日光 男体山横男体ルート(2,484.5m) 

1997年11月16日(日)晴れ

開拓の碑……2397mの三角点…山頂…五合目…二荒山神社前…(バス)…三本松…開拓の碑
 0800       1015     1050-1140 1230   1255-1315         1330   1340


 雄大な山容の男体山、ただひたすら急登の登山道はしんどそうだなあと今まで敬遠していたが、MさんやBさんの三本松からのルートを使った報告に目から鱗、よし、ここからなら面白そうだと早速挑戦となった。登りはあいにくのガス、しかし山頂では思いっきり好展望となった。雪も全くありませんでした。でも寒かったのでビールは飲む気になれなかった。

 今日日中いっぱいは天気は持ちそうだ。最近暖かい日が続いており雪も少ないだろう、初めての男体山、いろは坂から見える山頂は早くおいでと言っているようだ。しかしあちこちとサロンパスを張ったような姿は痛々しい。

 開拓の碑の詩を読む。苦しかったであろう開拓の歴史が忍ばれる。Mさんの山行報告で登山口はすぐに分かった。少し入ると真新しい表示「横男体ルート」が目に付いた。これが正式名称であろうか?すっかり葉を落としたカラマツ、ササっ原、そして落ち葉ふわふわの雑木林、コメツガ?の常緑樹帯、白樺や酸性雨の影響か枯れた木々、北八つを思い出させる苔むした樹林帯と、展望はないものの変化のある樹林の中、ただひたすら登る。本当にただひたすら登る、登る、登る…登山道は割とはっきりしているが樹林帯によっては積雪があったら迷いそうな感じである。しっかりと目印のテープや鉄板を見て登る。

 登りはじめは晴れていたが、途中からまったく展望がきかなくなってきた。木々の高さが低くなってきても日が射さない。いやあ、ガスってきたぞ。風も強くなってきた…せっかく樹林帯から開放されたのにな〜んにも見えない。あ〜あ、残念…木陰でウインドヤッケを着用。Bさんがグライダーに遭遇したという露岩はこの辺かなあと思うあたりでは吹き付ける風も強く真新しい樹氷が形成されつつある。そして三角点に到着。今までは展望もなく、面白いと言うより少々嫌気がしてきた歩きであったが、ここからはガレ場の稜線歩き。右は崩れ落ちた薙、左は急峻な崖、下には白骨のような枯れた木々の光景がガスの合間から素晴らしい景色だ。赤茶けた溶岩のようなガレは地獄の雰囲気、ガスの切れ間から「いやあ、よく来たなあ」と閻魔大王様が出てきそうな雰囲気である。

 そしていよいよ前方に聳える大きな岩…右、左?どっちを行ったら良いんだろう?それとも直登、これは無理だ。確かMさんは左から巻いて土止めに登ったんだよな、よし左から行こう。そのときガスが切れ前方の小高いところに何か見えた。双眼鏡でみると剣のようだ。とにかくあそこに出れば良いんだなと進む。途中迄はどうにか道らしかったが途中から分からなくなった。野峰さんが登ったらしい土止めが見えた。登れなくもなさそうであったが剣はまだ先だ。先に進むが道もなくなりシャクナゲや樹林の中を這い登る。(このあたりだけ雪があった)空き缶がたくさん投げ捨てられている。だいぶ古いので最近の仕業ではなさそうだ。そしてロープに辿り着き見上げれば大きな銅像の後ろであった。

 太郎山神社はだいぶ下の方に見える。なんと着いた途端ガスが無くなり素晴らしい展望が待っていたのだ。眼下には中禅寺湖、南面の山々は雲海に浮かんでいる。日光白根はわずかに冠雪し頂上は恥ずかしいのか隠れている。皇海山はどれかなあ…太郎山や女峰山など日光の山々は指呼のあいだだ。その後ろの冠雪した山々は会津方面だろうか?南面のガレ場あたりの樹氷が太陽にキラキラ輝いている。そして風に飛ばされ花吹雪のようだ。綺麗だ!!志津小屋方面の稜線も赤茶けたガレ場、緑の木々、白く輝く樹氷、そして真っ青な空のコントラストが見事だ。山頂で記念撮影、気温3度位。初めての男体山、あいにくのガスで展望は諦めていたが、思いがけなく巡ってきた絶景に感激。登るときに全く見えなかったのでその感激もひとしおだ。

 さあ、展望も満喫したし下山開始だ。帰路は二荒神社へのスタンダードコースだ。まさに中禅寺湖に思いっきりダイビングしそうな雰囲気だ。ぐちゃぐちゃした道から岩の多い急坂、鉄パイプの手すり、ジグザグの下り…ダイナミックな下りだが歩きにくいことこの上ない。この登りはしんどそうだ。眼下に中禅寺湖がキラキラと輝いている。避難小屋を過ぎ林道に出る。そしてまた樹林帯、ここは急だが落ち葉を踏み気持ちよい歩きだ。そして閉ざされた神社の脇を抜けバス停に到着。行きに運行時間を確認していたのが役に立った。(1時間に一本の運行)三本松で下車し開拓の碑まで歩く。太郎山、男体山の雄姿を撮影し帰路につく。いろは坂を下る頃思いっきり濃霧となり景色は全く見えなくなった。これもまた良い雰囲気である。初めての男体山は天が味方したようだ