大混雑の表妙義・中間道ハイク
久しぶりに鎖場の緊張感と、今年最後の紅葉を満喫したく表妙義縦走を計画した。しかし……
【登山日】 1996年11月2日(日)曇り時々晴れ
【山 名】 妙義山 表妙義・中間道
【同行者】 単独
【行 程】 石門入口…妙義神社駐車場…妙義神社…大ノ字……第一見晴…
1100 1120-1125 1208-1215 1330
第二見晴…あずまや…大砲岩…第四石門…石門入口…駐車場
1340-1355 1420 1515 1550 1605
【参考書】 アルペンガイド5 奥日光・足尾・那須
【地 図】 西上州・妙義 昭文社エアリアマップ 1/20000図
仕事疲れか、遊び疲れか、はたまたはっきりしない天気のせいか、複合的な要因で目覚ましはなったものの、起きたのは7時過ぎ……これでは縦走は無理である。急遽「中間道」歩きに計画変更しもう少し惰眠を貪る。
中間道なら軽いハイキング程度であり、9時15分伊勢崎出発。しかし遅い出発ので途中渋滞に巻き込まれ、奇岩怪岩を車窓にようやく10時55分中之岳駐車場に到着。なんと満車で停められない。やむなく石門入口付近の路肩に停める。
今日は極楽蜻蛉さんの真似をして愛車「やまびこ号」の登場だ。前輪を外し、ようやく後部座席に押し込んだ自転車(マウンテンバイクにはほど遠い旧式のスポーツタイプ5段変速)を取り出し、妙義神社の駐車場までおよそ20分爽やかな冷気を受け突っ走る。殆ど下りでペダルを漕ぐ必要はない。怖いくらいにスピードがでる。今日は「妙義ふるさと祭り」が開催されており賑やかだ。やまびこ号をデポし妙義神社の長〜い石段を登る。お〜きな杉の根っこのせいで石段もくねっている。沢山の観光客で賑わっている神社の脇から大ノ字をめざす。神社からは神楽の曲が流れ心を和ませてくれる。
杉から雑木林に変わるがまだここらは紅葉はちょっと早そうだ。先日の雨で滑りやすい道を急登し「大ノ字」と呼ばれる展望台下に到着。鎖場に長い列が出来ている。前の人達は10分程待っているとのことだ。諦めようと思ったが折角だしと列の後方に着き5分ほどの待ちで取り付くことが出来た。岩は湿っており滑りやすい。この混雑と岩の状態では、縦走を中止して正解だったようだ。この後も渋滞に悩まされるとはまだ知る由も無し。展望台からは山麓の眺めが素晴らしかった。
混雑も予想されるため早々に退散、奥の院との分岐を第一見晴方面に下る。またまた鎖場では大渋滞である。あ〜あ、いやんなっちゃった。まだ前半でこの調子じゃあ……昨年逆コースで歩いたときは殆ど人が居なく猿軍団にびっくりしたのも懐かしい思い出だ。今日は人が多いせいか、猿の声すらしない。大黒の滝で喉を潤し、樹林帯の平坦な道を過ぎ、そして第二見晴に到着。金鶏山の岩峰が見事だ。ここら辺りから紅葉が旬である。ちょっと登りがきつくなる。愛嬌のある「本読みの僧」でようやく中間道中間点である。
しかし、またまた40人はあろうかという団体さんだ。一向に進まない。のんびりしたもので、反対側から待ってる人が居ても写真を撮りながらワイワイガヤガヤと気楽なものだ。待ってる人を先に行かせるでもない。整備されたハイキング道といっても幅は狭く片方はかなりな斜面、すれ違いザックが当たったりして運が悪ければ転落も予想される。追い越すに追い越せずいらいらがつのる。
そうして私も団体の一員のような感じでずっと一緒の行動となる。今日はこのような大人数の団体が数組あった。離合するときなんか大変なものである。縦走コースもかなり混んでいるだろうなあ。行かなくて良かった。また静かなときに行くかな等と思いながら、まあ、こうなったらしょうがないやと諦めて紅葉を愉しみながらテクテクと歩く。登りもきつくなってきて、圧巻は鉄の長〜い梯子だ。ひーこら、ひーこらとしんどい登りだが、素晴らしい景観で疲れはそれほどではない。大きな岩庇からしたたり落ちる水が心地よい。
そして本日のメインである素晴らしい自然の造形「大砲岩」「天狗の評定」「ゆるぎ岩」…鎖を使って取り付くがここも大盛況である。よくもまあこんな岩が出来たものだと感心する。いつまでも飽きない光景だ。風もなく薄曇りでのんびりと眺める。あちこちの岩には仙人でも済んで居るんでは無かろうか。そんなことを考えながら大砲岩に登ってしばし絶景を鑑賞する。素晴らしい!!
ベンチのある第四石門の巨大な額縁に納まった大砲岩の光景も見事なものである。あの筒先はどこを標的に狙っているんであろうか?そして今日の最後の大混雑地帯、第二石門のつるべおとしとカニの横這いの鎖場だ。鎖は新しく心配ないが、渋滞で足場の不安定なところで数珠繋ぎにしがみついているのは疲れるものだ。ようやく最高点に達し、前方を見るとおばさんが必死に下りで格闘中である。連れのおじさんが「足をそこの出っ張りに、鎖を離すな、ゆっくりでいいぞ、そうそう、もう少しetc」と励ましている。私も頑張れと心の中で声援を送る。と、反対側から来た一人
のおばさん「上り優先ですよお」といって強引に上ろうとする。後方で待ってるみんなから非難の声「危ないですよ。のぼっても後ろ詰まってて行けませんよ」「ちょっと待って上げたら」「こんな時上り優先なんて関係ないでしょう」…連れの男性は鎖を使わず強引に登ってきた。何とも危なっかしい。そんなハプニングがあったものの無事通過、そして大きなアーチ状の第一石門をくぐり紅葉に彩られた妙義中間道のハイキングは幕を閉じた。
これより車で妙義神社下まで戻り「やまびこ号」を回収し帰路についた。
妙義神社からは登りが多く紅葉を愉しむのが目的であまり疲れるのは嫌だと言う人は中ノ岳からの逆コースをお薦めします。でも、神社から道路を歩いて登るのはかなりの坂で来れも疲れるでしょうね。自転車利用でも今回の逆コースはちょっとシンドイと思います。紅葉は標高が低いためかもう少し楽しめそうです。
