尾瀬 笠ケ岳(2,058m)  98年10月5日(日)曇り時々晴れ
  湯の小屋コース

笠が岳
草紅葉の蛍池から笠が岳を望む

展望は県下随一との定評がある笠が岳。尾瀬ヶ原を囲む山々の中でこれほど静寂を保っている山が他にあろうか…このうたい文句に惹かれ静かな山歩きと紅葉を求めて歩いてきました。

歩行時間  約6時間15分(休憩含む)

行  程
   林道ゲート…ワラビ平…避難小屋…片藤沼…笠が岳
        0600→      0710   0800-0810   0915 →0935
         1315←     1215   1125-1135      ←1015


 奈良俣ダムから少し入った林道のゲート前に停めて歩き始める。天気はちょっと曇り気味である。最初は雑木林の中、上り下りの繰り返しが続きなかなか標高は稼げない。ときどきキノコを見つけて写真を撮る。ワラビ平の手前で単独の若者に抜かれる。スイスイと小気味よい歩きですぐに見えなくなった。至仏山まで行くとのことである。私も体力、気力、天候、時間が許せば至仏山をめざそうと密かに狙っていたのだが…

 沢の音も聞こえなくなった頃林道に出てワラビ平に到着。ここ辺りから木の根っこに掴まったりと、登りが少しずつ厳しくなってくる。時々樹林の間から展望が開けるが殆ど檜やブナ、ナラ、シラビソの木々に遮られた道である。この辺り紅葉はまだであった。そして、一気に急登を登り詰めるとドアの外れたブロック造りの避難小屋に到着。昨夜泊まったという単独の男性が朝食中であった。3人は寝れそうである。小屋の裏からは上州武尊の展望が素晴らしい。
紅葉
 どんよりしていた空も青空が見えだし、小屋を過ぎる辺りから少しずつ紅葉も見頃となった。しかし残念ながら笠が岳方面は雲がかかっている。県内一の展望も今日は駄目かなあとちょっとがっかりである。次第に道がグチャグチャとなってくる。刈り払われた笹の道、水場を過ぎるとわずかの登りで草紅葉の湿原があらわれた。池に映るオオシラビソの緑、草紅葉、ナナカマドなどが、青空に浮かぶ山頂を引き立てる。長い樹林帯の苦しい歩きが報われる瞬間である。そして水をいっぱいにたたえどこまでも澄み切った片藤沼、遠くには燧ケ岳の雄姿が見える。

山頂手前のガレ場 今まで静かな山歩きであったが、至仏山方面からの道と合流し一気に賑やかになる。10人ほどが山頂を目指している。今迄とは全く様相が変わってゴロゴロした岩場、ガレ場の急登で一気に山頂をめざす。途中見下ろす片藤沼方面はぽつりぽつりと紅葉が美しい。そして岩だらけの山頂…
 静かな山のイメージであったがなかなか人気の山らしい。賑やかにあっちの山は、こっちの山は…と生憎快晴とまではいかないが武尊方面、日光方面の山々を楽しむことが出来た。谷川方面は雲で見えなかった。至仏山への稜線が綺麗だ。でもまだまだ遠い。

 

 

山頂にてそしてみんなが下山した山頂は、桐生から来たという単独行氏と二人となり、静かな山に戻った。風が強く寒い。ヤッケを着込み岩陰に身を隠し二人で山談義、雲が忙しく流れていき、展望も天気も徐々に下り坂。至仏山はパスし下山することに決定。また静かな樹林帯の歩きである。途中、ちょっと雨がぱらぱらとなったが、すぐにやみ避難小屋から上州武尊の山並みを満喫した。下り道も結構手強い。落ち葉に隠れた木の根っこに何度かしりもちをつきそうになりながらようやくゲートに到着した。
 帰りに湯テルメ谷川で温泉に入ろうと向かったが、道路にズラッと車の列、混んでますとの係員の言葉で断念した。残念