赤岩岳(1440m)、赤岩尾根縦走、両神山(1723m)

1997年11月30日(日)曇りのち晴れ

 一月ほど前、登山口に着く前に愛車がガス欠、泣く泣く断念した赤岩尾根縦走に再挑戦しました。野栗沢方面からあれほど苦労した赤岩峠も小倉沢側からはあっさりと到着、そして尾根縦走も意外なほど短時間で歩けた、おかげでちょっと物足りなくなりぐるっと両神山まで足を延ばし満足の縦走となりました。尾根縦走は踏み跡こそ少ないものの目印のテープはずっとあり、見落とさない限り大丈夫でした(時々見逃して苦労はしましたが…)

 小倉沢登山口…赤岩峠…赤岩岳…1538m峰…八丁峠…両神山頂…分岐…落合橋…小倉沢 
  0755     0850-0900  0935   1012  1140-1155  1350-1425     1505    1530


 前回諦めた尾根縦走が心残りとなり午後より晴れの天気予報を信じて出発。地図には要ザイルとある為、ザックの底には急あつらえのザイルを準備。小倉沢の古びた鉱山の集落裏より登り始める。桧の植林はまだ1mにも満たない小木で明るいジグザグの登り、そして雑木林、落ち葉がふわふわの気持ちよい歩きであっけなく赤岩峠に到着。前回あれほど苦労した野栗沢からの登りは何だったんだと思う。前方に女性?の単独行氏が大ナゲシ方面に歩いていた。

 そしてそびえ立つ赤岩岳を目指す。前回は正面に藪こぎで下ってきてこれも偉い目にあった。今回は左に巻く正規のルートがすぐ分かった。こちらからは簡単に登れる。もっともちょっと方向感覚が狂い確かめに一度下る羽目になったが…青空が広がりだし大ナゲシ方面もばっちりだ。さあ、これから八丁峠への長丁場だ。気を引き締め左右の素晴らしい展望を眺めながらヤセた岩稜を進む。最初の岩場はまっすぐに登る。大したことはない。そして前回間違って登り着いたNO.37石杭のある小さな樹林の中のピーク。妙に懐かしさを感じる。次の1538m峰は右手より藪の斜面を登る。ちょっと目印を見逃すと前途多難だ。ここがコース中で一番しんどかった。そしてピーク、此処までは前回歩いているのでちょっとは気が楽だ。

 さあ、いよいよ核心部、未知のコースだ。対面の両神山も又登ってみたいなと眺めながらいくつものピークを越えていく。左右の切れ落ちた岩稜、少しの藪、ちょっと怖そうな岩場の下り…と緊張しながら歩いていたら何と志賀坂峠への分岐の標示…
え〜っ、もう着いたのかなあ、まだ時間はそんなにたってない。これより気持ちの良い雑木林の下り、そして八丁峠に到着。地図では尾根歩きが6時間10分となっておりあまりにあっけなく着いたのでなんか気が抜けてしまった。まだ昼食も摂ってないのである。ベンチで一休み…予定ではここに15時着のはず、このまま下山したんではなんか不完全燃焼である。時計を見る。そして地図を見る。まだ12時…よし、両神山まで行こうと決断する。

 八丁尾根は1年半ほど前に歩いたことがあるが、結構しんどかったものの楽しい鎖場の思い出がある。赤岩尾根を歩いているときまた行こうかななんて思ったのが即実現するなんて…でも家に残してきた登山届けと予定が変わるのが気がかりである。単独行の良さでもあり危ない一面でもある。携帯で変更を連絡しようとしたが繋がらない。まあ、いいか、山頂で連絡しようと次々と現れる急傾斜の鎖場をあえぎあえぎ登りそして下る。行蔵峠を過ぎ西岳到着、気温7度Cとちょっと寒くなってきた。風も強くなってきたので休まず通過、途中風を避け、ようやっと昼食。今日は厳しい尾根歩きでアルコールは抜きである。そして風が吹きすさび吸い込まれそうな風穴を過ぎ屹立する東岳に到着。

 赤岩岳からの凸凹した尾根がばっちり見える。あそこから歩いてきたんだなあと感慨もひとしおである。北側はすっぱりと切れ落ちている。覗くのも怖いくらいだ。さあ、あと少しと先を急ぐ。これから先は岩場から開放され気持ちよい尾根歩きだ。そして山頂手前をわずかに下り最後の鎖場、で、無事到着。山頂には6人くらいの若者パーティが展望を楽しんでいる。今日であったのはこれで二組、いつもは賑やかであろう山頂も若者達が下山したあとは貸し切りで360度の展望を堪能した。ぐるっと歩いてきた赤岩尾根、浅間山、筑波山、武甲山、雲取山等々…残念ながら北、南アルプスは雲の中だ。八ガ岳は見えているようだ。銅製の展望盤で山座同定を楽しむ。ずっと遠くには高層ビルが見える。東京方面だ。新宿かなあ?(家にコース変更を電話済み)

 さあ、下山開始。帰路は落合橋に降りることとした。梵天尾根方面から右の踏み跡に入る。気を付けてないと見落としそうだ。おまけにロープが立入禁止のように張られている。で、此処かなあとちょっと不安になるが地図や地形からみて間違いなさそうだ。ぐんぐん下る。そして橋の近くでワイヤーを伝い急降下。林道に出て約二キロの歩きで頭上にそびえたつ赤岩岳を眺めながら駐車場に到着。思いがけず両神山までの縦走となり満足の山行は終了した。


赤岩尾根…
 1.帰宅後「埼玉県の山」で確認したら、こちらは赤岩峠〜八丁峠間は3時間15分となっていた。
 2.ザイルは不要であったが、準備していたほうが安心
 3.目印のテープはずっとあったが、見落とすと大変、それに左右は切れ落ちたところもあり慎重に慎重に


落合橋への下り…
詳細な報告は次の理由により省きました。何故ロープが張ってるのか疑問でした が、下山して理由が判明。このコースは立入禁止となっていました。
  理由は、以前 山火事の時付けられた作業道で登山への安全対策などされてなく危険、過去に滑落、行方不明などあった。それに落石多い、熊がいる。心ない登山者が新しい直登コースとして紹介して以後先述の事故が増えている。よって立入禁止としたとのこと。 登る人はすぐ近くの八丁峠コースを登るようにとの標示、それでもこのコースを歩く人は自分の責任で安全管理をと記されていました