赤城はもう秋の装い 鈴ガ岳から薬師岳
1996年9月23日(月)晴れ時々曇り
連休で予定していた山行が駄目になったが、台風一過の今日は起きてみたら気持ちの良い晴天。こういう時はやっぱり赤城山だ。もう紅葉も少しは期待できるだろう。山頂カルデラの外輪山尾根歩きを楽しもうと、鈴ガ岳から薬師岳、そして時間があれば覚満淵散策の欲張りコースを選択した。山はもう秋の装いが始まっていました。
新坂平登山口…鍬柄岳…鞍部……鈴ガ岳…鞍部…林道…出張峠…出張山……薬師岳
0930 1010-20 1030 1050-1110 1120 1200 1310 1315-45 1400
…厚生団地分岐点…別荘地車道…新坂平登山口…ビジターセンター…覚満淵散策
1410 1420 1535 1540 1545-1645
赤城大沼の西から北に位置する山々は、東から南の方に比べて何となく人気がなさそうで行く機会が少ない。しかし、昨年鈴ガ岳に登ったときは急登もなく、気持ちよい樹林帯の落ち着いた雰囲気の歩きが楽しめた。それに展望も良い。気楽な日帰りハイキングにはもってこいである。登山口には数台の車、この辺りはツツジの大群落であるが今はその時期でない。先日の雨でちょっと滑りやすいが、心配してた雨滴は無い。牧場の柵にそって樹林帯の歩きも僅かで鍬柄岳に到着。山頂には双眼鏡や望遠鏡を覗いている数名の人達がいた。日本野鳥の会の人達でワシタカの観察をしているとの事。サシバやノスリ、クマタカがいるらしいとのことであったが、恥ずかしいのか飛んでこなかった。山頂からは榛名や妙義、秩父方面の展望がよい。荒山、鍋割山の稜線が綺麗だ。
ワシタカも飛んでこないので前方の鈴ガ岳をめざす。尾根を下り鞍部に到着。ところどころススキが秋を思わせる。樹林の中を登っていると、ザックにはさんでいたジャンバーが無い。暑いので脱いだ後ぶら下げて歩いてたが、ちゃんとはさんでなかったらしく途中で落としたらしい。探しに戻ろうかと悩んだが、貰ったものだし、もう古いし諦めることとした。気を取り直して展望の良い岩場で休憩する。ふと周りを見るとヘビの子供がとぐろを巻いてひなたぼっこをしていた。距離僅か1m程だがへびも陽気に浮かれてうつらうつらしていたらしい。そっと立ち上がり場所を離れようとしたら相手も気づいてトロトロと逃げ出した。いやあ、びっくりした。子供で良かったなあとホッとする。
この辺りから大きな岩が多くなり、歩きに変化が出てくる。僅かで三等三角点のある山頂に到着。木々に遮られ展望は良くない。しかし大沼、駒ヶ岳、黒檜山、その他赤城連山はバッチリだ。4人組が登ってきたのを潮に往路を下山する。僅かで鞍部に到着。この辺りは自然環境保全地域になっており看板には「ダケカンバやシラカンバ、アカヤシオ、サラサドウダン、ヤナギラン、ムラサキ等の樹林、カモシカやアマツバメ、チョウゲンボウ、マミジロ等が生息している」との説明がある。観光地化された赤城山にあって自然が一杯の雰囲気だ。ここより、カラマツの植林帯を下る。この辺りは小鳥の鳴き声が多い。しばしバードウオッチング、ヒガラやシジュウカラが賑やかだ。エナガもいる。おっ、あれはゴジュウカラだ。木を逆さに降りる動きはさすがだ。
やがてカラマツからブナやクヌギ林となり、関東ふれあいの道の林道に出る。すぐに車止めの柵があり、沢にかかった木橋を横切りカラマツとクマザサの緩い道を登る。結構歩いたなあと思う頃広葉樹林帯となり一休み。ここも鳥の声が多い。ヤマガラやヒガラが確認できた。そしてようやく明るい出張峠だ。ここで大沼畔方面と外輪山尾根に分かれるので尾根方面をめざす。僅かで出張山に到着。眼下に大沼がきらめいて見える。ここから見る黒檜山、駒ヶ岳はどっしりとしている。アンテナ群に乗っ取られた地蔵岳山頂も見える。コンビニで買ったおにぎりとビールでちょっと遅めの昼食。吹き抜ける風が爽やかだ。
こちらから眺める赤城連山も見事なものだ。僅かで薬師岳に到着するが樹林に阻まれて展望は無し。早々に先をめざす。進むにつれ長七郎山も見えてきた。赤城の山が勢揃いだ。大沼の上の方に覚満淵や鳥居峠も見える。いい眺めだ。少し先の標識より湖畔をめざし下山する。途中、見事に紅葉したモミジが写欲をそそる。よし、この構図だな。パシャッ……芸術写真の出来上がりだ。
そして赤城展望荘前に到着。湖畔に降りようと別荘前の車道を歩いていると真っ黒な犬が二匹、すさまじい形相で吠えながら向かってきた。一匹は弱そうな顔つきだ。ちょっとひるんだが、ここで弱気になっては襲われると思いじっと目を睨み付けゆっくり後退する。持っていた三脚でたたく格好をしたら、犬がちょっとひるみ後退したのですかさず石ころを拾い投げつけてやった。見事に命中、キャンといって一匹が逃げたら二匹目も逃げていった。やった〜。この犬は「レークサイド赤○」にいた犬である。ちゃんと鎖でつないでおけ〜と心で叫び湖畔への道を諦める。(しかし、この道が湖畔に続いていたかは不明である)
そして駐車場までの車道歩きだ。シラカバや紅葉した木々、キキョウの様な花。アザミや黄色い花が目を楽しませてくれる。途中には牛がのんびりと昼寝中だ。しかし、赤城山が張り裂けるんじゃないかと思うほどのすさまじい爆音のバイクの列、コーナーをかなりのスピードで走ってくる自動車等で恐ろしい限りだ。ここは歩くには適していない。道ばたの花々も見てくれる人がいなくて可哀想だなと思いながら、やっとの事で駐車場に到着。
時間があったので覚満淵を散策する。草紅葉を楽しみ、オナガの姿を見てカモの愛らしい仕草に微笑み楽しい赤城山ハイキングは終了した。犬で怖い思いをしたが、静かな山歩きや初めてのエナガやヤマガラも見ることが出来た。帰りに名物?のトウモロコシをおみやげに買い、夕日に染まる妙義や榛名、浅間山を車窓に眺め満足の一日であった。