岩菅山 2000年8月20日(日)晴れ
なだらかな山容の岩菅山
岩菅山は、新潟、長野、群馬三県にまたがる雄峰で志賀高原の奥に聳えるピラミッド状の山容が美しい。我が伊勢崎市からは群馬県とはいえかなり遠く感じることからなかなか足が向かなかったが、鳥甲山に登ったついでに歩くこととした。
【山 名】 上信越 岩菅山(2,295m)
【メンバー 】 単独
【行 程】 高天ケ原…東舘山…寺子屋山…ノッキリ…岩菅山………裏岩菅山…岩菅山…ノッキリ…荒板沢…聖平上…高天ケ原
0502 0540 0627 0815 0910-1020
1055-1130 1200 1230 1330 1450
【地 図】 志賀高原・草津(1/60,000図 昭文社エアリアマップ 13)
車中泊
高天ケ原にはスキー時期を見込んでか立派なホテルが並ぶ。道路端に広い駐車場があり利用した。
帰路は道路歩きを楽しようと自転車を聖平登山口にデポしておいた。
前日は早朝から鳥甲山を歩いたので、疲れていたのか、折角準備したワインやウイスキーは飲まないで、19時頃には寝てしまった。早く寝過ぎたせいか、夜中にうるさい音で目が覚める。ホテルで合宿していた某大学の若者達が、深夜にも関わらず奇声を発してスイカ割りなどを始めてしまったのだ。若いっていいなあ…でも人の迷惑感が得て欲しいよね。標高が1600m以上あるんで少し肌寒かったが、4時半ころさわやかに目覚めた。良し!!天気良好だ
高山植物園
できれば東舘山から日の出を見ようと5時頃出発。スキー場のゲレンデを登ったが標高差300m弱あり、寝ぼけ眼の体には以外ときつい。山頂手前には色とりどりの高山植物が咲き誇る植物園があり目を楽しませてくれる。岩菅山へは山頂まで行かず植物園の中を右手に進む。日の出には間に合わなかったが、たれ込めた雲の間から太陽が顔を出し、さながら日の出のような感じだ。梅雨を受けた高山植物達がきらきらと輝いている。
ここからいったん木道のある小さな湿原に下り、そこから殆ど水平な林道をわずか歩くとまたスキー場のゲレンデが現れた。露で靴が濡れるが、ゴアの防水仕様の靴は心強い。
いよいよ岩菅山が見えてくるが、ここらあたりから標高差わずか300m程であり、いやあ、ラクチンな山登りだなあと思った。でも距離は結構ありそうだ。リフト降り場の右手から樹林帯に入り丸太の階段わずかで寺子屋山。展望は樹林のため殆ど無い。ここで腹ごしらえして先に進む。
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すっきりとした山容の岩菅山 |
木がかわいそう |
これが秋山郷まであるのだろうか? |
展望の良い稜線歩き
寺子屋山からいったん下り、次のピークに向かって登ると金山沢ノ頭だ。ここから右に行けば赤石山方向だ。岩菅山へはまだ展望のない稜線を、いくつかのピークを登り下りすると、視界が開けて気持ちよい稜線歩きとなる。しかし、山肌を切り開いたスキー場の景観はちょっと可愛そうな感じ…さらにいくつかのピークを越えると岩菅山がどんどん大きくなってくる。
そしてノッキリと呼ばれる市ノ瀬からの道と合流する。写真にあるような案内板が木に取り付けられていたが、10分割もその距離は短かったり長かったりかなりいい加減だ。番号の描かれた手作りの案内板は見やすくて感じが良かった。地元の子供達の手による物だろうか?
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まずは緩やかな登り |
歩いてきた寺子屋山方面 |
一番の難所? |
ノッキリから意外と急登
最初はゆるい登りで、右手の笹の斜面から吹き上げる風が心地よい。遠く佐武流山や白砂山方面がもやっとした感じで見える。次第に傾斜を増し大きな石が見え出すと急に腹が減ってきたので、二度目の腹ごしらえでひと休み。風が気持ちよいのでのんびりとしてしまった。今日はまだ誰とも出会わない。そして最後の登りを頑張ると岩菅山山頂に到着。だ〜れも居ない山頂は静かだ
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大にぎわいの山頂 |
避難小屋 |
山頂です
生憎雲がかかってきて北側は見えなくなってしまった。う〜ん残念。でも東から南は見えるのでまあいいか…
だ〜れも居ない山頂。しばし平べったい岩に寝ころんで自然と一体となる。夢、無…いい気分。
広い山頂からは、北アルプスも見えるらしい…でも今日は苗場から草津方面のみぼんやりと見える
避難小屋を見物する。両脇に板張り、真ん中に壊れかけた薪ストーブ。あまり綺麗とは言えない雰囲気だが煉瓦積みの小屋はしっかりした造りだ。ノートがあったので記帳。前の方を眺めていたら宇宙人が記帳していた(^^;
まだ雲も上がりそうもないので、今日は裏岩菅山はやめようとのんびりしていると、ようやく今日初めての登山者が登ってきた。人恋しくなり山談義をする。そしてまた一人。これで3人となった。その頃からぐんぐんと雲が流れていき、全く見えていなかった裏岩菅が姿を現した。いやあ、気持ちよさそうな稜線歩きが楽しめそうだ。諦めていた気持ちを奮い立たせて裏岩菅山をめざす
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裏岩菅山山頂。こっちの方が高いのだ |
気持ちいいでしょう、この稜線 |
トリカブトです |
裏岩菅山
こちらはあまり歩かれていないのか、道はちゃんとしているが笹が所々道を隠す。本日の第一号通過者のため、ズボンの裾は露でびっしょりになってしまった。いやあ、たまらんなあ、でも冷たくて気持ちよい。こちらは花も多い。いったん大きく下り登り返したあとはルンルン気分の稜線歩きだ。山頂で休んでいたら、先ほどの単独行氏がやってきた。もう一人の人は来ないのかねえなどと言いながら、またまた山談義。長野の人だった。
ここで妙高山、白馬移動のアマチュア無線局と交信した。
秋山郷への稜線もおもしろそうだ
雲が切れと昨日登った鳥甲山が姿を見せてくれた。やったね。
ここから北東の尾根を頑張れば中ノ岳、烏帽子岳、そして笠法師山を越えて切明温泉まで約400分と表示があった。見た感じは以外と楽に行けそうだねえ、しかしあの山の向こうは急な下りがあるのかなあ等と思いを馳せる。
地図には94,95年整備済みと記されている。途中テント泊は必要だろうなあ…健脚だったら一日で天狗のように駆け抜けて縦走も可能かも知れないな…でも折角歩くなら途中でテントから顔を出して星空など眺めたいものだ。
さて戻ろう
岩菅山に戻ると、先ほどとはうって変わって沢山の人、人、人。隅の方で3人目に登頂した単独行氏が無線をしていたので挨拶する。栃木の人らしい。どこかで交信してるかも知れないねとコールサインを交換する。
そしていよいよ下山、まだ続々と登ってくる。やはり人気の山なんだなあ…
ノッキリから針葉樹林の多い道を下り、やがてネマガリタケの道となり、市ノ瀬方面に向かう。所々振り返ると岩菅山が高く聳えている。こちらからの道はあの山容を眺めながら登るので疲れそうだなあ。
そして尾根道が終わり丸太の道が延々と続いてイヤになった頃、沢の音が聞こえてくるとわずかで荒板沢だ。冷たい水で顔を洗う。おみやげに水筒に水を詰める。今日は暑かったせいか、1Lも水を消費してしまった。
ここから用水路沿いに平坦な道を進む。自転車をデポした聖平への分岐を間違わないように注意し、小屋あとの分岐から右に曲がりわずかで道路に出た。
しかしここでアクシデントが待っていた
自転車がない…どうも昨日デポしたところと雰囲気が違う。よく見ると「聖平上」と書いている。そうか、じゃあ「聖平下」があるんだなと、たぶんこっちだろうと左へ向かう。地図には用水路からの道はひとつしか書かれてないしおかしいなあ…まあ、少し歩けばあるだろうと進む。道は若干上り坂だ。しかし歩けども自転車のあるデポ地が見あたらない。そのうち、いやあ、反対だったな。間違ったと気づいたがもう戻る気力はない。上り坂だし、自転車まで戻ったとしても漕ぐばっかりでそれ程楽ちんとは思えない。こんなことなら市ノ瀬まで用水路の方を歩いた方がずっと楽だったと悔やんでも仕方がない。市ノ瀬からは道路をそれ木道の自然研究路を歩き、最後は気分良く駐車場に到着した。
そして車で自転車の回収に向かった。
