乳も百円だ。おばちゃんの言葉に嘘はなかった。もう一個と思ったら山とあったのがすでに売り切れ…準備中とのこと…もう一個食べたかったなあと悔いを残しながら次のチェックポイントをめざす。
笠山から堂平山
萩平の休憩所で休む人たちを尻目に先を急ぐ。途中白いイカリソウが咲いていた。他にも春らしく沢山の花が咲いており、小鳥のさえずりも聞こえるが、今日は脇目を振らずに歩くことに徹するんだ……と頑張るが、笠山の登りはきつかった。寝不足が応えたのか、腹が減ったのか…ここらあたりでは少し渋滞は解消されている。笠山はその形から比企のおっぱい山と呼ばれているそうだ。最後の急登を頑張り第二のチェックポイント着。
初めて順位を聞く。850番位とのことだ。沢山の人が休憩している。ここで軽く食事休憩。ゼリー飲料とミカン、パンで元気百倍だ。そして雑木林の急な下りで笠山峠からまた登り……去年はここらあたりで元気がなくなりバテたところだ。思い起こせば何人も抜かれたなあ……しかし、今年は以外と調子が良い。わずかで芝生に囲まれた天文台のある堂平山、第三のチェックポイントだ。(738番)芝生に寝っころがってゆっくりしたいところだが先を急ぐ。
剣ケ峰
林道をわずかで過ぎ、恐怖の丸太階段はつらかった。しかしあっけなく山頂。今日のコースの最高峰(876m)である。足の豆を治療している人が数人いた。そろそろ参加者も完歩組とエスケープ組のふるいにかけられる頃だろうか。下りは結構急だ。下りは得意な私は、そろそろと用心深く降りる人たちを超特急で追い抜いていく。
定峰峠から大霧山
白石峠からはまた恐怖の丸太階段。剣ケ峰前より長く天まで続くんじゃなかろうかと感じた。このあたりでは最初の賑やかな雰囲気からは想像もできないほど皆黙々と歩いている。定峰峠までは見晴らしの良い道だ。峠手前は急な下りだ。峠には売店があり、沢山の人が休憩している。冷たい水道水で顔を洗う。気持ちいい!!そして元気一発オロナミ……じゃなかったリアルゴールドをグビグビっとのどに流し込む。約28000歩
大霧山は展望が良いところだが、ちょっと靄がかかっており遠望はきかない。北方面に見える牧場風景はのどかだ。ようやく第五のチェックポイントだ。ああ疲れた。少し足も痛くなってきたようだ。順位を訪ねるとなんと439番になっていた。約23Km突破、半分はクリアーだ。昨年より一時間早く結構なハイペースだ。よし、次のチェックポイントでは300番台が目標だ!!と気力を奮い立たせる。
牧場での牛乳
大霧山を降りて車道歩き。広々として気持ちの良い牧場風景を楽しみながら歩く。ここではお楽しみの牛乳が……昨年はちょっと出遅れたため期待して到着したときには売り切れでがっくりしたものだ。歩いていると「あそこの牛乳はおいしいんだよね。あれが楽しみで歩いているようなもんだよ」なんて声も聞かれた。そして売店着……牛乳はあるかなあと心配であったが…あるある、「一本ください!!」ふう、満足
皇鈴山から登谷山
二本木峠、最後のエスケープルートである。寄居駅までは約3時間である。ここで完歩をめざすかの判断が必要だ。ここより先に行けばもう完歩するのみである。足は結構疲れてきたが調子はよい。よし、先をめざそうと皇鈴山に向かう。ここらあたりでは途中断念組はいなくなり完歩をめざす人達ばかりである。当然追い越そうと思ってもそうたやすくはない。程なく広い山頂の皇鈴山到着。第六のチェックポイント。念願の300番台だ。ここで今日の目標を新たに追加、300番台でゴールをめざすこととした。そしてわずかで登谷山に到着。第七のチェックポイント。336番だ。おおう、この調子なら200番台も夢ではないなとちょっと欲を出したが、ちょっと無理であろう。あと約10Kmを今迄でのペースでは歩けそうもない。昨年はここでやかんから注いでもらった冷たい牛乳を飲むことができたが、その茶店はつぶれたのか、閉まっていた。
日本水(ヤマトミズ)そして寄居駅
ここからはもう車道歩きだけである。途中名水百選、日本水の接待所が開設されている。冷たくておいしい。そのほか梅干しや山菜の接待もあった。もちろん気に入ったらお土産も売っている。さあ、もう少しだと下り道を小走りに歩く。途中軽快に走り去っていく人もいる。他の人を見ると皆元気そうに見える。私の足はもういよいよ限界に近くなっている。前を歩く若い女性の足取りは軽快だ。綺麗そうな女性でありちょっと顔でも見たいなあと頑張るが、残念ながら追いつけない。お陰でペースがあがった。この調子で行けば目標の十時間は軽く達成しそうだ。もしかしたら9時間を切るかもしれないと密かに闘志を燃やす。
そしてゴール
城跡を過ぎると大きな橋、ここらあたり迄くると9時間を切るのも可能性があるように見えてきた。しかし足はがくがく、思いの外スピードがあがらない。数人に追い抜かれてしまった。他人との競争じゃない、自分自身の限界と根性に挑戦だと思っても抜かれるのは面白くない。若い女性は途中知り合った男性と軽やかに前を歩いている。ようし、最後の力を振り絞ってなにが何でも9時間を切るぞと小走りに急ぐ。橋を越えどうにか目処がついてきたところで皮肉にも信号に遮られた。
さあ、青だ。先ほどの女性を最後の最後に軽く?追い抜き(残念ながら顔を見る余裕はなかった)駅前の受付にゴール。時間は……順番は……
やった〜16時8分着、所要8時間58分(約54,000歩)そして300番?(ほとんど同時についた人がいてどっちが300番か正確には不明である)到着。同時に到着した人と、「いやあ、終わったね。」と言葉を交わす。そして我慢していたビールで乾杯。最高!!
最後に
思いがけず9時間を切り、300番台まで達成してしまった。我ながらびっくりである。これも大会という雰囲気と、一緒にゴールをめざす沢山の人がいたからできたことであろう。日頃の実力以上に頑張ってしまったようだ。この冬に雪山を野峰さんと歩いたのも密かに体力となっていたようだ。
それにおいしかった牛乳。ゴールのビール忘れない味である。
来年も参加する?一週間たってもまだ足腰が痛い。お陰で山登りはちょっと無理だなと今日の青空を指をくわえて眺めていた。こんなにつらくてもまた、来年も多分秩父の山並みを歩いているんでしょうね。きっと……