西上州 大岩・碧岩  2000年4月29日(土)晴れ

三ツ岩岳から望む大岩

三ツ岩岳から西方面に聳える大岩、そしてその更に西にある碧岩(みどりいわ)。神々はまずこの頂に降りたって、村々の社にお着きになり、天に戻っていく時は、この頂に集まって帰ると古人は信じていた。
神々が宿る山
とあがめていたらしい。そんな岩峰から夕日を眺めようと、歩いてきました

【行 程】 熊倉登山口…三段の滝…碧岩………大岩…碧岩分岐…三段の滝…登山口
       1425     1450   1550-1615  1640-1825       1845     1905
【地 図】 1/25,000図  十国峠    西上州・妙義(昭文社エアリアマップ15)


三段の滝登山口はトイレも完備され5〜6台は駐車可能。そこから沢沿いに三段の滝をめざす。登山開始が14時25分と山登りにしては、とても遅い出発である。下山してくる人達に「今からですか?」と怪訝な顔をされる。

そうです、私は今から登るんです。今日の目的は、山頂から沈む夕日を見ることに有るんです。以前野峰さんが遅く下山した時に、日暮れ時の光景が素晴らしかったというのを耳にして、胸につかえていた欲望が現れてきたんです。そんなわけでこの時間でもちょっと早いくらいです。

余裕を持っての歩きです。三段の滝は落差50m、新緑に白い飛沫や優雅に落ちる水が映えます。しばし眺める。そして滝のそばの急な登りです。しかし急な登りはその先もまだまだ続きます。ところどころ鮮やかな紫色のツツジが目を楽しませてくれます。こちらはアカヤシオが少なく感じました。
大岩から立岩方面を望む
少し疲れたかなと思う頃、左手に豪快な碧岩が出現します。まず碧岩に登る。分岐から約15分、ロープもあってかなり急な岩場の登りです。頂は素晴らしい展望が待ちかまえていました。眼下には風情のある集落が見えます。遠くには浅間山や西上州の山々が連なります。特徴的な山は、兜岩山から立岩、毛無山、トヤ山方面です。荒船山から黒滝山まで繋げて歩きたい欲望がわいてきます。

さあ、大岩をめざそうと分岐まで戻ります。三ツ又までわずかの登り、そしてちょっとした上り下り、最後は岩稜の尾根歩きで大岩山頂です。ここもまけず劣らず劣らずの展望です。双眼鏡で見るとやはり三ツ岩岳のアカヤシオが一番見事に見えます。
大岩山頂はまだつぼみが多く、アカヤシオは少し早かったようです。今の見頃は標高1,000m位までのようですね。

目的の日没まではまだまだ時間があります。スケッチをしたりしてのんびりと落日を待ちます。この時間ですからもちろんたった一人で山頂独占です。携帯で妻に「夕日見て下るから帰りは遅くなる」と連絡を入れます。このあたりツーカー碧岩でも大丈夫でした。
そして本日のクライマックス、少しずつ日が落ちていきます。周りの山々が暖かい色に包まれていきます。遠くの山の稜線に日が沈もうとする今、眼前の碧岩がシルエットになって厳かな雰囲気に包まれます。
まるで神様が降臨していくような


写真に撮りましたが、デジカメではこの光景を伝えることはできないでしょう。もちろんカメラの性ではなく腕も問題ありですけど(^^;

さあ、目的の夕日に沈む山々を堪能しました。後は安全に下山するだけです。まだ空が明るい内に急いで下ります。途中、碧岩方面の空が照り返しのオレンジ色に染まっています。感動の光景です。ヘッドランプは準備していますが、まだ道は見えます。急な下りは、是非とも明るい内に下りたいとスパートをかけます。そして超特急で三段の滝に到着。まだライトは、いらないようですが折角ですから雰囲気を楽しもうと、足下を照らしながら下りました。駐車場には我が愛車が寂しそうに待っていてくれました。