圧巻!! 荒船山艫岩からの絶景
1994年12月4日(日)
「遠景が荒波に漂うように一隻の船に見えるところから……」と艫岩の案内板に書かれていたが、確かに周辺から目を引く存在である。以前から登ってみたい山であったが、快晴に恵まれ最高の山行きとなった。荒船山に決めたのは実はもう一つ理由がある。たっくんの受け持ちの先生が「荒船先生(若くて美人?)」との事で、たっくんも先生に登ってみたいと意欲満々であったからである。
内山峠登山口…一杯水……艫岩………経塚山………艫岩…………登山口
9:30 10:30 11:02-15 11:50-12:23 12:50-13:02 14:07
上信越自動車道走行中、車窓には赤城、浅間、榛名、妙義、秩父の山並み等最高の景観が望める。目的の荒船山がまさに船のように見える。絶壁に心が躍る。
こんにゃくと、ねぎの産地である下仁田の町並みを過ぎ内山峠登山口に到着。すでに4台程の車が停まっている。
さあ、登るぞお〜〜艫岩迄3.3kmだ。サクサクと霜柱を踏みしめ笹と、雑木林の中を暫く登り下りを繰り返す。あと1.7kmの所でひと休み。大きな岩を見上げると大きなツララ、下の方には黄緑色の綺麗な苔が生えている
ここらから左手に浅間方面の展望が木々の間に見え隠れする。約1時間で一杯水に到着。ここは、案内書によれば、登山者が必ずこの水を口にしたことから名前が付けられたらしい。パイプから流れ出る水は冬場の為か弱々しいが、たっくんとふたりで飲んでみた。意外と冷たくは無かったが喉に心地よい。
一杯水を過ぎるとすぐに岩場の急登となる。たっくんはまだ元気だ。大きな声で歌を歌っている。ごきげんだ。振り返れば浅間の展望が素晴らしい。とっ、油断していたら石につまずいて転んだ。思わず首にかけたカメラを庇う。約15分でなだらかな尾根となる。朽ちた避難小屋を過ぎるとわずかで荒船山(艫岩)到着。
艫岩の展望台から眺める雄大な景色。浅間山や妙義方面、上越国境の山々、北アルプス、八ガ岳が素晴らしい。快晴に恵まれて良かったなあ。私は山名の確定は苦手だが設置された方位盤と持参した磁石と地図で確認する。合間にたっくんと絶景をバックに記念撮影。切り立った崖より下を除くと吸い込まれそうだ。一部端の方には危険なためロープが張られている。「ゴオッ〜」と絶壁より吹き上げる風。体重の軽い私など油断すると飛ばされるんではと一瞬緊張感が胸をよぎる。
展望台脇の休憩所でたっくんが知らないおばさんからチョコを貰う。
休憩所でひと休み後、クマ笹と雑木林の中を最高点の経塚山へ向かう。平坦な道で快適だが、展望は悪い。今の時期は木々は殆ど落葉しており、わずかだが隙間から山々がのぞき見える。緑の多い時期は殆ど展望はきかないだろう。でも、高原の爽やかな雰囲気があり魅力は薄れないと思われる。
さあ、最後のひと登りだ。約10分の急登で山頂だ。例によってたっくんが一番乗りだ。まだまだ元気は残っているようだ。今年は何回か山登りを経験しているので何となく慣れてきたようだ。この調子で今後もあちこちつれて回りたいと思う。
頂上では夫婦二人連れが仲良く無線を楽しんでいた。コールサインは7K2*DM他との事。私もハンディ機を取り出し登頂記念に数局交信する。
山頂はそれ程広くなく木々に遮られ展望はあまり無い。石など座るところもない。新聞紙をひいて食事としたが、ズボンが滲みてきた。で、中腰に変更。落ちつかない食事となった。数分して登ってきた恋人(たぶん)達はちゃんと下に敷くマットみたいな物を取り出して仲良く座って食事を始めた。持ち運び用の折り畳めるプラスチック製のようなものだった。ふーん、あんなのがあるのか。知らなかった。冬なんかは必需品かなあ?
下山は、来た道を引き返す。艫岩でもう一度絶景をかみしめて瞼に焼き付ける。今度はもう少し早く紅葉の時にも登ろうとたっくんと約束をし、楽しい荒船山登山は終了した。たっくんは早速明日先生に報告するそうだ。「先生、荒船山って先生みたいに素敵だったよ」って。
注 「艫岩」は案内書によっては「ともえ岩」とか「艫岩」と書かれている。また、経塚山は「行塚山」ともなっている。どっちが本当か分かりませんが、艫岩、経塚山の方がよく見かけます。
荒船山全景