紺碧の空と真っ白な谷川岳のコントラストに感動 
                           
1998年1月2日(金)晴れ
以前から眺めてみたかった冬の谷川岳東壁。今年の山行幕開けは白毛門と決定した。
土合橋登山口…ヒノキのウロ…白毛門山頂…ヒノキノウロ…土合橋
0850        0955       1200-1300  1400      1440

 今年は初日の出登山は天気も優れないようなのでパス。正月はどこか景色の良いところに行こうと思っていたがMさんと白毛門に行こうと意気投合。私は交通渋滞を嫌ってJRで行くこととした。途中買い置いていた鍋焼きうどんを持ってくるのを忘れたことに気がついたので、車で現地に向かっているMさんに連絡を取り買ってきてもらうことにした。正月早々そそっかしい自分に思わず1人で照れ笑いだ。
 でも山頂まで気がつかなかったらとぞっとした。Mさん正月早々ご迷惑をかけました m(__)m

 スキー客で満席の車窓を赤城、榛名、妙義の山々がよぎる。土合が近づくにつれ冠雪した山々が見えだした。そしてトンネルに入りモグラ駅で有名な土合駅に到着。ここで下車したのは10人程度だ。私以外はみなスキー客。しかし凄い地下駅だ。
 462段の階段に息も切れ切れ。途中休憩用のベンチがあるのには笑ってしまった。
そして追い打ちを駆けるようにまた20数段の階段だ。そしてようやく改札口。ああ、良い準備運動になったと息を切らしながら外を眺めると雪が意外と少ない。
 駅前で待ち合わせたMさんと新年の挨拶「今年もよろしくね」で、登山口の駐車場に向かう。広い駐車場に先客は2台、少ないなあとちょっと以外…

 さあ、今年初めての登山だ。頑張るぞ!!山頂方面は少しガスがかかっているようだが天気は上々、今日は好展望が期待できそうだ。鉄板の橋を渡りすぐに急登、ここら辺りは積雪はごくわずかだ。しかし、暑い。冬なのにこの天気、いったい今年はどうしたんだろう。半袖でも良いくらいだ。ズボン下を履いてきたのは失敗だった。蒸れて気持ちが悪い。途中何度か陰に隠れて脱ごうかと思ったが面倒なので我慢して歩いた。ヒノキのウロ辺りで雪はわずかずつ増えてきた。ここら辺りから谷川岳の雄姿が樹間から見え隠れする。素晴らしい展望に、いやあ、良い景色だなあと二人してうっとり…でも山頂からはまだこれ以上に…と思うと疲れも吹っ飛び元気がでる。

 ウロの先で単独行氏に出会い追い抜く。まだまだ急登は続く。そして雪も深くなり稜線を歩くようになる。ここら辺りから白毛門山頂が見えるようになる。山頂は雲一つない青空だ。雪の少ない露岩を注意して歩く。遭難のレリーフの埋められた大きな岩の辺りはちょっと怖いところだ。慎重に右を巻いたがここは左に巻くのが安全みたいだ(通過したあとに気がついた次第です)そしてまたまた登りの連続。と、突然空腹感がおそってきてペースが落ちる。途中キャラメルを食べながら歩いたがもう駄目だ。広々としたところでちょっと休憩。野峰さんに買っていただいたおにぎりをほおばる。前方には素晴らしい景色が広がる。低い木々は樹氷で真っ白だ。風はない。

 さあ、もう少しだ。山頂が早くおいでと呼んでいる。積雪量も多くなったが凍結したところもなくアイゼンは不要だ。Mさんもここからストックをピッケルに持ち替えピッケルワークを楽しんでいる。私はカンジキを持ってきたが出番無しでちょっと寂しい…

 そして山頂。5〜6人が展望を満喫していた。いやあ、これほどまで美しくくっきりとした谷川連峰を眺めたのは初めてだ。またあそこに登りたいと胸がじーんとするほどだ。ばしゃばしゃと写真を撮る。岸壁の凄まじさに身震いし、なだらかな稜線の優しさに心静まる。もちろん笠が岳や朝日岳方面の稜線も雪に輝いている。武尊山はちょっと雪が少なそうだ。尾瀬の山々も白一色。二人であそこは、こっちは……と食事の時間も惜しいくらいに展望を楽しむ。
 そしてうどんの昼食(またまたMさんに感謝)。全く風もなく暖かいくらいだ。実際は約3度Cだが…
 3人組は笠が岳の避難小屋泊らしい。夕日が綺麗だと良いですねと見送る。いつまでも眺めていたい眺望に別れを告げ下山の時刻。先ほどまで真っ青だった谷川岳方面は雲の帽子をかぶり始めた。天気は下り坂みたいだ。

 下りは一気に降りる。登りではあまり意識しなかったがかなり急な道だ。踏み外したらどこまでも転げていきそうな山肌。慎重に降りる。ヒノキのウロ辺りから雪の少ないところでは木の根っこで下りにくい。地肌の出たところでは気温が高いせいかぐちゃぐちゃで滑って歩きにくい。途中ずるっとすべる。ザックが先に着地しズボンが泥だらけになるのはさけられた(電車で帰る私は泥だらけになりたくないのだ)
 で、無事下山。鉄製の橋のところで靴の泥を落とす。そして野峰さんに土合駅まで送ってもらい分かれる。

 ちょっと時間があったのでビールで1人乾杯。本当に素晴らしい景色だったなあ。満足の1998年登り初めであった。(帰りの電車も満員で高崎までは立ってる人も多かったです)