西上州 奇岩の妙義・金洞山 1995年10月15日(日)晴れ
約一ヶ月前に、久しぶりにたっくんが「山に行こうか、行くなら妙義山がいい」と嬉しいことを言ってくれた。その約束の日、幸い天候は晴れ。紅葉にはまだ少し早い奇岩、怪石の妙義山を堪能した。
中之岳駐車場…登山口…第4石門…大砲岩…第4石門…金洞山…中之岳神社…駐車場
0740 0915-0930 (時計を忘れこの間不明) 1150 1352 1355
このコースは約2年前に一度訪れたことがあるが、道路から眺めるそそり立つ岩峰には度肝を抜かれたものである。前回たっくんは金洞山直下の鎖場におそれをなして登れなかったが、今日はどうであろうか。
登山口近くの駐車場に車を停め9時30分出発する。切り立った崖が登行欲をそそる。まず「カニのこてしらべ」と名付けられた鎖場を過ぎ巨大な第1石門だ。次に「カニのたてばい」「つるべさがり」の急な鎖場の第2石門を慎重に通過する。たっくんは、「これが楽しいんだよね」何ていいながら緊張した顔だ。
ふと後ろを振り返るとなんと短いスカートの妙齢の女性が悪戦苦闘している。後ろから同行の男性がエスコートしているが、足も開かずあれでは無理だろうと思っているとついに断念し迂回ルートをとるためか、後退してしまった
程なく第4石門に到着。沢山の観光客+登山者で賑やかだ。ここまではルートを選べば高齢者でも、登山の装備でなくとも比較的簡単に登ることが出来る。帰りに見かけたが赤ちゃんを抱っこした若いお母さんがミルクを飲ませながら登ってきたのにはビックリした。石門越しに大砲岩、ゆるぎ岩が見事に眺められる。自然の造形は何とも素晴らしい。ところどころ紅葉した木々が色を添える。
第4石門から僅かで数カ所の鎖場で「大砲岩」だ。前方には「ゆるぎ岩」後方には「天狗の評定」「胎内くぐり」と名の付いた奇岩が聳える。大砲岩に立ち記念撮影だ。景色は最高だが下を見下ろすと身が竦む。たっくんは、怖いもの知らずで各岩を行ったり来たりしている。見ている方が怖い。「慌てないで、ゆっくりだぞ、そこから先は駄目」等と注意しているだけで疲れてしまった。
「日暮らしの景」を満喫し、第4石門まで戻り金洞山をめざす。中之岳神社からの合流地点にある登山届けのポストを過ぎ、紅葉で色づいた雑木林の道を快適に歩く。第4石門までの喧噪が嘘みたいに静かだ。頂上直下殆ど直角に切り立った絶壁の20mはあろうかという鎖場は豪快だ。
前回登った時、たっくんはここで断念となった。「どうする?」「登る」「降りるときの方が怖いぞ」「大丈夫」。登ることに決定、後ろから「一歩ずつ、ゆっくりゆっくりだぞ」、割と簡単に登っている。「やった〜、頂上だあ〜」1人の男性がくつろいでいる。聞けば11時50分とのこと。なんと今日は時計を忘れてきたのだ。
山頂からの展望は靄のためかすっきりしないが、裏妙義の山々その他満足できる展望だ。しかし、たっくんが狭い岩場で遊び回りそちらが心配で山座同定で展望を楽しむ余裕は無かった。ちょっと身を乗り出すと垂直な岩峰だ。途中から半袖Tシャツになったが、風もなく暑い。ビールを買ってこなかったのが心残りだ。
ここから先に進めば相馬岳、白雲山への縦走コースだが、危険なため一般登山者は進入禁止だ。それなりの技術、体力、装備が必要らしい。今日は子連れであり次回は挑戦しようと心に決め下山とする。さすがに下りの鎖はしんどかった。足の置き場が子供にはちょっと幅広く、たっくんの顔に日頃見ないような緊張が見える。私が先になりエスコートする。親子一体感となったひとときだ。
無事降りたところで、下で見守っていた中年のご夫婦に拍手で迎えられる。たっくんも満足げだ。これから登るご夫婦にエールを送り一休みだ。見てると奥さんは途中で断念、男性だけ登ることにしたようだ。これからは一気に下る。途中から中之岳神社へのコースをとる。見晴台には相変わらず大勢の観光客だ。神社前の長くて急な階段を下り無事駐車場着。天狗岩に登っている人が豆粒の様に見える。こうして親子水入らずの楽しい登山は「今度どこ行こうか?」の回答を得ないまま終了した