残雪楽しい四阿山、素晴らしい眺望に感激(2,333m)
1997年5月1日(木)晴れ
専大セミナーハウス前登山口…茨木山…鬼岩…浦倉山への分岐…四阿山…
0810 0950-1010 1110 1355-1500
分岐…2119mピーク…スキー場…駐車場…セミナーハウス前登山口
1520 1625 1630 1730 1735
残雪の山を楽しみたく群馬県第六位の高峰、360度の大展望の四阿山を歩いてきました。初めて見るコマドリに迎えられ、尾根付近ではトレースもなくあちこちと道を探してさまよいましたが、充分残雪の雰囲気を楽しめました。
さあ、連休だ。山を満喫するぞ!!と、ちょっと遠い上信越国境の山々に行くこととした。嬬恋スキー場にやまびこ号をデポし専大セミナーハウス前バス停から歩き始める。このあたりはカラマツがようやく芽吹こうとしている。白樺とのコントラストが美しい。メジロ、ホオジロ、シジュウカラやヒガラ等の小鳥の声が賑やかだ。ゆったりとした雰囲気で双眼鏡で姿を確認する。図鑑も大活躍だ。ヤブの中にちょっと変わった色の小鳥を見つけた。初めて見るコマドリだ。綺麗な鳴き声と美しい姿に感激!!ちょっとした登りになり足取りが重くなってきたところで休んでいると二羽のウソが何か木の実をついばんでいた。そして茨木山に到着。今度はカケスが迎えてくれた。三等三角点のある山頂は草津白根の山々、浅間山や眼下の人造湖バラギ湖などの眺めが素晴らしい。
ミズナラやシラカバの林を過ぎ、笹の中をジグザグに登る。ウグイスが爽やかに歌っている。まだ木々の葉がないため姿を見つけやすい。声高らかに歌う姿は見ていていつまでも飽きないものだ。やがて針葉樹林帯となり少しずつ残雪が現れる。左手にそそり立つ鬼岩付近は残雪でルートが分からないので直下を歩く。そして岩混じりの尾根となり四阿山がその容姿を表す。東側の展望も良くなってきた。そしてコメツガの樹林帯。ここらあたりから雪が多くなりコースが分からなくなる。歩きやすそうなところを進むが時々一進一退となる。ぼちぼち浦倉山への分岐に着いても良い頃と思うが、広々とした樹林帯ではコースをはずれると全く分からない。山頂は見えており、適当なところを進む。ときどきラッセル状態となりワカンが有ったらなあと思う。たまにズボッと股下まで埋まる。楽しいなあ、しかししんどいなあ。天気は上々、暑い。日焼け止めを塗っているが大丈夫かなあ。
山頂への稜線までくると、登山道を遮るように所々雪庇状になっている。用心して進む。途中、頭に黄色と赤の色がめだつキクイタダキを見ることが出来た(これも初めてだ)そしてようやっと山頂に到着。本当にようやっとと言う感じだ。鬼岩からのコースタイムで約一時間多く要してしまった。やはり雪は手強い。しかし、その苦労有ってこそこの素晴らしい山頂を迎えることが出来たのである。まさに360度の展望だ。
浅間山は勿論、草津白根山、八ガ岳の展望が素晴らしい。妙高、戸隠方面も見えるがどれがどの山か分からない。北アルプスは靄っててちょっとぼんやりしている。いいなあ……山頂では二人のおばさんがひなたぼっこしていた。姉妹とのこと、ビールを飲みながらあれこれと山の話で賑わう。(おつまみありがとうね)至仏山に行く予定がふっと気が変わってこっちに来たそうだ。明日は湯ノ丸山に登るとのこと。私も明日は湯ノ丸山を予定している。再会を約して二人は下山していった。しばらくするとおばさん達の賑やかな声、尻セードで楽しんでいるようだ。
あまりにも気持ちよく長居してしまった。下山路である浦倉山への稜線を確認し歩き始める。そして登りでは見つけられなかった分岐に到着。広々とした明るいコメツガやシラビソの樹林帯は道に迷いそうだ。念のため磁石をセットし尾根の中心と思われるところを進む。ここからはずっと残雪がかなりあった。全くトレースは無い。ときどきテープの目印を見かけるがすぐに見失う。ガスが出てきたら殆どアウトであろう。幸い天候に恵まれて視界がきき良かったなあと心底思った。この時期の雪はベチョベチョで歩きにくい。そのせいか分からないがゴアの靴でも靴下が濡れてきた。いままで雪山でもこんなことは無かったのになあと思う。もう替え頃であろうか……時々急坂や枝に行く手を遮られて進みようやくスキー場のリフトが見えてきた。めざす野地平が遙か彼方に見える。まだ、あんなにあるんか……遠いなあ。登りでロスした時間が重くのしかかってきた。
もうぼちぼち浦倉山かなと思って到着した山頂は地図で確認すると2,119mのピークであった。樹林に囲まれてまったく展望はない。なにか足元にある。山頂の表示かなと掘り出してみるとシャクナゲの案内板。見渡してもシャクナゲは見あたらないが、雪に埋もれて居るんであろうか?地図で浦倉山を確認するが何の変哲もなさそうなところだ。
時間も遅くこの感じでは道も分かりにくそうだと、当初の予定を変更しスキー場のゲレンデを降りることとした。まだ雪は結構残っており、尻セードで滑ってみるが、勾配が少ないせいかうまくいかない。だらだらとゲレンデを下る。太陽も低くなり逆光に映えるゲレンデが綺麗だ。そして営業が終わったスキー場のうらさびしい駐車場に到着。熱い紅茶で一服、やまびこ号でまったくペダルをこぐこともなく登山口まで戻った。
さあ、明日は湯ノ丸山だ。鹿沢温泉に向かい、登山口を確認し地蔵峠にやまびこ号をデポし国民休暇村で温泉(500円)に入った。本当は18時迄で入浴のみの客は断っているらしいが、フロントの可愛いお嬢さんはにっこりと「どうぞ、ごゆっくり」と笑顔で迎えてくれた。
そして鹿沢スキー場の駐車場で夕食(レトルトご飯にレトルトカレー、卵に海苔にインスタントみそ汁、梅干し、たくわん、熱いコーヒー、ビール……ふう、満腹)を済ませ、明日を夢見てそうそうに寝てしまった。星空が美しかった。