日光 社山 (1,826m)   1999年12月26日(日)晴れ

阿世潟峠への下りから望む社山

 中禅寺湖の南岸にひときわ高く聳える社山、グングンと高度を稼ぎ、振り返れば紺碧の中禅寺湖を前景に男体山をはじめとした日光連山の展望はぴかいちだ。
 新緑や紅葉の時期は素晴らしかったが冬はどうだろうと歩いてきた。あいにく積雪も少なく冬を楽しむにはちょっと物足りなかったが、展望は相変わらず素晴らしかった。

 【行 程】 狸窪…半月峠…半月山…半月峠…阿世潟峠…社山……1633m…1557m…狸窪
        0855  0935   1010ー35  1045  1125 1235-1320 1400   1420   1510
 【メンバー 】 単独
 【地 図】 中禅寺湖(1/25,000図)、昭文社エアリアマップ日光(1/50,000図)


中禅寺湖から望む社山狸窪
 中禅寺湖東岸を立木観音をえて中禅寺湖スカイラインから分かれ、湖岸沿いを右手に進む。道は細くなり凍結していた。民宿のある狸窪の先でゲートがあり、閉まっていたので若干戻り路側の広い場所に車を停める。夏は釣り人やボート遊びで賑わうであろう中禅寺湖は今はひっそりとしている。これから登る社山が聳えていた

 

半月峠半月峠
 狸窪の民宿のわずか先から半月峠をめざす。先日歩いた人が居るのだろうか、数人の足跡があった。樹林帯の中、整備された丸太の階段やジグザグ道を登ると半月峠はすぐだ。峠からは足尾の山々が一望出来る。休んでいたら3人の鉄砲撃ちが登ってきた。荒れた足尾の山や復元についてしばし話しをする。そして分かれて半月山をめざす。雪は少ないが、日陰は凍結しており転ばないように登る。振り返ると社山方面の山肌が綺麗だ。


半月山より男体山を望む半月山
 山頂は樹林に囲まれ殆ど展望はない。ちょっと戻った木製の展望台からは素晴らしい展望。中禅寺湖を前景に日光連山がよく見える。しかし日光白根方面は雪雲だろうか、山頂は顔を隠している。風が強いがこの景色を思い出に残そうとパノラマ状にスケッチを始める。しかし男体山を書き終えた頃左の方はガスって見えなくなってしまった。それに寒い…

 

半月山より皇海山方面足尾の山々
煙害で荒れた足尾の山々がくっきりと見える。
右手奥の方から皇海山、鋸山、庚申山、袈裟丸山など名だたる山々がオンパレードだ。富士山も見えるかなあと目を懲らすが、あいにく今日は見ることが出来なかった。この展望台からの景色は今日のハイライトであろう。展望を満喫して社山をめざし半月峠まで戻る。途中ちょっと足を取られて転ぶ。おお、いたっ!!

社山への登り社山への登り
 半月峠から一旦登り返し、社山の山容を眺めながら大きく下ると阿世潟峠だ。落葉したカラマツやダケカンバの樹林帯をグングン高度を上げる。振り返れば素晴らしい光景が疲れを癒してくれる。時々中禅寺湖方面からの強風が吹き付けて粉雪が舞い散りキラキラと輝く景色は何とも言えず綺麗だった。日当たりのよい尾根は雪はほとんどなかった。

 

社山山頂社山山頂
単独行氏に出合いお互いに男体山をバックに写真を取り合う。しかしここも展望はあまりよくない。ちょっと先の笹原の広い斜面でランチタイムとする。ワインなど飲みながら、登頂の記念に神奈川の局他と交信する。前回大平山から登ったとき、下山路として予定していた南の尾根を確認する。このときは生憎のガスで断念したが、いつの日か歩きたいものだ。

 

中禅寺湖への下山路下山開始
黒檜岳方面に下る樹林帯は、踏み後もなく結構雪が深かった。おまけに岩の間が隠れていて歩きにくかったがこれも束の間、広い瓦礫の所に出て一旦登り鹿道が縦横無尽に走る広い尾根から北東をめざす。低い笹と葉の落ちた雑木林は見通しもよく迷う心配もなさそうだ。見通しがよいことから、このあたりは実際の地形と地図を見ながら歩くと勉強になり楽しい。(左の写真が下山に使った尾根)

 

鹿道を歩く鹿道
静かな山だ。時々出会うのは鹿だけ、増えすぎるのも困ったものだが、こうして楽しそうに?飛び回っているのを見ると「鉄砲撃ちにやられるなよ」って励ましたくなる。今日も遠くの山間から十発以上の鉄砲の音がこだまするのを聞いた。1,633mから1,557mの尾根を下る。途中何度か結構な急坂を下る。こちらは日当たりが悪いのか雪が深い。アルの麻疹の足跡だけ…

 

中禅寺湖中禅寺湖
1,557mのピークから阿世潟野営場方面に進路をとる。落ち葉の積もった急な下りを滑るように下るとひっそりとした野営場に到着。今日は寒いためか小鳥の声が全く聞こえない。
まさに静寂、先ほどまで付けていた鈴を外し、さらにその静寂を楽しむ。途中看板に「このあたりは熊が出ます。十分注意して下さい」と記されていた。

 

狸窪小雪がちらほら
湖岸沿いをのんびり歩く。阿世潟へ下ってるときから少しずつ降り出した雪で木々が白くなりはじめた。帰路イロハ坂の上の方はうっすらと積雪。用心深い運転の車がいて、ちょっとした渋滞となった。こんな時スタッドレスは有り難いものだ。