外秩父七峰縦走ハイキング大会 (第15回)
2000年4月23日(日)曇り時々晴れ
さあ、今年も挑戦です。42.195km…今までより少しコース距離が伸びたようです。この距離、マラソン選手は走るんですよね。しかも2時間台で…
私は今まで数回この大会に参加したんですが、何度か途中リタイアです。歩くのでさえこうですから、これを走るなんてほんと凄い人達がいるものですねえ。
でも、私は私、競争と言うより自分がどこまで歩けるのか、苦しくなっても耐えれるのか、自分なりに忍耐力、根性、体力を試そうと毎年参加しています。
今年の目標は、ズバリ「完歩」です。この大会、走るのはルール違反、それにストックは危ないので使用禁止、各チェックポイントは開設時間が決まっていて、その中でチェックを受けること。いくつかのチェックポイントでは、下山指定時間が決まっています。一定の時間を過ぎればそこでリタイヤとなります。
今年の目標を完歩においたのは、昨年、膝の痛みがひどくなり約22km付近でリタイヤとなった悔しい思い出があるからです。過去の記録最高は9時間を切ったことがありますが、去年はあわよくばその記録を更新しようと焦ったからの結果でしょう。今年はまず完歩する事です。最近時々膝の調子が悪く、その目標すらもちょっと厳しいかもしれませんが、自分なりに体調を整え、戦略(^^;を練って挑戦しました。
さあ、その結果は…
コース及び時間
コース | 小川町駅 | 官ノ倉山 | 笠山 | 堂平山 | 剣ケ峰 | 大霧山 | 皇鈴山 | 登谷山 | 寄居ゴール |
距離(km) | 0 | 5.1 | 16.7 | 18.4 | 19.3 | 25.4 | 31.1 | 32.3 | 42.195 |
時間 | 0705 | 0815 | 1110-25 | 1159-1205 | 1216 | 1406-18 | 1534 | 1554-1600 | 1748 |
順番 | ?? | 2590 | 1539 | 1591 | 1570 | 1175 | 1220 | 1235 | 1400 |
飲食物(昼飯及び水はのぞく)
和紙センター 牛乳(100円)、田舎饅頭2ケ(200円)
定峰峠 ポカリスエット缶(150円)
秩父高原牧場 ソフトクリーム(300円)
登谷牧場 牛乳(200円)
釜伏峠 名水日本水(ヤマトミズ)無料、梅干し2個(無料)
明日は最後まで歩けるだろうか…
気になってなかなか寝付かれない。まずはじっくり睡眠をと言う戦略は早くも崩れ去った(^^; そしてザックは軽くと言う戦略は、これはまずまずかな、日頃持ち歩いている救急セットや、ツエルト、着替類その他小物類は極力排除。そして腹ごしらえ、これはコンビニでばっちりです。
小川駅前スタート地点で受付をすます。記録カードに住所、氏名を記入。そして、完歩したときに提出する欄にも、しっかりと決意を込めて記入した。あとは無事ゴールについて到着時間を記入することができるかだ。
はやる気持ちを抑えて、静かにスタート。
最初のチェックポイントは「官ノ倉山」だ。このあたりはまだ余裕があった。いったん麓まで下る。和紙センターでの牛乳と饅頭が毎年楽しみだ。これで腹ごしらえもばっちりです。
さあ、次のチェックポイント「笠山」までは約11.6km、ここは長い。林道歩きもあり、昨年も苦労したところだ。それにまだ参加者のみんなも元気があり、結構急ぎ足である。このペースに巻き込まれたら大変だ。後の長丁場に持ちこたえきれなくなる。元気のいい人は山道で渋滞していると、コースを外れて山肌を駆け登る人がいる。去年は私もそうだったなあ…でも、今年は行儀良く並んで待ってます(^^;
しかし、悪魔が待っていました。やはり膝の調子がいまいちです。登り下りしている内に右膝が痛くなってきました。
この感じ、やばい!!、一瞬昨年と同じリタイヤか…と頭をよぎる。
う〜ん、ペースが速すぎたかなと、今年は反省する余裕がある。最後のエスケープルート「二本木峠」、約30kmでの下山指定時間は15時40分だ。まだ時間はたっぷりある。ペースを落とそう…
膝を、だましだましといった感じで上り下りの歩きを変えてゆっくり歩く。変化のない長い林道歩きはイヤになる。でも笠山までは頑張るぞ。あまりその先のことは考えないことにして歩く。途中で靴の底が外れそうなおじさんがいた。カッポカッポと音がする。もうすぐ外れてしまいそうだ。途中でビニールひもを見つけてくくりつけていた。このおじさん元気そうであったが、靴があの状態では、果たして完歩大丈夫かなあと自分のことは忘れて心配になった。
笠山手前の急登では長い列になっている。今年は例年より渋滞が激しい。これも私にとっては都合が良かったのかもしれない。
笠山に無事到着、沢山の人でごった返している。さっそく、膝に湿布を貼る。横で見ていたおじさん、テーピングも効き目有りますよ。もっとも痛くなってと言うより予防ですけど、などと話しかけてくる。ここからのくだりは結構急である。ここをどう乗り切るか、膝の痛みは下りの方が歩きにくい。ちょっとカニのように横になって下る。どうしても痛い方をかばうので、今度は反対側が変な感じになってくる。
「堂平山」、「剣ケ峰」、「白石峠」あたりは膝の痛みも和らぎ、普段通りに歩けた。やはり先ほどからペースを落とし、かばいながら歩いたのが功を奏したのだろうか?時々現れる丸太の階段や急さかは結構辛かったが、この分ならどうにか完歩も可能かなあと思えてきた。そして昨年リタイヤとなった「定峰峠」で、ポカリスエットをグイッと飲む。ここで約半分くらいの距離だ。時間、体調を考えてたぶん大丈夫だろうと先に進むこととした。
このハイキングの楽しみは、歩いたぞという満足感の他にもう一つある。それは、ところどころでアイスクリームや、牛乳、饅頭などが食べれることである。ただ、あまり遅くなると売り切れてしまうのか、あそこで牛乳の飲もうと、それを楽しみに歩いていたおばさんが、着いてみると売り切れと言われ、がっかりしていたのは去年の光景だ。今年はどうかなあ
展望の良い「大霧山」をまずまずの時間と順番で通過。そして秩父高原牧場でソフトクリームを食べる。う〜ん美味!!
このあたり広々として展望も良い。それに桜が今を盛りと咲き誇っており、疲れた体に安らぎを与えてくれる。そして最後のエスケープルート「二本木峠」着。いやあ、ゆっくり歩いた為か、下山指定時間まで22分しか残っていなかった。ここでエスケープしなかった場合、もうゴールするしかない。膝は大丈夫か…左も少しずつ調子がおかしくなってきた。しかし22分の余裕がある。万一、最終ゴールチェックポイント開設時間に間に合わないことになってもやむを得ない。今日の目標は完歩なんだから…
そう思えば心も軽くなった。しかし反対に足は重くなる。もう気力で持ちこたえるしかない。七峰最後のチェックポイント「登谷山」から妻に携帯する「足が痛くてもう駄目そう、でも完歩をめざすので遅くなるかも…」「頑張ってね、でも無理しないでね」との励まし。よし頑張るぞ!!登谷峠で牛乳を飲む。そして少し先で名水百選「二本水」を飲む。
ここらあたりまで歩いてきた人達はもうゴールを目指すというのは、当たり前である。結構健脚ばかりのようだが私のように足を引きづっている人もいないではない。
でもひたすら前へ前へと進む。根性だ、忍耐だ!!
しかしここまでだましだまし歩いてきたつけが回ってきたようだ。この先はほとんどが舗装道路の歩き、これが一番応える。しかも、ずっと右や左にカーブしながらの下りでぐんぐんと標高を下げる。もう右足は曲げるのさえ苦痛である。極力舗装路を外れ、土の上を歩くように心がけて歩く。ここから先はもう、寄居駅を目指して歩くしかない。
どんどんと追い抜かれていく
そして「夕焼けこやけで日が暮れて…」の17時を告げる町内放送?が流れる。何となく郷愁の響きである。ちょっと元気づけられた。そして寄居の橋が見えてきた。やった〜もう少しだ、頑張れと膝をさする。そしてどうにか橋を越えてゴールまで後わずか、順番なんてもう気にならない。それより200m位でゴールすることは確実だろう。こんなに頑張った自分にお礼を言おうと途中の自販機でロングビールを購入。
ゆったりとビールを飲みながらゴ〜ル!! やったぞ〜、目標達成。だいたい1400番目、10時間43分だ。以前の記録には遠く及ばないが、とにかく目標は達成した。感激の中で、記録表に到着時間を記入した。汗とビールの滴が記録表にポタリと落ちた。
やればできる。途中何度か今年もリタイヤかなとエスケープルートでは逡巡したが、目標を持っていたからこそ、また知らない人達ばっかりではあるが、ともにゴール目指して歩く姿に励まされた結果である。そんなに膝を痛めてまで歩かなくてもとの批判も有ろうが、山で一人でこのような状態になったときは、やはり帰るぞとの気力で頑張らなければならないだろう。いやあ、頑張った。
来年?
たぶん、また足を引きずって歩いてることでしょうね(^^;