思いっきり堪能、赤城山テント山行
赤城山のツツジも見頃を迎えたようだ。ツツジ情報に誘われテント背負って歩いてきました。人気の赤城山は今日も大混雑、でもちょっとコースを外せば自然度一杯のツツジや藪漕ぎ、そして秘境(でもないか)銚子の伽藍の見事なシロヤシオ、夕日に染まる荒山高原のツツジ群を堪能することが出来ました。
【登山日】 1998年5月23日(土)晴れ〜24日(日)曇り
【山 名】 赤城山(黒桧山、駒ヶ岳、長七郎山、荒山、鍋割山)
【メンバー 】 単独
【行 程】 23日 北登山口…黒桧山…駒ヶ岳…鳥居峠…長七郎山…おとぎの森…
1010 1115-20 1200-15 1300-15 1400-25
銚子の伽藍…1442m峰…軽井沢峠……荒山……荒山高原(泊)
1530 1600 1610 1715-25 1755
24日 荒山高原……鍋割山……獅子が鼻……林道…大河原
0715 0750-0820 0845 0900 0945
【地 図】 赤城・皇海・筑波(昭文社エアリアマップ20)
下山予定の大河原に車を停めバスで大洞まで…バスは満員御礼、10人以上が立席でカーブでは右や左に…車窓からは白樺高原の蕾をぱんぱんに膨らませたレンゲツツジが出番を待っているのが見えた。開花は今月末くらいかなあ
大洞で殆どが下車し赤城神社先の登山口をめざす。ウオーミングアップにちょうど手頃だ。ここから黒桧山をめざす。いきなりの急登、シロヤシオやヤマツツジが所々見られる。今日の荷物は約20Kg、重いなあ、人出も多い、ゆっくりと歩く。
そして山頂着。なんと中学生の団体が山頂を独占している。ざっと数えて100人は軽く越えている。三角点前で集合写真、一般登山者は座るところもなくあきれ顔だ。展望は袈裟丸方面がモヤッと見えるくらいであり、早々に退散とする。めざす荒山は地蔵岳に遮られ見えないが、長七郎は遙か彼方…
そして駒ヶ岳への丸太の下り、ここはツツジがまずまずだ。そして駒ヶ岳着。ここも山頂はいっぱい、その下の道にはシート広げて道を独占している団体…いやあ、なかなかゆっくり出来そうもない。ここも早々に退散。そしてツツジを眺めながら尾根道を快適に下り鉄の階段への分岐からわずかな踏み跡を見つけ鳥居峠をめざす。ここは先日Tさんが登ってきたところだ。いきなり道を失うが、いやあ、凄いツツジ!!真っ赤なツツジが所狭しと満開だ。見とれて歩いているとすぐに道を失いその度に軌道修正、藪漕ぎとなる。でっかいザックが引っかかり体はツツジの花びら漬けだ。しかし見事だ。日焼けならぬツツジ焼けになるんでは
そして鳥居峠が近づく頃、岩が多くなると落ちた枯れ葉で隠された岩のクレパスに落ち込まないように注意しながら歩く。何回かひやっとしたころ道が現れ観光客で賑やかな峠に到着。一休みのあと長七郎をめざす。そしていきなり山頂。レンゲツツジはここでもちょっと早いようだ。いつもより水の多い小沼を眺めながら休憩。残念ながら一級品の展望は靄でお預けだ。ある夫婦との会話「えらいな荷物ですねえ」「はい、捨てて行きたいくらいですが、荒山あたりで泊まろうと思って…」「いやあ、いいねえ。正月鍋割りで真っ白なオコジョ見たよ。現れるといいね」ふ〜ん、赤城山にもオコジョいるのかあなんて思いながら下山開始。途中ガレ場ではシロヤシオを前景に荒山が見える。疲れた体には威圧的に見えた。
そして小沼の手前からおとぎの森方面に向かう。森への分岐から小滝をみて更に進む。あれっ、道が無くなった?おかしいなあと分岐まで戻りそしておとぎの森まで行ってひと休み。地図を確認…う〜ん、間違いはないようだ。戻って再度挑戦。小滝の先でわずかな踏み跡を見つけひと安心(この間約30分のロス)。しかし道は不明瞭で時々迷う。うろうろしていると沢に出た。まあ、沢沿いであれば間違いなかろうと進む。小鳥の声が多く聞こえる。そして踏み跡が出てきたと思ったらわずかで銚子の伽藍と思えるところに出た。崖の上に咲く色とりどりのツツジが青空に映える。ここも見事だ。しかし圧巻は大きなシロヤシオの群落。袈裟丸でもこんな大きな木は見なかったような…
そこから登りとなる。もう道の心配はない。所々シャガの花が可憐だ。休憩所のある1442mのピークは富士望峠との朽ちた表示があったが雑木に囲まれて展望は全くない。以前は見えてたんだろうなあ
そして牛首峠で車道に出てわずかで軽井沢峠、ここから関東ふれあいの道となる。もう疲れもピークに達しそうだ。わずかで避難小屋(といっても休憩所だが)に到着。山頂めざすかなあ、どうしようかと思案してるとホオジロがチチチッと澄んだ声で、もう少しだよっ、頑張ってと励ましてくれる。よし、頑張ろう…見晴らしの良い岩場で一休み、そして程なく荒山山頂着。時間も遅いためか誰もいない。昼間は喧噪の山頂もひっそりとしている。ここで妻に荒山高原で泊まるよって連絡を入れる。レンゲツツジは一株咲いていたがあとはまだ蕾だった。
さあ、最後の下りだ。いやあ、ここもツツジがたくさんだ。夕方の柔らかい光線に更に綺麗さが増している。そして荒山高原着。さっそくテント設営、食事、長丁場のため控えていたビールを飲むと、読もうと思って持ってきた文庫本も見ることなく寝てしまった。西に沈む夕日が綺麗だったなあ
そして朝、小鳥の声がうるさいほどだ。空はちょっと曇り気味。外に出ると犬がきょとんと見ていた。いやああ、オコジョじゃなくてがっかり。誰に捨てられたのか首輪もない(この犬に出会ったことで、とんだ災難?で閉口した。詳細は後記)今日は行程は短い。ゆっくり山頂をめざす。快適な尾根はツツジが満開、しかし展望はあいにくの靄でまたまたお預け。まあツツジに免じて許してやろう。山頂は誰もいなかった。しかし、でっかい
(60Cm角、高さ2mはあろうか)無粋な山名板には参ったなあ。○○林業所さん、いい加減にしろよなって言いたくなった。嫌な気分になった。それに展望図(これはどうもカシミールでの作みたいだった)立派な木の土台に紙に印刷したのを3枚パノラマ状にしたものでテープで貼ってあった。これはたぶん完成までのその場しのぎだろうな
ちょっと雲行きが怪しくなったので下山開始、丸太階段から眺める一面のツツジにまたまた感動。荒山高原よりこちらの方が遙かに多そうだ。そして急な下りや滑りやすい道を経て林道着、青年の家方面と別れゴルフ場の脇を通り大河原に無事到着。
とんだ災難…荒山高原で出会った野犬、ちょっと可愛い顔をしていたが、何が気に入られたのか、あとをチョコチョコついてくる。シッシッと追いやるが時々間を空けてはくっついてくる。なんと鍋割を過ぎ、獅子が鼻までくっついてきた。その間、出会う人達から犬連れですか?と何度問われたことか…問いかける人達は一様に紐も付けないでって非難の表情ありありである。その度に「いやあ、実は…」って説明する。まったく困った犬だ。お陰で心労一杯の下山となった。石を投げて追いやろうと思ったが怒って噛まれたりしたら大変だと思って優しく追いやる程度しかできない。じっと目を合わせ睨んだり、小走りに走ってみたり…その甲斐あったのか、林道手前でいなくなってしまった。(皆さん、犬を捨てないようにしましょうね)