花、はな、ハナの笠丸山
2000年5月4日(木)晴れ

笠丸山山頂



3年前のちょうど同じ日、ガスに煙る山頂にたった。アカヤシオは沢山咲いていたが、展望ないまいちであった。
今年は花付きがよいようだし、展望も期待して、妻と久しぶりにのんびり歩くことにした。









行程  住居附登山口…地蔵峠…笠丸山北峰…南峰…登山口
     0845             1005-1125       1255
地図  昭文社エアリアマップ 西上州・妙義 1/60,000図

万場から望む二子山こどもの日を前に、クネクネと曲がりの多い国道299号線、神流湖を左に見て安全運転で進む。そして沢山の鯉のぼりのはためく万場町を過ぎると左に圧倒的な岩峰の二子山がそびえ立つ。そして国道を離れるとのどかな山村風景が現れる。住居附とかいて「すもうづく」と呼ぶ。このあたり、乙母とか乙父などと変わった名前が目に付く。名前の由来は何かなあ等と考えながら、登山口着。
今日は好転のためか、沢山の車である。登山口から少し入った路側にとめ登り始める。夫婦で登るのは久しぶりだ。山菜はないかなあなどとおしゃべりしながら登る。するとさっそくタラの芽ゲット。幸先良いなあと思ったが、これが唯一の今日の収穫だった。他にウドらしき物があったが二人とも自信がない。匂いをかいでも「う〜ん?」君子危うきに近寄らずで、先に進む。


北峰へ向かう尾根沢沿いに緩やかに登る。シロバナエンレイソウやハシリドコロ、ニリンソウなどが目を楽しませてくれる。それにみずみずしい新緑や小鳥の鳴き声が疲れを忘れさせてくれる。カラマツ林を過ぎるとちょっとした急登、そしてひとがんばりで大きな木の根本に祀られた地蔵山が迎えてくれる。ミツバツツジが萌えている。これよりいくつかのピークを越えながら尾根道を進む。徐々にアカヤシオが顔をのぞかせる。そして目指す山頂が見えた。

遠くから見る山頂はとんがっており、沢山の人達の声が聞こえる。山頂直下の岩峰あたりからは花のオンパレード。左に回り込み花びらを浴びながら木の根っこや岩につかまりながら急登、鞍部に出て一息で北峰に到着。狭い山頂は人でいっぱい…花より多いんでは(^^;
すみの方に場所を確保してまずはコーヒータイム。素晴らしい展望と沢山の花、人がいなければ最高だが、人気の笠丸山とあってはしょうがないかなと眼下を眺めると、まだまだ続々と登ってくるのが見える。


ヒカゲツツジこの山はヒカゲツツジも多い。結構日の当たるところに咲いているのでヒカゲツツジとはちょっとしおれ気味…でも何とも言えない黄色はやはりいいものだ。妻も沢山の花々で満足の境地のようだ。昼寝したり、無線をしたりしてすごす。折角登ってきたのに急いで記念撮影してそそくさと下る人もいるかと思うと、いびきをかいて寝ている人もいる。わが妻はCDで音楽を聴いている。山で音楽もちょっとねえと思うが、まあ、自分の世界に浸っているから干渉せずである。

山の楽しみは人それぞれ…いいなあ、春の花の山は…などと思っていると、なんとハイヒールを履いたご婦人が登ってきた。これには山頂でくつろいでいた人達も唖然としていた。えっ、あれで登ってきたの?、足、大丈夫かなあ、危ないなあetcと小さくつぶやく声でざわつく。連れの男性は運動靴である。登りは良いとしても下り大丈夫かなあと人ごとながら心配になってきた。


二子山方面を望むさて、のんびりしすぎたので下るとするか。5分ほどで、祠と山頂標識のある南峰に到着。こちらは展望はあまりないが、アカヤシオ越しに両神山が望めた。こちらには酔っぱらい集団がたむろしていた。

さきほどのハイヒール婦人もこちらを下ったようである。今日一番の険しい下り。木の根の露出した下りはなかなか厳しい。妻は下りが苦手、でもストックを二本使っているので、いつもよりはスムーズな感じだ。新緑やミツバツツジを眺めながらのくだりが続き、やがて杉林が見えてくるとすぐに林道に飛び出す。黄色やピンク、真っ赤な花に囲まれた人家の光景を楽しみながら登山口に到着。今年の笠丸山はしっかり花を楽しませてくれた。良かったねえとの妻の言葉が印象的だった。




両神山を望む帰路は、万場から御荷鉾スーパー林道をドライブして帰った。あわよくば御荷鉾やも登ろうかと思ったが、車であんな山頂近くまでいってしまうと登る意欲をそがれてしまった。