ひとつ花を求めて烏帽子岳
ひとつ花を求めて新緑の烏帽子岳を歩いてきました。南面はかなり咲いていましたが北面はまだつぼらな蕾。ちょっとまだ時期が早かった感じです。たぶん連休最後の頃が見頃かなあと思いました。「深山の春の薄霞、山肌きよく染めて咲く、うすくれないのひとつ花」…牧船人作詞
【登山日】 1997年4月27日(日)晴れ
【山 名】 西上州 烏帽子岳(1,182m)
【メンバー 】 単独
【行 程】 シボツ沢登山口…奥の二股…郡界尾根…マル…… 山頂…二股…登山口
0840 0945 1000 1010-1100
1210
【参考書】 群馬県の山(山と渓谷社)
【地 図】 西上州・妙義(昭文社エアリアマップ 1/60000図)
先週の外秩父縦走の影響でまだ足腰がこわっている。ちょっとリハビリをと、もう見頃かと西上州のひとつ花(アカヤシオ)を見に行くこととした。下仁田から雨沢、大仁田と進むにつれ見上げる山肌にはツツジがチラホラと姿を現す。途中、三ツ岩岳の登山口には沢山の車が止まっている。ここも綺麗なんだろうなと思いつつ、わずかでシボツ沢登山口到着。こちらも多くの車。この調子では山頂は賑やかだろうなあ。沢ではミソサザイが賑やかに囀っている。ウグイスもどうにか鳴き声がさまになってきたようだ。新緑がまぶしい。ここ烏帽子山は他の西上州の山に比べて杉や檜の植林がなく殆どが雑木林で心洗われる爽やかさだ。
二股あたりから大きな岩壁にアカヤシオが現れだす。黄色いヒカゲツツジも見頃だ。奥の二股からは左のコースをとる。このコースは落ち葉を踏みしめてサクサクフワフワの歩きだ。しかしかなり急である。このあたりはまだ新緑にはちょっと時期が早い。落ち葉も少なくなり郡界尾根の稜線が見える頃からガレ場となり落石に気をつけて歩く。振り返れば浅間山が樹林帯から姿を見せる。烏帽子岳山頂も見えてきた。数人の人が展望を楽しんでいるようだ。
そしてようやっと尾根に到着、一休みとする。辺りを見回すと木の上に枯れ枝を集めた固まりが目立つ。どうも熊が木の実を食べたなごりみたいだ。あれが熊棚と言うんだろうか?
そしてマルをめざす。新緑がまだ少し早いと感じたがやはりアカヤシオもちょっと早かったようだ。南面は結構咲いているが、北面はまだ蕾である。本来ならここは花のトンネルを期待していたのだがちょっぴり残念だ。そしてマルからコルに下り、わずかの登りで山頂に到着。あまり広くない山頂は8人ほどが居た。ここは360度の好展望、今の時期ある程度靄がかかっているのはやむを得ないだろう。妙義山や浅間山方面が特に素晴らしい。
眼前の三ツ岩岳はアカヤシオが見事だ。やはり約150mの標高差のせいだろうか?西方向のシラケ山から天狗岩方面もまだちょっと花が少ない。本来ならシラケ山方面まで歩いてみようと思っていたが断念しまずはビールだ。風も全くなく暑いくらいだ。しばしあれが何々山、あそこが……と話は尽きない。
山頂にはヒカゲツツジも咲いている。もちろんアカヤシオも咲いている。しかし残念ながらヤブの中にはミカンの皮や弁当ガラ、その他ゴミが捨てている。まったくこんな綺麗な花を眺めながらよく捨てれるなあとちょっと驚きである。
ゆったりと景色を楽しみ下りは直接奥の二股をめざす。かなりな急坂である。滑りやすい。途中張られたトラロープがありがたい。それから登山口まではゆったりと新緑、鳥の声を楽しみながら歩く。今年初めてツツドリの声も聞いた。それに多分オオルリであろう、綺麗な鳴き声と姿を見せてくれた。いいなあ、春は……
