展望と花のプロムナード 西上州荒船山から不動寺縦走
2000年5月6日(木)曇り
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大屋山や立岩の山頂から北方面に眺める、荒船山から毛無、そして黒滝山への尾根のつながりは、西上州ファンなら、一度歩いてみたいなあと思わせるに充分な景色である。今回、健脚のトラベエさんご夫婦からのお誘いもあってついにその願いが実現することとなった。時はまさに花、ハナ、花、そして新緑と絶好の季節。気心の知れた仲間との楽しい歩きとなった
行程 相沢登山口…中の宮…艫岩……経塚山…イデミ手前……毛無岩…トヤ山……不動寺…駐車場
0750 0900 1000-25 1100-10 1230-45 1400-10 1615-1650 1800 1810
メンバー トラベエさんと奥様、野峰さん、酒呑童子
地図 昭文社エアリアマップ 西上州・妙義 1/60,000図
下仁田でコンビニによってワインを仕入れ走っているとクラクションが…後ろにトラベエサンご夫婦の車、さすがナビゲーターが付いていると違うなあ、もう発見されてしまった。(んなことないか…)そして連れ合って不動寺手前の駐車場まで行き、トラベエ号をデ
ポし、酒呑童子号で相沢登山口を目指す。あいにく天気はいまいちの曇りだ。
登山口手前で野峰さんと合流、この人、昨日は雪の中を歩いてきて車中泊したそうだ。独り寝の寂しさからか、馬力をかけるためか少しアルコール燃料を補給していたようだ。民家の広場に車を置かせていただき、登り始める。本来の登山口まで数分、数台分の駐車場があった。
今日は、満開の花を予感するように、すぐにシャクナゲの群落(たぶん育てているんだろう)、いやあ、綺麗だねえと足が止まってしまった。まあ、今日は長丁場、時間もたっぷりある。焦らず行きましょう。
艫岩までは雑木林の登り、新緑が美しい。左手にはアカヤシオが見え始める。今日は、艫岩まで登ってしまえば後はラクチンな下りのコース。途中、中の宮という大きな岩のあるところでは自然の偉大さにびっくり、こんな大きな岩どうしてできたんだろう?そして、それを支えるように登山者が木の枝を沢山つっかい棒にしている。なんかユニークな感じに笑いが出る。
荒船山の由来ってなに?しばらく山名談義「あら、船だ!!」と、あの格好を見たときに叫んだ言葉がどうもその由来らしい(などと言うことはないよね)そんなことでも話していないとあの急さかは結構つらい。最後に丸太の階段をゼーゼー言いながら登り切れば気持ちよい笹原にでてわずかで艫岩到着。
艫岩は大にぎわい。あいにくの天気でガスが切れる間のわずかの展望を楽しむ。艫の舳先から眼下をのぞけば吸い込まれてしまいそうだ。これから先は下り、さあ、ビールでも飲むか、記念撮影、乾杯と忙しい。さて、先は長い、ぼちぼち行こうかと腰を上げる。経塚山までは気持ちよい高原漫歩。このあたり、新緑はまだまだだ。小鳥の声や緩やかに流れる心地よい風を受けながら軽快軽快。そしてひと登りで本日の最高峰「経塚山」に到着。ここも大入り満員。座る場所もない。記念撮影も順番待ちと言ったところだ。静かな西上州は最近ではもう死語になってしまったのだろうか?
騒々しさに追われるように毛無方面へ向かう。これからが今日の本命コース。静かな西上州を求めて急な坂を下る。このあたりの岩はちょっと変わった格好をしている。どうしてこんな格好になったんだろう?
振り返れば経塚山が木々の間にそびえ立っている。いやあ、もうあんなに降りてきたんだなあ。まだ先は長い、しかしアカヤシオが綺麗なところがあるとすぐに足が止まってしまう。ハシリドコロでも食べて走ろうか?なんて冗談も飛び出す。途中岩の間から染み出る水を野峰さんが手ですくっている。美味しい?返事がない。
このコース以外とでこぼこが多いが、そのピークには登らずにトラバースするようなコースになっている。残念だなあ、すべてのピークを征服しようと思ったのに…しきりに奥様が登ったらと進めるが、その言葉に乗せられたら大変だ(^^;まじめにコース通りに歩く。
以前歩いたときは笹が高くて閉口したが、今回は綺麗に刈られておりちょっと残念。立岩への分岐でひと休みしていると中年のご夫婦に追い抜かれてしまった。この人達も不動寺を目指すのだろうか?
さて、立岩への分岐から相沢越までの道は未知のコース。今日の目的もここをつなぐことにあったのだ。南にそびえる北立岩、歩いていけそうだ。でも今日はパス。地図上ではイデミのところのようだ。凄く綺麗なアカヤシオがあった。ここでひと休み。ここから見る立岩はゴリラが寝そべって大きく口を開けたような格好をしている。面白い!!
そして相沢越えに到着。無事未知のコースをつなぐことが出来た。よし、元気を出して相沢越で休憩しているグループを抜いて、左の健脚コースを登る。登るごとに北方面の山肌がピンクに染まってくる。いやあ、綺麗だ。
手前の岩峰を少し下ったところから眺める毛無山はいつ見ても良い景色。以前スケッチしたときと違って今日は所々にピンクのは彩りを添える。岩から落ちないように注意して交代ごうたいに写真撮影。で、いったん下っていよいよ毛無への登り。狭い岩稜を注意して登る。途中で振り返るとガスが出たり引っ込んだりの何とも厳かな雰囲気。早速写真撮影、野峰さんにポーズの注文だ。
ようやくついた毛無山、おなかも空いたしワインも飲みたい。でも狭い頂上では4人が、ゆっくり腰を落ち着ける雰囲気ではない。もう少し先まで我慢しようと言うことになり記念撮影して急な坂を下る。そしてアカヤシオがガスの中に浮かぶどんよりした風景の中でワインタイム。時が静かに流れていく。このままじっとしていたい雰囲気。でもまだまだ先が…
誰?下りばっかりと言ったのは…そこそこ疲れてきたが、本日最後のピーク、トヤ山に、縦走コースを外れて左に入りわずかで山頂着。もう時間もだいぶたってるのに、全然焦る様子はない。またまたのんびりとコースタイム。展望は何もないが、アカヤシオはここもいっぱいだ。ぼちぼち行く?もうすぐ17時になろうかという時間。でも日が長いし安心安心。うまくいけばライトを使っての歩きも楽しめるんでは…
しかしここからは足が速くなった。途中、道が崩れていてちょっと危なさそうなところがあったが、ロープが張っていたりして問題なかった。もう花も食傷気味だし、雑木林も終わり杉林となって面白みも少ない。それ急げ、やれ急げとは行かないがかなりのハイペース、みんな元気だなあ。不動寺に着いたときはちょっと薄暗かったが、お陰でライトの世話にはならずに済んだ。寺の住職が出てきて少し世間話。こんな山奥に住んでいると人が懐かしくなるんだろうなあ…話好きそうな住職だった。そしてデポしてあったトラベエ号にのり相沢登山口に向かった。
花や相棒に恵まれて思い出に残る楽しい山歩きだった。しかし良く歩いたなあ