本当に眺め良いね 日光 鳴虫山ハイク

       1996年5月 4日(土)晴のち曇り

 男体山麓、戦場ヶ原の赤沼駐車場でのテント泊は爽やかな小鳥の朝の大合唱で目覚めた。さあ、今日は好展望の鳴虫山だ。期待通りの日光連山の展望と、アカヤシオ、カタクリを満喫した一日であった。

 市役*…登山口…天王山…神ノ主山…鳴虫山……合峰………独標…憾満が淵…市*所
 0900    0910   0920   0950-55  1100-10  1130-1205  1235   1310-15   1345 


 午前5時、小鳥の声で爽やかに目覚めたが、時間はまだ早い。ゆっくりと食事の準備。水加減はこんなものかな?結果は少し固め及び焦げのあるものであった。まあ、こんなものだろう。男体山を眺めながらの食後のコーヒーはうまい。男体山の方から太陽が顔を出し暖かくなってきた。昨夜はかなり冷え込んだが起きてみるとフライシートには霜が降りている。テントを撤収しまだ時間があるので、戦場ヶ原を散策しバードウオッチングを楽しむ。といっても名前は分からないが、双眼鏡とカメラを手に鳴き声のする方向を追う。

 約2時間ほど散策を楽しんだ後中禅寺湖畔を通りいろは坂を下り登山口に到着。しかし、駐車場が無い。あちこち探してると広い駐車場があった。そこは日光市*所。今日は休みである。他の登山者らしき人も停めており特に問題はないようだ。勝手に解釈し駐車する。やはりここは市街であり、電車で来る方が便利であろう。
 消防署の横から志度淵川を渡り案内板に沿って登り始める。小さな紫のスミレやヤマブキに見送られ僅かで天王山に到着。市街地の見晴らしがまあまあだ。そこから杉林、雑木林となり急登僅かで神ノ主山到着。眼前に広がる日光連山が雄大だ。男体山がどーんと構え、大真名子、小真名子がそれに続く。女峰山はまだ雪が多い。そして赤薙山の稜線が素晴らしい。いつの日か縦走したいものだ。

 これより鳴虫山山頂までは杉やヒノキ、雑木林の中をアップダウンを繰り返し歩く。途中カタクリの花が可憐だ。結構多い。時期的には少し遅いが、遅咲きの花はまだまだ綺麗な花を付けている。アカヤシオも綺麗なピンク色だ。今年は駄目かなと半ばあきらめの境地であったが、かなり咲いている。しかし、昨年も来たというおばさんによれば「去年はこんなものじゃなかったわよ。それは沢山咲いていたのよ」だって。どうも寒さの性ばかりではないようだ。雨が少なく水不足、大雪、寒さも影響しているらしいと、にわか花博士が所々で講釈をたれている。

 さあ、山頂だ。人人人で大賑わいである。木々の間からの展望は今いちだ。木で作られた展望台からは満開のアカヤシオを前景に男体山が顔を覗かせる。南方面もようやく木々の間から薬師岳、夕日岳の展望が垣間見える。どこか静かなところで食事にしようと山頂をそうそうに後にする。急な道を下り、合峰で昼食、そして独標をめざす。アップダウンを数回繰り返し、途中には木の根っこに助けられる、かなりな急斜面もある。途中カラマツが鮮やかな新緑である。今年初めてのカラマツの芽吹きにしばし見とれる。

 山を下り発電所の脇を通り、日光八景といわれる憾満が淵(含満ガ淵)の奇岩、清流が疲れた体を癒してくれる。山から下りてきた人達に一服の清涼剤であるが、ここだけを目当てにした観光者もかなり多い。右手には化け地蔵といわれる紅い衣装に身をまとった沢山の大小の地蔵さんが川に向かって瞑想している。色々な表情の地蔵さんに見送られ日光市街を沢山の観光客に混ざってのんびり土産物屋を物色し僅かで市*所に到着した。

 暮れゆく日光白根山を眺め、星空とおぼろ月夜に見守られ1人静かに就寝。そして賑やかな小鳥の声に目覚め、男体山より立ち上る太陽。寒かった夜を忘れるかのような朝の暖かな日差し。戦場ヶ原の散策&バードウオッチング。そして本命鳴虫山では、思いがけないカタクリの花。日光連山の大展望とアカヤシオetc……満足した一日であった。帰宅してテントの掃除、鍋の焦げご飯取りをしながら、こうした泊まりの山行もこれからの時期面白いなあと次のターゲットを思案中である