カモシカに出会った岩櫃山(802m)         01年11月1日 晴れ


岩櫃山


単独             地図 25,000図(群馬原町)
郷原駅P…密岩登山口…コル…天狗の架け橋…頂上…原町への分岐…旧赤岩コース…郷原駅P
0730      0750    0810   0820   0840-0910                     1030


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 岩櫃山は以前、息子とだいぶ前に登った山だ。低山ながら鎖場があり緊張する。紅葉も綺麗だったなあ。
今日は、夕方から仕事で出かけなければならない。本当はこの週末は表妙義の縦走をする予定だったが、昨日は生憎の雨。こんな雨の中をあの厳しい岩場の縦走なんてとても…で諦めた次第である。
そして今日は昨日の雨が嘘のような青空!!

 もうじっとしておれない。でもあまり時間がない。そうだ、短時間で楽しめる、あの山に行こうと決心した。

駅前から望む岩櫃山 ここはJR吾妻線郷原駅を利用して気軽に登ることができる。でも、本数が少ないのでやはり車にした。駅前からは素晴らしい岩峰が天を突いている。
駅横の広場は立派な駐車場だ。ここに停めて良いんだろうなあ?近くにいたに聞いたら「いいんじゃない」とのありがたい返事。停めさせてもらい、踏切を渡って民家の間を登山口に向かう。
 煙がたなびいている。犬が吠える。腰の曲がったおばあさんが庭で働いている。誰もとらないのか柿がたわわに実っている。いいなあ、この光景…


 岩峰を眺めながら赤岩コースとの分岐を過ぎるとわずかで密岩登山口だ。
まずは薄暗い樹林帯の中をジグザグに急登だ。檜から雑木に変わると紅葉が綺麗だ。この登り以外と疲れる。ふうふういいながら下を向いて一生懸命登っていたら、何か熱い視線を感じた。何だ、この雰囲気は…
見上げると前方に黒い物体…熊じゃあないよな(^_^;)じっと見つめている。カモシカだ!

 そういえば、息子と登ったときもここらあたりでカモシカに出会ったんだよね。息子は驚いて我が輩の後ろにじっと隠れて怖がっていたのを思い出した。今日のカモシカ、もしかしてそのときのカモシカかも知れないなあ。もしそうだったら6年ぶりの再会だ。「いやあ、久しぶり!元気だった?」小さく声をかけた。カモシカ君も懐かしいのか、いつまでもたたずんでいる。じっと見つめる目は可愛いものだ。

天狗の架け橋 名残惜しいが別れを告げ、最後の登り、模擬丸太の階段を頑張るとコルに出た。風が心地よい。木の根をつかみ登り切ったところが「天狗の架け橋」だ。右手に迂回路があるが、やはりここはスリルを味わうことにしよう。肩幅ほどの狭い岩稜だ。切り立った崖を覗くが木々があるためかそれほど恐怖感はない。それに、距離もほんのわずかで、ちょっと拍子抜けだ。でも落ちたらただではすまないので、風の強いときなどは要注意だ。



 ここあたりから、岩櫃山のおもしろさが出てくる。また鎖場だ!展望もよい。大きな岩にでると、単独行の男性が写真を撮っていた。浅間山方面がいい感じだ。そして、どうしてこうなったんだろうと思われるような、岩にあいた大きな穴をくぐる。そして木の根っこに捕まってわずかで、山頂はもう間近な鞍部に到着。
 岩場を見上げると二北峰より山頂を望む人連れが鎖にとりついている。短いながらも高度感のある光景だ。足場はしっかりしているので慎重に登れば問題ない。よっこいしょと鎖に捕まり頂上だ。と思ったらもう一声、よっこいしょ。

山頂 山頂です。ちょっと狭い山頂、展望盤はあるが文字がかすれて一生懸命見てもよくわからない。冠雪した浅間山はいつ見ても素晴らしい。千葉からきたというご夫婦、そして少し遅れてまた一人到着。白砂山や上州武尊、日光白根も見える。すぐ近くに見える山は子持山かなあ…
 眼下の山里の家々もいい感じだ。紅葉も期待してきたが、山頂から眺める紅葉はいまいちだが、この標高でこの眺め、うん、最高!

紅葉 さて、ぼちぼち下ろう。3人に別れを告げ北隣にあるピークに向かう。梯子、鎖を慎重にすぎると、こちらも展望のよい岩稜だ。そしてそのまま直進し岩場を下る。右手にも道があるが、少し進んだところで合流している。そこからは急な下りとなる。このあたりは紅葉が素晴らしかった
 そびえ立つ大きな岩の間を下るとわずかで原町方面との分岐となる。左に行けば岩櫃城跡だが、今日は旧赤岩コースとする。落ち葉を踏み分けながらの急な下りが続く。こちらの方は道がわかりにくく、ちょっとうろうろしてしまった。赤岩コースは整備されているようである。しかし、今日のもう一つの目的があるのだ。ガイドブックに書かれている「岩壁群の眺めが素晴らしい」とあった場所を是非見てみたい!

そびえる岩峰 紅葉に頬を赤く染めながらルンルン気分で下る。そして道が平坦になると、いやあ、素晴らしい岩壁の眺めが、ど〜んと目に飛び込んできた。いやあ、壮観な眺め。コーヒーを飲みながらしばし鑑賞。そしてスケッチをする。なかなかうまく描けないが気分は良い。写真を撮る。もう少し広角だったら良い感じなんだがな…デジカメだからそう贅沢も言えない。ここは自分が少し下がることにしよう。ちょっと藪の中に分け入り、パシャッ!

 満足、満足。ふと足元を見ると、フリースのズボンにひっつき虫(草の種?)がたくさんくっついている。いやあ、参ったなあ…このままでは格好悪い。5分ほど必死になって種をひっぺがした。どうにか取り終え、わずかで民家に出て駅を目指す。
途中おじいさんが「もう帰りかい?、早いねえ」、そして少し行ったら、今度はおばあさんが「今日は景色良かっただろう。そのあとも、出会った人が声をかけてくれる。なんかほのぼのとした感じで、楽しくちょっとスリルのある岩櫃山ハイクは幕を閉じた