人知れずそびえる岩峰 ツツジが満開、西上州 大津

                         1995年4月30日(日)  曇りのち晴れ


 Fの仲間達(といっても初対面の人たちばかりだが)で開催の、アカヤシオ満開の大津山行に参加した。静かな山峡に楽しそうな笑い声の絶えない楽しい一日であった。我が家は、3人で参加した。

     里宮橋…大津取り付き…尾根上…山頂手前岩峰…大津…大津取り付き…里宮橋
      10:40  11:30-11:45 12:05   12:30   12:45ー14:50 15:30ー15:45   16:03


  昨夜来の雨が朝方まで続き、初めてのオフ参加が中止でもなったらいやだなあと眠れない夜を過ごしたが、どうにか家を出るときには曇り空となっていた。
 たっくんは友達との約束でどうしようかと迷っていたが、結局山に行く事になった。Fの人たちとは初対面であり、どんな人たちだろう、どの程度の山だろうとちょっと不安であった。ただ、山については、「2時間登頂の山」を買ってきて見たところ、アカヤシオが綺麗で岩峰もあり、楽しめそうな山だなと思った。

 待ち合わせの甘楽PAには予定より早く着いた。待ち合わせといっても知らない人ばっかりで分かるだろうかと不安であった。たっくんと山の話等していたところ、近くにいた男の人から「Fの人ですか?」と声をかけられた。
 「そうですが」「Yです」とのこと。ああ〜よかった。これでどうにかはぐれる心配だけはなくなった。少ししてOさんも合流した。「挨拶」。その後高崎からの合流組が予定より15分位遅れて到着した。幹事のYTさん、髭のかっこいい男性(後でHさんと分かった)Sさん、その他老若男女の集団であった。次の合流地点、下仁田インターで他の組と合流する。Nさん家族他である。

 全員揃い、YTさん先頭で下仁田の町を抜け、雨沢を左に分岐し林道を里宮橋まで走る。車高の低い我が愛車は底をゴツンゴツンとこする。程なく里宮橋に到着、路肩に並んで駐車し、登山準備が整ったところで簡単な自己紹介を行う。ここで初めてみなさんの名前がわかった。

 10時46分登山開始、杉林の中を歩く。少しすると左手には大仁田川が爽やかな音を立て流れている。前夜の雨のせいか、水量が豊富だ。52分頃少し下ったところで木橋がある。ちょっと怖そうな橋だ。用心して渡る。自信のない人は橋を渡らず沢の狭いところを渡る。「おっとっと」一人滑りこける。石が滑りやすいようだ。妻も用心して沢を渡る。子供もおり、歩くペースはゆっくりである。

 その後数回、木橋が出現し右岸、左岸と忙しい。だが最初の橋みたいに怖くはない。新緑が綺麗だ。このころは杉林も終わり雑木林となっている。YTさんが、草花の説明をしてくれる。黄色い「ヒカゲツツジ」、白い「ひとりしずか」、紫の「ハシリドコロ」等々よく知っている。感心する。ハシリドコロは猛毒だそうな。

 11時20分ごろ、右手に大きな岩があり、下を通ったとき首筋に水滴がポタンと落ちてきた。う〜ん、気持ちいい。所々に馬頭観音や石碑が見える。その昔、この道は馬での物資輸送路であったそうだ。よくこんなところを通っていたなあと感心する。このころになると、少しずつペースが乱れ数組のグループになっていた。たっくんは先頭集団で頑張っている。Sさんにくっついて歩いている。気に入ったようだ。親と一緒より他人との方がグズグズ言わずしっかりしているようだ。やはり親と一緒では甘えがでてしまうのだろう。

 30分頃YTさんが「先頭、スト〜ップ、そろそろ大津の取り付きの分岐だぞ」と声をかける。倒木が通路を横切っているところをくぐるとわずかで分岐に着く。ここで休憩だ。沢の音が気持ちいい。顔を洗う。冷たい。全員が揃う。
 さあ、いよいよ左に分岐した急登だ。先日の雨で道が滑る。立木につかまり一歩一歩進む。道はテープがあり分かりやすい。全員のペースがおちる。休憩の回数が多くなった様だ。Nさんちの女の子はズボンを真っ黒にして滑ったりして遊んでいる。元気だ。どうも子供の方が大人より元気がいい。たっくんもまだ先頭グループで頑張っている。

 約20分で明るい尾根にでる。左右の木に遮られ展望はいまいちであるが、所々開けたところがあり遠くの山が望める。やがて右の岩場にでる。アカヤシオの花が迎えてくれる。「綺麗だなあ」「うわ〜」「すご〜い」との声。岩場は狭いため4人くらいづつ交代で鑑賞する。展望も良い。「たぶん、あの雲の上にちょっと頭をのぞかせてるのが浅間山」とKさん。山々の景色が素晴らしい。昨夜の雨からは想像もできない好天に恵まれた。これより上り下りが続く。今までは登りばっかりで皆かなりくたびれてたがあちこちで賑やかに声が弾む。雑木林のトンネルを進む。

 12時33分、1082mのピークに到着。これより急坂を立木につかまり下る。ちょっと油断すればスッテンコロリだ。花が綺麗だ。前方の岩峰が綺麗だ。抜群の景観。ロープが張っている。「あまりロープに頼らないで」と声がかかる。わずかで鞍部にでる。「タラの芽だあ」と声がかかる。KUさんが採る。
 前方の岩峰にOKさんが偵察に行く。ちょっと全員の登頂は難しいらしく、鞍部より少し登ったところで昼食とする。おもいおもいに場所を確保する。せっかくだからと岩場への登頂をあきらめきれず、OKさんが岩にザイルでルートを確保する。有志のみ登頂する。ルートさえ確保できれば後はラクチンだ。10人ほどが登る。下からはRさんがビデオ撮影している。ここからも岩肌のアカヤシオが抜群の景観だ。しばらく堪能した後降りて食事とする。

 先ずはビールで乾杯。初参加のHOさん、酒呑童子自己紹介の後、全員が賑やかな自己紹介を行う。みんな愉快な人ばかりだ。楽しい時間が過ぎていく。おっ、Sさんがワインを持ち出してきた。Kさんは日本酒だ。YTさんは幹事として、天候に恵まれ、また、花も時期がちょうど良く気分をよくしている。早速次回渡良瀬オフのPRをしている。KUさんが登る途中で収穫した山菜をさっそくお浸しにして料理し振る舞っている。皆より「うま〜い」との感嘆の声。

 予定下山時刻をすぎても話題さめやらずである。14時55分名残惜しくも下山開始、アルコールのせいか皆口は軽いが足取りがおぼつかない。慎重に歩く。OKさんは途中で未登頂の岩に寄り道だ。しかし、元気いっぱい、すぐに追いつき戻ってくる。

 下山は同じルートを下る。尾根よりの急登したところは下りは閉口するだろうなあと思っていたが以外とスムーズに降りる。たっくん達先頭グループは全く見えない。
15時じ45分、取り付きの沢にでる。ここで一休み。先に着いたたっくんたちは沢にはいって遊んでいる。子供はいいなあ。疲れ知らずみたいだ。大人達は沢で冷やしたビールを飲んでいる。16時3分出発、下山時は花、景色を撮しながら降りる。(後日現像したがあまり写りが良くなかった。くやしい、腕を磨く必要あり)沢の音を聞きながら快適に歩き16時40分里宮橋に到着。登山靴を脱ぎ、汗をかいたシャツを着替える。スッキリ爽やかだ。

 全員が揃ったところで再会を約束し解散する。これから東京、神奈川、茨城方面に帰る人あり。遠くからきても価値ある一日であったと思う。初めてのオフ参加も無事終える事ができた。たっくんも友達ができ楽しかったみたいだ。連れてきて良かった。また参加したいといっている。YTさん、Sさんが非常に気に入ったみたいだ。