西上州 桧沢岳(1,133m)  00年12月2日(土)晴れ

根草の集落から望む桧沢岳

道標もなく踏み跡もわずか、ゴツゴツと連なる岩峰が目を引く西上州の岩山、道標もなく踏み跡もわずか、訪れる人も少なく静かな信仰の山との謳い文句に惹かれ歩いてきた。

行  程    登山口…見晴し……西峰………桧沢岳山頂……大森橋…登山口
        1025        1110-1120   1130-1155          1230
メンバー    単独
地  図    西上州・妙義(昭文社エアリアマップ15 1/20,000図
参  考    群馬の山歩き130選 上毛新聞社


 西上州の山は登山口までのアプローチが不便だ。桧沢岳も例外ではない。車で行っても駐車できる場所は狭い。しかしこれが幸いして大型バスで乗り付けて集団登山といった喧噪とは無縁の山、桧沢岳。
以前から気になっていたが、車で登山口まで乗り付ければ短時間で登れ、ちょっと物足りないなあと思い足が遠のいていた。
 そうだ、山のハシゴをすれば西上州を満喫できるだろうと物語山と組み合わせて歩くこととした。そうと決まれば早起きをして…
しかし目覚めたのは8時、やばい…
急いで支度し、出遅れをカバーするために上信越道を利用する。普段は勿体ないので使用しないんだが、今日はやむを得ない。

 悪いことはいくつも重なるもので、藤岡ICから快適に飛ばしていたら、なんと事故渋滞。で、しばらくじっと我慢のひととき。トラックが横転してその処理中であった。いやあ、まいった。高速に乗るとき情報を見落としてしまったようだ。これなら一般道を走った方が良かったかと悔やんでも遅い。まあ焦ってもしょうがない。

根草の集落 10時15分、根草集落の末端に到着。このあたりの集落は生まれ育った田舎の風景によく似ている。軒下には綺麗につるされた吊し柿、冷たい木枯らしがいっそう美味しい味を醸し出すのだろう。のどかな雰囲気だ。しかし、そののどかさも他人がそう思うだけ、厳しい寒さがやってくると自然との闘いが始まるのだろう…
小さい頃育った田舎の冬を思い出しちょっと感傷的になった。

 地元の人が利用している駐車場(4台ほど可)に停めさせてもらい登り始める。
民家の横を登り、そして一番上の民家の庭を通らせてもらい畑跡を斜めに登り杉林となりわずかで尾根に出る。右は杉林、左は雑木林の急登をひとしきり歩くとジグザグ歩きとなり少しづつ展望が良くなってくる。

 眼前に西峰の岩峰が見えるとわずかで見晴らしだ。一休みして一気に鞍部に到着。東側はぐっと切れ落ちている。まずは西峰をめざす。日陰には少し雪が着いている。
鞍部からほんのわずかで素晴らしい展望が待ちかまえている。西上州の山々はもちろん、浅間山、八ケ岳。そして遙か彼方に真っ白な山々が見える。多分北アルプスだろう。妙義山の右側も白い山が見える。こちらは谷川連峰か、いやあ、最高!!
左は切れ落ちた岩壁だ。下を覗くと足がぶるっと震えた。

山頂からの展望、浅間山方面

 さて本峰をめざそう。一旦鞍部まで戻る。一本の太いロープがかかった岩場を越え、後はなだらかな登りで祠の祀られた山頂に到着。こちらも西峰ほどではないが展望は悪くない(上の写真は山頂より浅間山方面です)浅間山山頂は生憎雲の中、手前には西上州の山々が所山頂にて狭しと立ち並ぶ。さて写真で荒船山の左、経塚山はどれか分かりますか?毛無岩からトヤ山の稜線も見えます。

 携帯で妻に連絡「山頂だよ〜良い天気、そして素晴らしい景色。これから一旦下って予定通り物語山にいきま〜す」。記念に無線で交信しようとCQを出すが、今日は誰も応答してくれない。ちょっぴり心残りで下山開始。

下山は、祠の裏から下る。日当たりの悪いところは少し凍っている。二度ほど落ち葉の下に隠された氷に捕まった。ズルっ、デンとしたたかに尻餅をついた。そして岩壁の下に建てられた壊れかけた神社に到着。昔日の信仰が忍ばれる。今はあまり訪れる人はいないのだろうか?
ここからは、雑木林の急下降、そして杉林を過ぎて沢に出た。ちょっと道がわかりにくい。沢を一旦渡るとすぐに林道に出た。見上げると降りてきた岩峰の景観が素晴らしい。そしてわずかで登山口に到着。
さて次は物語山だ。