鷹戻しは手強いぞ!表妙義縦走を堪能
表妙義縦走に挑戦しました。昨年挑戦したときはただひたすら鎖場に緊張し山を楽しむという余裕はありませんでしたが、今年もその緊張感を味わいたくじっくりと楽しんできました。とはいってもやはり鷹戻しの鎖場は手強かった。
【登山日】 1996年11月16日(土)晴れ
【山 名】 表妙義 相馬岳(1,104m)、金洞山
【同行者】 単独
【行 程】 金鶏橋駐車場…妙義神社下…大ノ字…見晴…白雲山…相馬岳…
0550 (ヤマビコ号) 0605 0640-50 0715 0730 0840
鷹戻し…東ノ岳…西ノ岳…第四石門…一本杉…駐車場
1020 1100-15 1145-1230 1250 1330
【参考書】 アルペンガイド5 奥日光・足尾・那須
【地 図】 西上州・妙義 昭文社エアリアマップ 1/20000図
先日朝寝坊して縦走の計画が不意になり、やむなく中間道歩きに変更を余儀なくされ団体さんの混雑に巻き込まれ閉口したので今回は頑張って早起きしました。朝まだ暗いうちに金鶏橋の駐車場に到着。今回もやまびこ号の登場だ。颯爽と朝焼けの中、妙義神社下駐車場をめざす。駐車場にはテント泊の人が…縦走する人達であろうか
朝焼けで紅葉した木々の色が更に鮮やかに見える。大の字から奥ノ院をめざす。そしてさっそくクサリ場だ。冷たいクサリに緊張が走る。そして見晴しだ。裏妙義方面の眺望がよい。浅間山山頂は雲のためちょっとはっきりしない。冠雪はしているようだ。これよりいよいよ縦走開始だ。まずはちょっとしたクサリ場を過ぎ白雲山頂に到着。昨年見逃した山頂である。玉石手前の岩峰の上に小さな標識があった。次に大のぞき、天狗岳の岩壁に圧倒される。あんな所どうやって登るんだろうかとびっくりだが、最初にルート開拓した人はたいしたものだと感心する。スベリ台状の長〜いクサリで下る。かなり緊張するが、無事キレットに到着。これからはクサリも一休みで相馬岳に到着だ。
相馬岳は縦走路中最高峰らしい。360度の眺望とはいかないが浅間山の雄姿や、裏妙義、そしてこれから望む金洞山、星穴岳が木々の間から望まれる。さあ、これからが縦走コースの正念場だと気合いを入れる。茨尾根から自然歩道分岐を過ぎ昨年はここらでコース間違ったんだなあと慎重にそこを通過しクサリ場のトラバース。そして何気なく進んでいたらどうもおかしい。ほんの2分ほどだが女坂の方に踏み込んでしまっていた。慌てて戻り遭難碑の所を慎重に通過。ちょっと緊張するところだ。そして本日のメイン鷹戻しに到着。クサリ、梯子、ロープでほとんど90度と思われるような急角度で屹立する岩場を登る。途中強風が吹いてきたときはさすがにびびってクサリにじっとしがみついていた。なんか昨年より腕がしんどかったような気がするが年のせいであろうか?
ちょっと進んで次は下り。登りより下りの方が怖い。ここのクサリは太過ぎて手になじまない。思わず力が入ってしまう。2段目のクサリは手頃だが引っかかりがよく見えない。足でまさぐりどうにか降りることが出来た。腕がいっぺんで疲れてしまった。ああ、こわかった。次は東之岳だ。手前にクサリが欲しいなあと思うようなちょっとした岩場があるが手がかりを見つけて無事通過。登り切ったところで今日初めて登山者にあった。中之岳には数人が眺望を楽しんでいる。昨年はここで膝が痛くなったが、今年はあまり寒くないせいか持ちこたえている。
眼下の大砲岩も上から眺めると迫力がないなあと感じる。でも実際登ってみるとあの緊張感は格別だ。あちこちに蝋燭のような岩が屹立している。妙義山ってどうしてこんな感じの山が出来たんであろうか?不思議である。しばし休憩の後中之岳に到着。ここの下りは結構急角度のクサリ場だが、足場はしっかりしており問題ない。そして西之岳をめざす。ちょっと緊張する右も左も切れ落ちた幅1mくらいの馬の背の様なところ、風が吹いたら怖いだろうなあと慎重に通過。後は2カ所ほどロープに助けられ山頂に到着。こちらからは縦走したコースの全容が見渡せる。デコボコの山容に、えっ、あんな所歩いてきたのかと我ながら感心する。光線の具合も良く岩肌の陰影が素晴らしい。バシャッ、バシャッと写真を撮る。傑作が撮れたであろうか。
西には星穴岳の岩場がボコボコと屹立している。時間も早いので行ってみようかなあと道を探すが、見あたらない。こちらからは行けないみたいだ。地図にも星穴新道はとっても危険だよ、熟達者以外いっては駄目だよって書いてある。諦めてちょっと戻ったところで眺望を楽しむ。夫婦連れがロープのところで奮闘している。あっちの方が登りやすいですよと教えて上げたがどうにも上手く行かない。そのうちロープの無い方から頑張ってよじ登ってきた。やるもんだなあと関心したが下りはどうするんだろうかとちょっと心配だ。そして地元富岡の単独行氏が登ってきた。しばし話が弾
む。で、下を見るとまた別の夫婦連れが頑張っている。「お父さん、こっちから登ってみたら」「いやあ、無理だなあ、荷物置いて登ってみるか」「危ない危ない、お父さんもういいよ。やめよう」と遂に諦め下っていった。
さあ、思いっきり楽しんだし下山するかと単独行氏とどこかの山で再会を約し分かれる。わずかの下りで第4石門、そして石門入り口に出る。ちょっとの林道歩きで大沼小沼さんが歩いたという一本杉への道に入る。ここはまだまだ紅葉が楽しめた。逆光にさえる赤いモミジやその他の葉っぱがみずみずしい。岩場の緊張感も素晴らしいがゆったりと景色を楽しみ歩く樹林帯もまた妙義山の魅力である。鼻歌を歌いながら満足の気持ちで駐車場に到着。神社下でやまびこ号を拾って久々のクサリを堪能した山行は終了した。次は裏妙義を御岳、丁須の頭、三方境から入牧橋経由で挑戦してみたいなあと考えています。
