湯ノ丸山でホシガラスと遊ぶ
角間山(1,981m),湯ノ丸山(2,103m),烏帽子岳(2,066m) 1997年5月2日(金)晴れ
鹿沢温泉登山口…角間峠…角間山…角間峠…湯ノ丸山…烏帽子岳…湯ノ丸との分岐
0710 0815-0825 0850-0900 0915 1015-1030 1130-1230 1255
…キャンプ場…地蔵峠…鹿沢温泉登山口
1340(やまびこ号)1355
先日の四阿山に続き、なだらかな山容でどっしりとした湯ノ丸山である。こちらは積雪はほとんどなく、まさに高原お散歩気分のさわやかな一日であった。ホシガラスにも遊ばれ、北アルプス槍ガ岳もばっちりの初夏を感じる山歩きでした。
前日、地蔵峠にやまびこ号(自転車)をデポした。かなりの坂道である。本当は地蔵峠方面から歩く予定であったがこの坂道を見て逆のコースとした次第である。朝はさわやかな目覚め、早速レトルトご飯、みそ汁、卵、海苔で朝食。天気はよいが風が強い。小鳥の声もさっそく賑やかなコーラスを聞かせてくれる。
スキー場の横より登る。カラマツが多い。そしてスキー場を過ぎると「猿飛佐助修業の地」(本当かなあ?)の碑が建っている。ここからは気持ちの良い高原である。6月になればレンゲツツジが見事であろう。シラカバと笹の緑、空の青が良い雰囲気だ。ノジコがチッチッチと鳴いている。このころ風は弱くなっており、頬を撫でる風は爽やかさを感じる。程なく角間峠、静かな雰囲気のところだ。しばし休憩。ウグイスが近くまでやってきて労をねぎらってくれてるようだ。
角間山迄は簡単に行けそうだ。せっかくならと山頂を目指す。笹の中ジグザグに登り途中振り返れば富士山、北アルプスが綺麗に見える。頂上手前は、ちょっとした鎖場、そしてコメツガの樹林帯をわずかで抜けるとそこは素晴らしい展望のちょっと岩のある山頂だ。湯ノ丸山や浅間山、それに先日歩いた吾妻山、草津白根方面もバッチリだ。しかし、今日の本命は湯ノ丸山だ。早々に下山する。角間峠を過ぎ、北峰をめざす。日陰にはところどころ残雪があるがわずかだ。道のぬかるみもほとんどない。わずかの急登で後は気持ちよい稜線歩き、北峰に到着。ちょっと岩があるもののまさに南峰迄は高原の感じだ。途中ホシガラスが目の前の木に止まっている。まるで写真
を撮ってくれと言うように……仕方がない、撮ってやるかと思い近づく。割と人を恐れないのか数mまで近づいても逃げない。ようし、ここでパシャッ 。もう一枚と思うと他の木に飛んでいった。さらに近づきまたパシャッ。そうやって追いかけっこをして楽しむ。でも、もしかしたら反対に遊ばれてたのかもしれないなあ……
しばらく遊んだ後、南峰に到着。沢山のケルンが積まれていた。好天の時はよいがガスったら頼もしいであろう。そう言えば昨日四阿山であった姉妹は居ないようだな。時間が合わなかったかと少し寂しい気分だ。この頃見えていた北アルプス方面は靄ってきた。そして石ころの多いザレた斜面を烏帽子方面に下る。程なくキャンプ場への分岐に到着。ここから見る烏帽子はかっこいい。少し休憩の後笹のある山肌をトラバース気味に歩く。見上げれば稜線を歩く人の姿が見える。ひと登りで稜線に出る。すると上の方から「お〜い、おはようさん、早くおいで」とおばさん
の声、見ると昨日の姉妹だ。地蔵峠の方から登ってきてまずはこちらに登ったそうだ。再会に嬉しくなる。四阿山からの下りは楽しかったよ。滑ったりして……等と立ち話である。そして私は気持ちの良い稜線を山頂をめざす。火山のような雰囲気である。右側は結構急峻だが左はなだらかである。そして平らな山頂に到着。ここからの展望も素晴らしいがちょっと靄っているのは残念だ。先ほどのおばさん姉妹も双眼鏡で覗くと頑張って湯ノ丸をめざしていた。
1時間ほどのんびりした後下山する。湯ノ丸との分岐で再度姉妹と会った。今度はのんびり座って話す。なんとこのおばさん、日本百名山も達成したそうである。ついこの前はキナバル山じゃないな、何とか言う外国の山に行って来たそうだ。スーパーおばさんだなあ。名残も尽きぬが先に下山する。ここからは何の変哲もない湯ノ丸山の山肌をトラバースする道だ。少々飽きてきた頃ドドッドッドと言う何か黒くて大きいものが動く音、姿。一瞬熊か!!とびっくりしたが、その物体は少し先の木の下でじっとこちらを伺っている。なんだあ、カモシカかあ……ああ良かっ
たとほっと一安心である。人間が珍しいのか、または何で俺の領域に入り込んだんだと言ってるのかいつまでも見つめている。そうだ、ここは山だからあんたらの領域だよね。ではお邪魔しましたと心でつぶやきサヨナラをする。
そしてまだ時期の早い静かなというか、うら寂しいキャンプ場を過ぎ地蔵峠に到着。やまびこ号で車まで戻る。登るときには気づかなかった「雪山讃歌」の碑を見物し、百番観音に今後の山行の安全を祈願して今日の山行は終了した。