日光男体山
冬山をなめたらいかんよ(^^;;;

戦場ヶ原の樹氷と男体山
 連休の北八ツ忘年山行が悪天候で中止となった。でも最後の休みは天気が回復との予報。急遽Nさんにどこか行きましょうと連絡すると「志津林道から男体山に行く予定」という。早速同行をお願いする。Tさん御夫婦、Fさんにも声をかける。前日の夕方だったのに、みんな揃っての楽しい忘年山行リベンジとなった。しかしやはり日光男体山、簡単には登らせてもらえなかった
02年12月23日(月)晴れ Tさん御夫婦、Fさん、Nさん、酒呑童子
志津乗り越…志津小屋…8合目…男体山頂上…8合目…志津小屋…志津乗越
0900                   1400-1450                 1700

 志津林道が積雪で車が入れないときは…その時は我が輩は戦場ヶ原か高山あたりのスノーハイクでもいいや、あの長〜い林道を歩いていたんでは山頂はほど遠いと思われる。その旨、Tさん、Fさんにも連絡した。まあ、楽しい仲間が集まればどこでもいいやっていう気持ちであった。

 快晴のはずが、途中の足尾あたりでは霧で殆ど視界がない。それに日陰は凍結しており、二度ほど車が制御不能になった。う〜ん、いろは坂は大丈夫かなあ。雪道運転に不慣れな我が輩はちょっと心配。
いろは坂あたりでは快晴であった。しかし日陰は少し凍結している。我が愛車、パジェロイオは四駆、それにスタッドレス。そして予備にタイヤチェーンもある万全の装備だ。愛車を信頼し慎重に坂を登る。夜明けがやってきた。車を止めて御来光を拝む。そして太陽が上がってくると、山肌の樹氷がキラキラと輝いている。う〜ん、素晴らしい景色だ。

 待ち合わせの三本松駐車場に着いたが、早かったのかまだ誰もいない。湯の湖を見物のあと、志津林道を偵察に行く。果たして…車のトレースがあった。積雪もそれほどでもないようだ。途中まで偵察し、これなら小山で大丈夫だろうと確信する。これで男体山登山は決定だ。戦場ヶ原まで戻り男体山の写真を撮っておいたら、Nさんが到着した。「寒いねえ、今日はよろしく」と挨拶していたらTさんから、「今どこ?」と連絡が入る。そして合流。最初の挨拶が「Tさんも好きねえ…お互い」というものだった。
いろは坂から望む御来光 白銀に輝く日光社山 樹氷輝く

 Tさんは前日赤城山で雪遊びをしていた。そして今日は男体山。厳しそうだったら戦場ヶ原あたりを散策でも楽しもうとの事であったが、「山頂まで2時間くらいだよ、それに天気も最高、雪もそれほどでは…」と説得?する。Tさん、じゃあ男体山に行こうと決定。Fさんがまだこない。三本松に向かう。するとFさんが待っていた。これで幻と消えた忘年山行のメンバーが集結した。いざ、男体山へ!

 Fさんの2駆は雪道は不安なので、4駆組の車に分乗し小屋をめざす。前に工事関係者と思われる車が走っている。こんな時期にご苦労様ですと密かに感謝する。お陰で乗越までトレースがあり難なく到着した。空は真っ青、山肌を眺めると雪は少なそうだ。風も無い。スノーシューはいらないんじゃない?そうだねえ、と誰言うともなくそう言うことになった。でも心配だから一人くらいはということで、Nさんは持参することにした。え〜とここ標高は?我が輩が地図を見る。ん?男体山がない?なんと間違えて丸沼の地図を持っていた。Fさん教えてとのぞくとこちらにも載っていない。そうです男体山は日光北部の地図もいるんです。いくら志津からの軟弱コースでも「山を甘く見たら行けないよね〜」と反省する。でもスノーシューを持っていこうと言うことにならなかったのは、やはり山を甘く見ていた証拠であろう。
さあ、出発だ! 志津小屋前にて このあたりはまだまだ楽勝
 少し林道を歩き右にそれ、登山道に入り志津小屋に到着。ちょっと雪が深いが、登りになればそうでも無かろうとここでもスノーシューをとりに戻ろう等という人は誰もいない。スノーシューを装着しているNさんに「頑張ってね」と声をかける。先頭はNさん、その後を坪足隊がぞろぞろとくっついていく。最初はそれほど苦労するでもなく、明るく雪を楽しみながら樹林帯を登っていく。しかし、そのうち雪も少なくなるだろうとの期待とは反対に坪足隊の息が上がってくる。特に二番手はNさんのトレースがあるとはいえズボズボと埋まる。五合目付近で既に11時になろうとしている。え〜、まだ五合目…そしてますます登りも急になる。Nさんは快適に進む。しかし坪足隊は疲れもたまりますます休憩が多くなる。8合目あたりでは既に12時30分となる。はたしてあとどれくらいで頂上に着くんだろうか?このあたりから女峰山から大真名子、太郎山の山容がばっちり見えるが、景色を楽しむ余裕はあまりない。この頃から山頂にたどり着くことが出来るのか内心不安になってきた。9合目付近だろうか?山頂が遠くに見える。尾根に出れば山頂はもうすぐと期待したがなかなか山頂は近づかない。ここらで14時になったら撤退しようと言うことになった。残された時間は少ない。
足が上がらないよ〜) ガレ場付近でちょっと一休み 8合目付近。山頂はまだ遠い
 尾根に出れば風で雪は飛ばされて少ないだろうと考えたのは甘かった。坪足隊は時々雪にとらわれ、股あたりまで雪に埋まる。そしてもがけばもがくほど深みにはまりなかなか抜け出せない。他人には、雪が嬉しくて楽しんでいるように見えるが、本人は必死の形相で脱出しようと試みているのだ。笑っちゃいけません(^_^; どうしてもでれなくなり周りの雪をかき分けれハイハイしながら脱出だ。Nさんか快適だ。「頑張ってね。山頂に14時までたどり着かなかったら引き返してくるから」とどんどん先に進んでいった。
 坪足隊、山頂はあとわずか、ここまで来て山頂を踏めないとはいかにも残念。最後の気力を振り絞り山頂の岩場に立つ大きな剣をめざして頑張る。
 
 13時55分、撤退時間まで5分を残しついに坪足隊、山頂にたどり着いた。「着いた〜」と誰からともなく歓声が上がった。約5時間の難行苦行の末たどり着いた山頂は格別だ。少し早めに着いたNさんが、富士山が見えるよと教えてくれた。山頂は360度の展望。青空が広がる。記念撮影のあと、小屋に入り風を避けて食事とする。時間は既に14時を超えているが下りは二時間はかからないだろうということで少しのんびりする。Tさんのおでんや、Fさんのホットワインは冷えた体にありがたかった。最高のごちそうだ。
がんばれ!山頂はもう少し? 着いた〜 風は強いが快晴の大展望
 さてあまりのんびりしておれない。ぼちぼち下山しよう。帰路はトレースがあり少しは楽だった。しかしそれでも時々ズボッと埋まる。が、帰りは焦ることはない。しっかり雪を楽しもう。稜線が終わるころ、女峰山方面の雲海に影男体山の姿が映っていた。虹も架かっている。素晴らしい光景に一同感動。写真を撮りまくる。樹林帯に入り一気に下ろうとするが、疲れた足はなかなか言うことをきかない。太郎山や女峰山の山並みが赤く色づき始める。西日が当たって刻一刻と山肌が彩りを変える。綺麗だねえ…と見とれる。

 しかしあまりゆっくりとはしておれない。下手すると日暮れとなりヘッドランプのお世話になりかねない。でも疲れた。一休みしましょうと腰を下ろす。今日は仲間がいるので少しくらい暗くなっても安心だ。腰を下ろすとなんか眠たくなってきた。このまま眠れたら最高だろうね等と話す。遭難したときこんな状況になって寝てしまい生がつきるのだろうか?いやあ、寒くて目が覚めるんじゃない?等と経験はしたくないが興味ある話題となる。寝てしまいたい誘惑を振り切って立ち上がる。そして薄暗くなった頃小屋に到着。で〜んと背中から雪の中に倒れて目を閉じる。いやあ、疲れた。でも面白かった。そしてわずかで乗越に到着。
じゃあ、良いお年をお迎え下さいね。また来年も遊びましょうと挨拶し楽しい仲間との忘年山行は解散した。登り五時間、下り二時間…男体山なめたらいかんよ

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