奥妙義 山急山(五輪岩 992m) 99年1月23日(土)晴れ
山急山より冠雪した浅間山(右奥)、矢ケ崎山方面を望むまったく良く名付けたものだ。その名の通り急登の連続である。短時間で山頂に立てるものの、踏み後も少なく静かで緊張感のある山歩きを堪能できました。
歩行時間 約3時間(休憩含む)
行 程 登山口…五輪岩………山頂……五輪岩…登山口
1020 1110 1130-1225 1315
地 図 西上州・妙義(昭文社エアリアマップ15 1/20,000図
横川駅から前方に見える気になる山。その名も山急山、
裏妙山域からちょっとはずれた場所に見えるその山は標柱もなく奥妙義の秘山と呼ばれているらしい。なお、奥妙義という呼称はないらしいが、「上州路1997年7月号」にその呼称が使われている。その中で奥妙義とは「稲村山、山急山、高岩、大黒岩」などを指し、妙義山の奥の山で、表妙義や裏に属さない山域を言うらしい。こちらの特徴は、山系がバラバラで登れる山も限られている
国道18号経由で横川駅を過ぎ、碓井バイパスに入る。そして上信越道の橋梁の手前で右手に入り林道を進む。わずかでまた橋梁の下をくぐり林道を右に折れる。道は狭いが舗装されている。わずかで赤い布きれがある登山口と思われるところに着いた。車はようやく1台止められる位の広場があった。
途中の道ばたに「子供を連れた熊がこの山にいる。登山者は気を付けて」の古い看板があった。熊には鼻曲山で懲り懲りしたので早速鈴を鳴らしながら杉林の中を歩き始める。油断すると踏み後を見失いそうだがよく見ると所々赤いテープがある。わずかで杉林を抜け沢沿いの雑木林になり、747mのピークからの尾根にでる。そのちょっと手前でごろごろと何かが落ちてくる音…もしかしたら熊!! でも、石の落ちるような音だったので、鈴を大きく鳴らしながらも進む。
で、稜線にでる。
ここらあたりから砂地の急登で歩きにくい。木に掴まりながら登るが、あまり人が入らないためか枯れ木が多くうっかり掴まるとボキッといく。枯れ葉やガレ、倒木で歩きにくい。ふと前方を見ると単独行の男性が歩いていた。追いついて声をかけると入山の方から748mのピークを越え登ってきたらしい。どうも先程の音はこの人が石を落としたらしい。
で、お互いコースを確認していた時の話「どっちから?どこまで?」「山急山(ヤマキュウサン)まで…」「えっ、それこの山じゃないですよ…谷急山は…」と言う。どうも私の発音が悪く谷急山(ヤキュウサン)と聞こえたらしい。話が合わない。おかしいなあとお互い地図を出して確認する。で、その理由が解けた。単独行氏は五輪岩をめざしている。その地図には山急山という名前が載っていなく、その名前が頭になかったようだ。で、ヤキュウサンと思いこんだようである。
そこから私が先頭になる。崩れやすい急登は落石が気になる。「いいですよ〜」などとお互い声をかけながら登る。途中ロープもあり緊張する。油断すると道を間違いそうだ。でもテープは所々ある。四つん這いになりながら、見逃さないように目を凝らし登る。
そして急登を登り切り左に折れ一旦下る。このあたりは道が分かりづらい。たくさんあった目印も見えなくなる。ここらで単独行氏が見えなくなった。一休みかな…
岩に向かって小さな青いテープ。こっちだなとずるずる滑りながら登る。かなり急なチムニーの登りにはロープが張られていた。しっかり握って登るとわずかで稜線にでた。ここより左の高い岩峰が山頂だろうと登ると行き止まりで、その先にまだ高いところがあった。一旦岩を降り左に巻いて登り返してきつい登りを一気に上り詰めると三等三角点のある横に長い稜線にでる。ここが山頂だな…よし、控えめな山名板もある。間違いない。一人の山頂は静かだ。まずは家で待つ妻に無線機で「熊にも出会わなかった、無事到着、展望最高」と連絡を入れる。
展望は背の低い雑木でちょっと見づらいが、冠雪した雄大な浅間や浅間隠、鼻曲山、妙義の山々、八つの赤岳や金峰山方面もバッチリだ。勿論榛名方面も見える。コンビニで仕入れたケンチンうどんを食べながら素晴らしい展望にうっとり…
尾根は更に西に続いておりちょっと偵察。中尾山の方まで道は続いているようだ。急な下りの手前は浅間山の展望が更に素晴らしいビューポイントだ。
で、山頂まで戻りくつろいでいると西の方からガサゴソとなにやらただならぬ音…
まさか、こんなところで熊じゃないよな…逃げ腰になり様子をうかがっていると、先ほどの単独行氏が低木をかき分けながら歩いてきた。どうも先ほどのチムニーの所の登りが見つけられず岩峰を左に巻いて西の方から登ってきたとのことである。地図を見るとどうもこちらの方が正解らしい(^^; でも、同じ山頂に着いたんだから良しとしよう。あっちの山はこっちの山はと話が弾む。
静かな中にも楽しいひとときが過ぎいよいよ下山開始。単独行氏と一緒に道を確認しながら降りる。下りは登りよりやっかいだった。
久しぶりに西上州の魅力にふれた山歩きであった。ルリビタキやリスに出会えたし、しかの声も聞くことができた。単独行氏からは表妙義の金鶏山、筆頭岩にも登れることを聞いた。今度挑戦してみたいなあ。でも、金鶏山は登山禁止となっている。理由はなぜかなあ?厳しい岩なのかな?登山口とか禁止理由とか知ってる人いたら教えてください。