アイゼンの練習に赤城山

 愛車のタイヤがパンクし損傷も激しいため、これからの季節に備えスタッドレスを購入し装着。季節がらか混でて3時間も待たされるとの事で、合間に近くの山の店で6本爪軽アイゼンを購入。初めてのスタッドレスとアイゼンで雪道を歩きたくなったが寒くなったためか早起きが苦手となり8時過ぎに起床。これでは遠出は無理だ。こんな時には群馬県民であれば勿論赤城山。少しは積雪も…と期待したが殆ど無し。霜どけでぐちゃぐちゃの所もあったが、富士山もばっちりと期待通りの好展望。谷川方面の冠雪した姿は神々しくもあった。

【登山日】  1996年12月8日(日)晴れ
【山  名】  上州 赤城 鍋割山(1,332m)、荒山(1571.9m)
【同行者】  単独            
【行  程】  箕輪駐車場登山口…荒山高原……鍋割山…荒山高原……荒山
         1025-1035        1105   1130-1150  1220   1320-1340
        下の避難小屋…荒山高原…登山口駐車場
         1405        1420       1450
【地  図】  赤城山 1/25000図 

 スタッドレスタイヤは初めてであるが、通常のラジアルに比べてブレーキの効きがちょっと悪いようだ。気のせいであろうか?雪を期待してきたが残念ながら赤城への道は積雪はない。山も雪はなさそうだ。絶好の天気で青空に浮かぶ赤城山は優しそうな表情をたたえており、いつ見ても心が和む。
 箕輪の駐車場には10台くらいの車、ここには日本一長い?ローラー滑り台がありそれも人気のようだ。葉の落ちた樹林帯の中、霜柱を踏みしめて登り始める。落葉したカラマツの葉も霜柱で持ち上げられておりフワフワとした感じの歩きでなくザクッザクッと言った感じだ。

 途中足利から来たという単独の女性と出逢い鍋割山山頂まで同行する。昨日は小野子山、十二ガ岳に登ったが今日以上に展望が良かったとのこと。私が先行し、話しながら登ったが、ハーハーと息づかいも荒く話してるのに比べ女性はすましたものである。健脚に脱帽である。荒山高原からは日当たりが良いため霜柱が融け、黒土がぐちゃぐちゃである。滑ったら泥だらけ間違いなし、慎重に登る。少し雪があった方が登り易そうだ。
 登りでは左手眼下に群馬の市街地が一望だ。遠くには白銀の富士山が輝いて見える。そして、尾根に出ると、待ってましたとばかりにあちこちの山の大展望がどーんと視界に入る。鍋割山はこの素晴らしい展望が比較的短時間で堪能できる素晴らしい山だ。浅間山、妙義、榛名、四阿山、草津白根、平標から谷川連峰、上州武尊etc……冠雪した山々が綺麗だ。特に谷川連峰は雪が深そうだ。登ってみたいなあと思うが、やめておこう。熟達した冬山技術が無いと無謀というものである。

 途中少し凍結したところもあったが問題なく通過し、右に左に素晴らしい眺望で気持ちよい尾根歩きを堪能しつつ山頂に到着。数人の人がくつろいでいる。風も少なく好天気、ひなたぼっこ気分だ。山頂は霜どけでぐちゃぐちゃ状態。隅の方でくつろぐ。ここからは我が家が見えるはずだ(自宅の窓からは鍋割の山頂が見える)と双眼鏡で探すがキラキラと屋根であろうか、輝いた市街地はどこも一緒の様で見つけることは出来なかった。ここで同行の女性は先に荒山をめざす。私はもう少し展望を楽しみそして下山開始する。
 途中70歳くらいの夫婦が尾根で休憩していた。素晴らしい眺望に感激している。「雪があったらまた素晴らしいでしょうね。アイゼンは6本爪くらいで良いですかね。正月も来たいなあ」等と話している。元気だなあ。この山はゆっくり登ればお年寄りでも楽しめる山である。そうだ、来年の初日の出はこの山で眺めようかなあと想いが胸をよぎる。

 ぐちゃぐちゃ道を用心して下り、そして荒山をめざす。途中ススキの穂が逆光に映えて綺麗だ。愛用のカメラでバシャッバシャッと傑作?をものにする。しばしササ原に寝っころがり休憩。そして最後の登りで一汗かいたころ頂上に到着。先ほどの女性と再度出逢いともに素晴らしい眺望を共有する。長七郎や地蔵岳の後ろに見える冠雪した高い山は皇海山であろうか?このころ富士山はもう霞んで見えなくなっていた。
 下りは避難小屋(といってもあずまやの様なところ)経由である。気持ちの良い日溜まりハイクであったが、こちらも霜どけでぐちゃぐちゃ道には閉口した。途中、樹上にとまっている3羽の鳥に出会った。逆光で色はわからずシルエットのみであるが今まで見たことのない鳥であった。ムクドリよりちょっと小さいくらいで頭に冠羽がある。図鑑ではカシラダカかキレンジャクといったところだ。

 下の避難小屋近くの芝の広場で少しひなたぼっこのあと荒山高原にわずか登り返し、ここからは僅かで駐車場に到着。好天気に恵まれ久しぶりにのんびりした山行であった。新調したアイゼンとスタッドレスタイヤの出番は無かったが、まだまだこれからも赤城山は楽しめそうである。