西上州 鍬柄岳はスリル満点、でも大桁山は…
1997年11月24日(月)晴れ
スリルあふれるミニ岩峰の鍬柄岳(地元では石尊山と呼ぶらしい)、どっしりした山容の好展望の大桁山とのキャッチフレーズに以前から候補にあげていた山。でも折角西上州まで来てここだけじゃあ物足りない。どこかのついでに登ろうと温存していた山である。で、御堂山の帰りに寄ってきました。
鍬柄岳登山口…山頂…分岐…林道…千平駅への分岐…山頂…川越石峠…登山口
1110 1135-50 1207 1215 1235 1255-1335 1420
登山口のちょっと先に車を停める(3台くらいは可)少し先からは堂々とした岩峰がそそり立っている。いやあ、あそこに登るのか、展望も良さそうだなあと気もそぞろで銀杏の落ち葉を踏みしめ登り始める。単独行氏が前を歩いている。杉林を5分程歩く。小さなお堂、登山道やお堂の屋根が銀杏の落葉でまるで別世界のような雰囲気を醸し出している。右手に大きな銀杏の木がお堂を守っているようだ。
そのあとは岩峰の基部までひたすら杉の樹林帯で景観はいまいちだ。しかし、岩峰では最初から鎖場の連続で緊張する。ステップはしっかりしているので鎖を持たなくても三点支持で登れないこともないが断崖絶壁、落ちればアウト!!である。慎重に登る。そして細長い岩稜に出て籏のひらめく山頂に到着。どちらを向いてもすっぱりと切れ落ちた崖…信仰の山らしく数個の石祠、よくもまあこんな場所まで持ち上げたものだ。信仰の力侮るべからずだ。
展望は鹿岳、四つ又山、物語山等々西上州の山々がオンパレードだ。眼前には大桁山がどっしりとした山容を見せている。しかし樹林帯ばっかりであまり面白そうな山には見えない。だが、山頂からの展望は期待できるらしい。じゃあ行くかと腰を上げる。山頂のわずか下に左に降りるワイヤーの張られた道があった。しめしめ、近道かなと慎重に降りるが岩棚を降りるとまた石の祠、いやあ、こんな所にも…
更に先に行けそうだと進むが遂に進退窮まる垂直の絶壁。ここは道じゃないなとおそるおそる戻る。どうも祠までの道のためにワイヤーを張ったようだ。
往路の鎖場を下りきったところの石杭の分岐(通行止めの様に小枝で通せんぼしている)から岩峰の左を巻く。地図では崩壊地、破線となっているが少し藪っぽいものの問題なく歩ける。わずかで先ほど下ろうとした岩峰の直下に到着。首が痛くなるほど見上げなければならないほどそそり立っている。いやあ、無理しなくて良かった。そして林道に到着。鉄梯子で再度山道に入る。道はあまり踏まれていないが迷子になるほどではない。草の実がズボンに一杯くっついている。これからいやになるほどの杉の薄暗い樹林帯。頂上までこの調子かなあとちょっとがっかり…
で、また林道に出る。まだ工事中みたいだ。道が分からなくなる。見回せば杉の木に白いビニール紐、ああ、良かったこっちみたいだなと歩き始めるとあっちこっちにビニール紐…登山の目印じゃ無いみたいだ。でもどこからでも歩けそうだしそうしようかと思いながら林道を少し右手に歩いてみる。すると正規の登山道の標識(大桁山−千平駅)があった。ほっと一息、関東ふれあいの道にでて丸太の階段をえっちらおっちらと歩き6人ほどがベンチに陣取る山頂に到着だ。
山頂はまあまあ広く気持ちよい。前方には榛名山がどっしりと構えている。妙義山はここからはちょっと見にくい(もう少し先に行くとよく見える)榛名の右手には冠雪した山々がうっすらと見える。谷川方面のようだ。後方には西上州の山々が木々の間から見える。たぶん八ガ岳や御座山も見えているんであろうが明確ではない。先着の人達が地図を片手に山座同定を楽しんでいる。しかし、思ったほどの展望ではない。展望目当てなら面白くもない杉林の中、苦労してくるほどではないと思った。鍬柄岳で出会った単独行氏が登ってきた。どうも川越石峠の林道経由で来たようだ。やあ、と挨拶する。あれっ、何で先にいるんだろうと言うような意外な顔つきであった。
さあ記念撮影も終わり下山開始、帰路は長い林道歩きだ。ただひたすら歩く。途中元気を出して小走りになる。途中、山頂で出会った単独行氏を追い抜く。駅までとのことだ。挨拶して通り過ぎる。無事車に到着、お堂の銀杏の撮影に行こうと準備してると単独行氏が到着。「じゃあ、駅まで乗っけていきましょう。」と声をかけると「ありがとう、じゃあ一緒に銀杏も見に行くかな」と意気投合。お堂の銀杏は太陽が当たってないためいまいちであったが、黄色い絨毯にうっとりのひとときであった。そして駅まで送り帰路についた。